「ハーモニー」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|伊藤計劃

「ハーモニー」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|伊藤計劃

【ネタバレ有り】ハーモニー のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:伊藤計劃 2010年12月に早川書房から出版

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ハーモニーの主要登場人物

霧慧トァン(きりえとぁん)
本作の主人公。政府の職員として、同時自殺の解決に努める。

御冷ミァハ(みひえみぁは)
トァンの旧友。今回の事件の首謀者。

零下堂キアン(れいかどうきあん)
トァンの友人。同時自殺の犠牲者

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ハーモニー の簡単なあらすじ

かつて発生した「大災禍」以来、国民は政府によってすべてを管理される世の中になった。そんな世界に疑問を持った3人の少女は自殺を図ろうとすることで、警鐘を鳴らした。それでも変わらない世界を目にした1人の少女がとった行動とは。

ハーモニー の起承転結

【起】ハーモニー のあらすじ①

世界に抗う少女

2019年、アメリカを中心としたウイルスの蔓延により各国の体制は瓦解しました。

これを受け、既存の「政府」ではなく、国民の健康を第一に考える「生府」が台頭してきました。

その体制の一環として、「WatchMe」と呼ばれるプログラムが導入されました。

全国民の体内に埋め込まれたこの器機は、各個人の成長だけでなく病気の発症も管理することが出来、人間はおおよそ病気では死なないからだとなりました。

その反面、負の感情を抱くことは許されなくなり、反抗性を示す値が一定値を超えると処分されるシステムとなってしまいます。

誰もが現状をおかしいと思っていない世の中で、御冷ミァハ「管理され過ぎる世界」に疑問を呈しており、この考えに共感した霧慧トァンと親交を深めます。

ミァハの影響下にある、零下堂キアンを含めた3人は、自殺をすることで警鐘を鳴らそうとしますが、怖くなったキアンの密告により失敗してしまい、ミァハだけが死んでしまいます。

それから13年後、トァンはWHOの組織の一つである螺旋監察事務局の上級監察官となっていました。

大規模な作戦も終り旧友である、キアンと再会します。

食事中、キアンは突然「ごめんね、トァン」と言いテーブルナイフで自分の喉元を切り裂きました。

同時刻、世界で6582人が自殺を図りました。

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【承】ハーモニー のあらすじ②

大災禍

この大惨事に対して、もちろんトァンの所属する螺旋も関与する事となり、権限のある彼女は独断で行動を開始しました。

犯行の内容から、死んだはずのミァハが関与しているのではないかと疑ったトァンは、父、霧慧ヌァザのかつての共同研究者で、ミァハの遺体を引き取った機関の人物の元を訪ねます。

そこで父の研究内容を知り、疑いを持ったトァンは別の共同研究者とコンタクトを取るべく、バグダッドに向かいます。

その道中、同僚からキアンが自殺直前にミァハと連絡を取っていたことが分かり、彼女が生きている事に驚きました。

道中、今回の首謀者は「次世代ヒト行動特性記述ワーキンググループ」であろうと聞かされたトァンが空港に着くと、テレビの画面に犯人からの犯行声明が流れました。

彼らの主張が述べられた後、最後に「これから1週間以内にだれか1人を殺してください。

自分が一番大切という感情を思い出してください。

出来なければあなたが死にます」と告げられます。

全ての主張を聞いたはトァンは、ミァハの考えと重なると思い、改めて彼女が首謀者だと感じます。

【転】ハーモニー のあらすじ③

真実

バグダッドについたトァンは、共同研究者と面会をし話を聞きます。

その夜、次世代ヒト行動特性記述ワーキンググループの中心人物と目される父ヌァザからの接触を受けます。

どうやら父は「ハーモニー・プログラム」なるものを確立させるべく取り組んでいたようです。

大災禍を防ぐ為、この装置は人間の脳に干渉し「常に合理的・協調的・平和的な判断を下させる」ものです。

今の社会に適しているのはもはや、「個人の判断は必要ない。

意識は不要である」と説きます。

とある国の山奥には「意識を持たない」民族がいる様で、ミァハはその血を受け継いでいるという事もあり、13年前の事件の際に利用されたと聞きます。

もちろん「意識の消失」は死に等しいので、その機能は万が一の時の為にある機能だと言います。

しかし、機関の中にはその機能をすぐに発現させろという異端の急進派がおり、そのトップがミァハであり今回の同時自殺の首謀者であるとヌァザは言います。

そこにミァハ派の幹部が現れヌァザを拘束しようとしますが、トァンとの戦闘に発展します。

トァンをかばったヌァザは死に、トァンに打たれた幹部も瀕死の状態となります。

彼は、最後にチェチェンでミァハが待っていると告げ、トァンは動き出します。

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【結】ハーモニー のあらすじ④

望まぬ未来

ミァハが宣言した期間が近づいてきており、他人を殺せず徐々に焦りだしてきた民衆たちにより各地で暴動が起こってしまいます。

子の事態こそミァハの思惑通りで、この暴動を治める為に機関が「ハーモニー・プログラム」を起動せざるを得ない状況を作りだすことこそが目的であったのです。

チェチェン山中の基地内にてトァンを待っていたミァハは、語りだします。

「この世界に馴染めず死んでいくのなら、人間である事をやめた方がいい、というより意識する事をやめた方がいい」と言います。

元々意識のなかった自分に意識が芽生えた理由を述べ、「意識なんて不幸になるだけ」とも言います。

これを受けたトァンは、「父とキアンの復讐をする」と言ってミァハを打ち抜きます。

ミァハは最後にコーカサスの山の見えるところで意識を消失したいと遂げ、トァンはそれを受諾します。

その後、世界の危機を判断した機関の人間は「ハーモニー・プログラム」を起動し、世界は思考を止めたのでした。

ハーモニー を読んだ読書感想

死ぬまで健康な状態でいられる事を代償に、自分で考えること・成長する事を妨げられた世界を舞台とした作品であり、現代の社会と比べてどちらが良いのかと考えさせられる作品でした。

ストーリー展開が難しく、字面だけで理解するのは非常に大変なので、じっくりと丁寧に読み進める事をお勧めします。

ミァハが亡くなったことで、ハーモニー・プログラムは起動されない世界線が描かれていくと思っておりましたが、死しても暴動は治まらず、結果として意識が消失した世界になってしまった結末には驚かされました。

意識の是非については、私たちも考えていかなければならないのかもしれないと思いました。

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