「ままならないから私とあなた」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|朝井リョウ

「ままならないから私とあなた」

【ネタバレ有り】ままならないから私とあなた のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:朝井リョウ 2016年4月に文藝春秋から出版

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ままならないから私とあなたの主要登場人物

ユッコ(ゆっこ)
主人公。Overというバンドのピアニスト・光流ちゃんに憧れて、自分だけの音楽を作るために作曲家を目指す。

薫ちゃん(かおるちゃん)
ユッコの親友。合理的な性格で、無駄なことが嫌い。学生の頃から理系で、研究職に就く。

渡邊くん(わたなべくん)
ユッコの恋人。作曲家という不安定な職業のユッコを不器用ながらも応援してくれている。

ままならないから私とあなた の簡単なあらすじ

ユッコと薫ちゃんは親友ですが、性格は正反対。ユッコは勉強はそれなりだが音楽が好きで、将来は作曲家になりたいとピアノに励んでいます。薫ちゃんはとても合理的な性格で、勉強はとてもできるのですが、役にたたないこと、不便なことが大嫌いでタブレット教材を手に入れたことをきっかけに学校へ行かなかったり、体育をサボったりしています。二人の共通点はバンドのOver。ユッコはキーボードの光流ちゃんが、薫ちゃんはバンドの演出に夢中です。学生のうちに薫ちゃんは「おうちでピアニスト」というプログラムを作りますが、それはユッコの考え方を否定するものでした。

ままならないから私とあなた の起承転結

【起】ままならないから私とあなた のあらすじ①

異なるふたり

ユッコは薫ちゃんの超合理的な性格に困ることもありましたが、常に仲良く過ごしていました。

そんな時、ユッコはクラスの渡邊君への好意を自覚します。

日直の黒板消しや日誌の仕事がなければ渡邊君のことを好きにはならなかったので、そのような日常の少し面倒なこともユッコは愛おしく感じていますが、薫ちゃんはそうは思いません。

日直の仕事や、将来の役に立たない勉強を、薫ちゃんは徹底的に排除しようとします。

通信教育のタブレット教材を手に入れたときから、薫ちゃんの合理的な性格は拍車がかかります。

家で勉強できるからと、学校をサボりがちになったり、体育の授業は水泳以外は役に立たないと言って出席しなかったりと、我儘な出席態度を貫きますが、成績は良いのであまりクラスでも浮くことはありませんでした。

しかし、薫ちゃんのそのような態度が許されるのは、中学生まででした。

高校からは、今までのクラスメイトがいなくなったことにより、薫ちゃんは浮いた存在になっていきます。

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【承】ままならないから私とあなた のあらすじ②

音楽と友情

ユッコと薫ちゃんを結び付けているのは、Overというバンドでした。

このバンドは、演出に凝っており、観客参加型になったり、3D映像を用いたりと、毎回そのパフォーマンスが話題となっていました。

ユッコと薫ちゃんが一緒にOverのライブに行ったときは、メンバーそっくりな3D映像が先に登場し、後から本当のメンバーが現れるという演出でした。

ユッコは、最初に現れた3Dと、本物の見分けがつかなかったことにショックを受けます。

大好きなバンドの本物が見たくてライブに来たのに、3Dを本物だと思い込んでしまった自分を恥ずかしく思ったのです。

しかし、ユッコの落胆とは裏腹に、薫ちゃんはその3Dの出来栄えに感動し、自分もそのような技術を手に入れたいと、勉強への意欲を燃やすのでした。

ユッコはこの出来事と、渡邊君への恋心から、心身共に調子を悪くしていきます。

何も知らない薫ちゃんは、渡邊君への恋を、体調を崩すぐらいなら恋なんてしないほうがいいと言い捨てます。

【転】ままならないから私とあなた のあらすじ③

発明

高校生になる頃、ユッコは渡邊君とめでたく付き合うことになります。

しかし、渡邊君は一年間の留学に行ってしまい、遠距離恋愛を経験します。

薫ちゃんとはその間も連絡はとっていましたが、あまり高校生活を楽しめていないことが伝わってきます。

薫ちゃんは友人関係には恵まれていなさそうでしたが、研究に没頭するようになり、発明コンテストで賞を取るほどになります。

そして、「おうちでピアニスト」というプログラムを発明するのです。

「おうちでピアニスト」とは、特定のピアニストの演奏方法を記憶し、その奏法やクセを用いて違う曲を演奏する、というものでした。

これを応用すれば、コンピュータが自動的に特定のピアニストが作曲しそうな曲を予想して作曲を行ってくれる、というものでした。

その発明を聞いたユッコは、この技術が発展すれば、ピアニストの自分らしさというものが失われてしまう、と危惧します。

そして実際に、薫ちゃんはユッコの知らないところで、ユッコの作曲しそうな曲をプログラミングを用いて制作するのです。

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【結】ままならないから私とあなた のあらすじ④

発明による挫折

大学を卒業しつつ、フリーの作曲家として活動するユッコが渡邊君に応援されながら、自分の集大成となるような曲を作り上げたとき、薫ちゃんもユッコのためを思って、ユッコが作りそうであろう曲をプログラミングを用いて制作しました。

そして、あろうことか、それをウェブ上に流してしまったのです。

その曲は、ユッコが作り上げた曲とうり二つでした。

ユッコが作曲した曲は、企業のコンペに出すつもりのものでしたが、提出条件として、未公開の音源であることが定められていました。

薫ちゃんの発明によって、自分の作った曲がコンペに提出できなくなったことに対し、ユッコは怒りを覚えます。

そして、どうして音楽というその人しか表現できないものをすべての人間が演奏できるようにしてしまうのか、どうして薫ちゃんは便利な世の中を求めるのかと詰め寄ります。

しかし、薫ちゃんは、ユッコだって文明の利器に頼っているくせに、自分の管轄内だけは便利になることを拒否するのはおかしいと言ってユッコを否定するのでした。

ままならないから私とあなた を読んだ読書感想

現代人の抱える矛盾を表現した作品だと思いました。

便利さに頼り切りだけど、人間としての温かみや、自分らしさに固執してしまう、そしてどこまで便利になっても満足しない、人間の面倒な部分が存分に出ていました。

自分自身、ユッコに共感する部分も多かったので、感情移入しながら読むことができました。

ただ、場面転換が多くてあまり登場人物の心情が出てこなかったのは残念です。

ユッコと薫ちゃん以外にも、渡邊君側の心情も気になるところでした。

渡邊君の留学時のホッケーとの出会いと挫折なども、ドラマ性を感じるのでもっと読んでみたいと思いました。

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