ドライブインまほろば(遠田潤子)の1分でわかるあらすじ&結末までのネタバレと感想

ドライブインまほろば(遠田潤子)

【ネタバレ有り】ドライブインまほろば のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:遠田潤子 2018年10月に祥伝社から出版

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ドライブインまほろばの主要登場人物


実の父親、義理の父親に虐待され義理の父親を殺害。父親が違う妹の来海と逃亡。六年生

流星(りゅうせい)
憂の義理の父親

銀河(ぎんが)
流星の双子の兄。弟の復讐のため憂を追う

比奈子(ひなこ)
ドライブインまほろばの店主。事故で娘を亡くした

ドライブインまほろば の簡単なあらすじ

寂れた山道にありやドライブインまほろば。実母の不注意により愛娘を亡くした比奈子は、一人まほろばで侘しく暮らしています。そこへ、親の虐待から逃げ出した兄と妹がやってきて、まほろばで暮らし始めます。兄の「父親を殺した」という告白、父親であった弟を殺された双子の兄、それぞれの人生が交錯していきます。

ドライブインまほろば の起承転結

【起】ドライブインまほろば のあらすじ①

ドライブインまほろば

優の母親は夫による暴力に耐え兼ね、流星と浮気をし来海が産まれます。

虐待を受けて育った憂は、義理の父親流星からも虐待を受けます。

憂は流星をバットで殺害し、流星のパソコンを持ち出し来海と逃げ出します。

昔、祖父と訪れることを約束した10年池がドライブインまほろばを目指します。

大切な双子の弟が殺されたことを知った銀河は、復讐とパソコンを取り返すために優を追います。

ドライブインまほろばの店主、比奈子は過去に愛娘を実母の不注意による事故で亡くします。

離婚をし、祖父母が過去に経営していたまほろばを引き継ぎ、店を再開させそこに一人で暮らします。

事故への後悔、元夫や実母へのやりきれぬ思いを抱え、一人になりたいと願いますが、実母は折に触れまほろばへ来て泣くために、鬱屈した気持ちが溜まっていきます。

そこに憂と来海が訪れ、「夏休みの間だけ置いてください」と言います。

二人のただならぬ雰囲気と、来海に亡き娘の影を重ね、比奈子は二人を匿うことに決めました。

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【承】ドライブインまほろば のあらすじ②

流星と銀河

銀河は憂を追い、憂の祖父の家を訪れ、口論の末に殺害してしまいます。

人を殺したことに戸惑う銀河でしたが、そこで憂の行き先である十年池のヒントを得ました。

流星と銀河は、実の両親に虐待され祖父の家で育ちましたが、ずっと二人で助け合いながら暮らしてきました。

二人は荒れた時期もありましたが、野球に出会い、将来を期待される選手に成長しました。

しかし今ではグラスという会員制援助交際クラブの経営者で、憂の持ち出したパソコンにはクラブの会員の名簿がありました。

それを取り戻さないと、クラブのボスの佐野に命を狙われてしまいます。

比奈子は、殺人を告白した憂を守り抜く決心をしました。

憂は、比奈子に感謝を示しつつも、初めて大人の暖かい心に触れて戸惑います。

大好きだった祖父との、六年生になったら十年池に行こうという約束を胸に、まほろばの近くで十年池を探します。

憂の望みは、普通のこどもになりたいというただ一つのことです。

【転】ドライブインまほろば のあらすじ③

十年池へ

銀河と流星が高校生の頃に遡ります。

同じく親から虐待を受けていた真面目で清楚な同級生、慶子の独立資金を稼ぐため、銀河は援助交際ビジネスを始めました。

現状から逃げ出したい女性を集め、会員制の組織を作りました。

軌道に乗った頃、会員とトラブルになり暴力事件に発展、高校は退学になり、野球選手への道は絶たれました。

野球の才能があった流星の人生を変えてしまったことを銀河は悔やみます。

憂の祖父を殺害した日に、慶子との子供が産まれたことが分かり、自分は親になる資格は無いと思いながらも憂を探しまほろばへ向かいます。

比奈子たち三人は、寂れたまほろばを立て直すべく石窯を作りピザを考案します。

生き生きとする憂と来海を見て、比奈子もこのまま3人で過ごしたいと強く願います。

銀河がまほろばへ来て、来海と憂を連れ帰ろうとします。

父親の流星を殺したことを来海に知られたくない憂は、銀河の言うことを聞こうとしました。

このまま二人を行かせてはならないと、比奈子が銀河を刺し二人を逃がします。

憂と来海は十年池を目指します。

銀河は、憂は責任感が強いからこのまま来海を道連れに自殺するだろうと比奈子に伝えます。

比奈子と銀河は二人の後を追います。

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【結】ドライブインまほろば のあらすじ④

それぞれの生まれ変わり

十年池とは、十年に一度現れ、汚すことができない程に澄みわたり、訪れた人は生まれ変わったようになるという生まれ変わりの池でした。

池のほとりで、憂が銀河の指示で男性会員に体を売らされてそれをビデオに撮られていたこと、次は来海の番だと言われ銀河を殺害したことを聞きます。

また、流星も幼い頃に憂と同じ事をされていた事を知ります。

銀河は、いつも兄に頼ってくる甘えた弟の流星に深く謝罪をすると共に、池に広がる光を浴びて、人生を行き直す決意をします。

そして比奈子は、生きる意味がないという憂を励まし、子供は何があっても生きていくのだと強く諭します。

銀河は逮捕されましたが、慶子との子供に光と名付け、家族への思いを新たにしました。

慶子と光は、銀河と比奈子の希望によりまほろばへ住み込むことにしました。

憂はこれまでの事情を考慮され、児童自立支援施設に入所します。

これまで出来なかった勉強を頑張りたいと笑顔が出ています。

来海は児童福祉施設に入り、週末はまほろばへ遊びに来ます。

比奈子はいつか憂と来海を引き取り、暖かい家庭を築いていく希望を持ちます。

ドライブインまほろば を読んだ読書感想

それぞれが重い過去を背負い、現状に抗いながら駆け抜けていく物語でした。

憂は妹を守り抜き、比奈子は二人を守り抜き、そして銀河は流星との過去を糧に新たな家族を守り抜こうという、人との愛を強く感じました。

起こしたことは許されないけれども、人は悲しみのなかから人との関わりにより光を見つけ出し、再生していくことができるのですね。

虐待という負の連鎖のテーマがあるなかで、家族の再生を描いた秀作です。

生まれ変われる可能性を見つけ出した登場人物たちのその後の人生が幸多きものでありますように。

全体的に重い話のなか、来海の無邪気な様子が光っていました。

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