【ネタバレ有り】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:武田綾乃 2017年10月に(株)宝島社から出版
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編の主要登場人物
黄前久美子(おうまえ くみこ)
2年生 ユーフォニアム担当 ユーフォの中では一番の実力者 1年生指導係 面倒見はよいが少し気が弱い
鎧塚みぞれ(よろいずか みぞれ)
3年生 オーボエ担当 演奏技術は非常に高い 傘木希美の存在が全てで、人見知りの少女
傘木希美(かさぎ のぞみ)
3年生 フルート担当 演奏技術は高い 1年生の時退部し2年生で復帰 明るく後輩からも慕われている
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 の簡単なあらすじ
1918年4月に公開されたアニメ映画「リズと青い鳥」はこの物語の鎧塚みぞれと傘木希美の部分を切り出した映画になっています。みぞれと希美は仲の良い友達ですが、2人の間には複雑な思いのズレがありました。そのズレを互いが理解しより強い絆を深めていきます。この物語を原作としたアニメ映画「響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜」が1918年4月に公開されます。
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 の起承転結
【起】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 のあらすじ①
北宇治高校吹奏楽部は京都府大会に向け厳しい練習に取り組んでいました。
今までぎくしゃくしていた1年生もようやく溶け込み黄前久美子の所属する低音パートもまとまってきました。
今年の自由曲「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートのソロの掛け合いがあり、オーボエは3年生の鎧塚みぞれ、フルートは3年の傘木希美、2人の実力は折り紙付きですが彼女たちの互いに対する感情の認識には大きな隔たりがありました。
そんな中、北宇治高校吹奏楽部は無事京都府大会を勝ち抜き、関西大会出場が決まりました。
しかし、音楽に対する意識の高い高坂麗奈はみぞれ先輩が実力を発揮していないと言います。
久美子は練習の時ソロに耳を傾けてみました。
みぞれ先輩の音はハイクオリティなのですが、希美先輩の音と組み合わさった際に違和感がありました。
久美子はどちらが悪いというのではなく、相性の問題ではないかと思いました。
しかし、みぞれと希美は仲良く、みぞれは希美を頼っていました。
そして2人とも同じ音大進学が希望です。
ただ、希美は他にもオープンキャンパスに参加しています。
【承】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 のあらすじ②
盆の部活の休みに吹奏楽部のみんなでプールに遊びに行くことになりました。
今年はみんなでワイワイするのが好きではない麗奈とのぞみも参加しました。
そこで、久美子は希美と話をしたのです。
みぞれはずっと好きな友達ではあるが、何か距離を感じるし、ソロも噛み合っていない、私を嫌いなんじゃないか、と吐露してきた。
そして、進路のことも音大でやっていけるか、それが本当に自分でやりたいことか悩んでいるようでした。
三連休の最終日久美子は恋人で同じ吹奏楽部の塚本秀一とファミレスで勉強をしていると突然久美子の姉麻美子と鉢合わせしました。
麻美子は昨年東京の大学を中退して自分の好きな美容師の専門学校に通っています。
今の姉は大学時代の姉と違って穏やかで、久美子も落ち着いて話せました。
姉は自分のやりたいことに専念している時間の方が幸せに感じる人の方が多い、今はキツイ事だらけだけどキツイと不幸はイコールじゃないことがようやく分かってきた、と言います。
久美子は両親の大反対はあったが、初めて後悔しない道を選んだ姉はすごいし、間違っていなかったと思ったのです。
【転】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 のあらすじ③
三連休も終わり合宿が始まりました。
合宿の夜、部屋から抜け出した久美子と麗奈にみぞれが話しかけてきました。
みぞれの音大への受験は木管の外部指導者である新山先生から勧められ、希美もその音大を受けるから決め事を初めて知りました。
麗奈はみぞれに希美先輩と相性が良くないのではないか、希美先輩を信用していなくてみぞれ先輩に合わせてくれると思っていないから自分を出さない演奏になるのではないかと問いかけました。
のぞみは、信用できるはずがない、希美はいついなくなるか分からないから、私はリズにはなれないと吐露します。
リズは自由曲の中に登場する少女です。
リズと青い鳥は心の通った友達でしたが、リズは青い鳥を逃がすことを決心するのです。
久美子達は2人の関係の複雑さに驚きました。
合宿中の練習でも2人への指摘は果てしなく続きました。
そんな時、みぞれは新山先生にリズの気持ちは理解できない、だからあれ以上のソロは吹けないと告白しました。
新山先生は青い鳥の気持ちで考えてみたらどうかと提案しました。
そして、どうして青い鳥はリズの言葉を受け入れたのか、それはリズに幸せになってもらいたいから、それが青い鳥の愛のあり方、そうみぞれは気付いたのです。
その後のみぞれのソロは気迫溢れるものでした。
合奏していた部員は身震いし聴き入り、希美は涙を流しソロを吹くことさえできませんでした。
演奏後部屋を飛び出した希美を久美子は追っかけ話しかけました。
希美はみぞれが自分より上手いことは分っていたが、それを認めたくなかったことや音大はみぞれには才能があって新山先生が勧めたがそれに負けたくなくて自分も音大に行くと言ってしまったことなど正直な気持ちを話してくれました。
そして最後に、みぞれのソロを完璧に支える、ソロだけがみぞれと対等にいられるたった一つの方法だと言って部屋に戻っていきました。
【結】響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 のあらすじ④
みぞれが気持ちに乗ってソロを吹けるようになってからは、みぞれと希美のソロの掛け合いは完璧に仕上がり、2人の関係も吹っ切れたようです。
そして関西大会、北宇治高校吹奏楽部は金賞でしたが、全国大会出場を逃しました。
会場から出ても部員達の雰囲気は散々でした。
みんなの所に戻ってきた優子部長は落ち込む必要はない、あの瞬間間違いなく最高の演奏をした、とみんなを鼓舞しました。
しかし、戻る前に優子が涙している姿を秀一は見ていました。
しばらくの間コンクールの話はタブーになっていました。
しかし、そのタブーを破ったのは優子部長です。
今年の北宇治は貪欲さに欠けた、去年の反省からぶつかることよりまとまることを最優先にし、妥協が積み重なった、それは部長の判断ミスだったと振り返りました。
そして、3年生は引退まで1年と2年の指導に回ること、今年からアンサンブルコンクールに出場し、個人のレベルを上げることを宣言しました。
そして植物園での演奏会の夜、久美子は優子と夏紀に呼び出されました。
来年の部長をお願いされたのです。
久美子は優子の涙も、夏紀の苦労も知っています。
彼女たちに夢を託したいと言われて断れるはずがありません。
そして家に帰ってすぐ秀一を呼び出し、事情を話し、恋人関係を解消することにしました。
ところが、優子と夏紀が副部長に推薦していたのはなんと秀一でした。
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 を読んだ読書感想
人見知りのみぞれと明るい希美、みぞれを吹奏楽に誘ってくれた希美をみぞれは慕っていました。
と言うよりは頼っていたと言って良いかもしれません。
初めはみぞれが初心者で希美が上級者だった関係がいつしか逆転してしまいます。
希美にとっては複雑な気持ちだったのでしょう。
そんな中で2人が共に距離感を感じるようになってしまったのではないでしょうか。
しかし、その距離感を詰める作業は2人にしかできません。
久美子や麗奈、優子、夏紀などどうにかしようとはしますが、その切っ掛けを作ったり、アシストしたりすることしかできないのだと思います。
しかし、そんな友達が周りにいると言うことは幸せですね。
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