【ネタバレ有り】ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:スティーグ・ラーソン 2011年9月に早川書房から出版
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女の主要登場人物
ミカエル・ブルムクヴィスト
本作の主人公。ジャーナル誌ミレニアムの発行責任者、正義感が強く真実追及のためには、余念がない。
リスベット・サランデル
セキュリティー会社所属の女性調査員。調査の腕はピカイチ、特にネットワーク関係では右に出るものはいないスキルを持つが性格に難がある。
ヘンリック・ヴァンゲル
スウェーデンの大グループ会社の前会長。姪のハリエット・ヴァンゲル失踪事件を心残りとしてミカエルに調査を依頼する。
ハリエット・ヴァンゲル
40年前に失踪した。次期グループ会長と目されていた頭脳明晰な女性。歳の時失踪した。遺体、遺留品などは見つかっていないが死亡したと思われている。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 の簡単なあらすじ
経済誌ミレニアムの編集長のミカエルとミルトン・セキュリティ所属のリスベットが協力して迷宮入りしたハリエット失踪事件に挑む。他人には心を閉ざしているリズベットだが社交的な性格のミカエルに徐々に心を開き、2人で危機を乗り越えハリエットが生きているという決定的な証拠を掴む。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 の起承転結
【起】ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 のあらすじ①
大物実業家ヴェンネルハイムのスキャンダルを告発するため取材をするミカエルだったが、巧妙な罠によって偽の情報を掴まされてしまう。
罠に気づかずジャーナル誌を発行してしまい、事実無根の記事を掲載されたとしてヴェンネルハイムに訴えられる。
裁判中に罠に気付いたミカエルは反論せずに罪を受け入れ、禁固と罰金クローネの判決を受ける。
ミカエルにとって禁固刑と罰金刑は手痛いことだが、それ以上にジャーナル誌ミレニアムにとって事実無根の記事を掲載してしまったことは大きな痛手となった。
経済ジャーナル誌としてジャーナリストと会社の癒着や実業家の不正を告発してきたミレニアムは敵が多い雑誌である。
対立するジャーナリストからは出鱈目な記事を出すジャーナル誌とし糾弾され、各業界の圧力により広告費の収入は落ち込んでしまう。
そんな危機のなかミカエルにスウェーデンの大グループ会社の前会長ヘンリック・ヴァンゲルの代理人の弁護士より電話がかかってくる。
初めは取り合わなかったミカエルだが、熱心さに負け一度訪問してみることにする。
【承】ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 のあらすじ②
ヘンリック・ヴァンゲルの話は失踪した姪のハリエット・ヴァンゲルについて再度調査して欲しいとの依頼であった。
ハリエット・ヴァンゲルは40年程前に失踪し、警察も大々的に調査したが見つからず、事件は迷宮入りしている。
誰もが死亡したと思っているがヘンリックはもう一度調べ直してほしいと依頼する。
ミカエルは自分は警察ではなく、ジャーナリストなのでと取り合わなかったが、高額な報酬とミレニアムの支援、ミカエルを罠にはめた実業家ヴェンネルハイムの秘密(これが公になればミレニアム誌の公正さが証明される)を提供することを約束され事件を引き受けることにする。
事件を調べるにあたり、ヴァンゲル家の親族が多く住むヘーデビー島に住居を移し調査を開始する。
ヴァンゲルのリクエストもあり、ヴァンゲル家の歴史から紐解いていこうと調査するミカエルだったが、ヴァンゲル家の者には煙たがられてしまう。
それでも調査を続けるミカエルは外出中に部屋に入られ資料を漁られる、猫の死体を玄関に置かれる等の妨害を受けながらも真実に近づいていく。
しかし、自分一人では手が足りなくなってきたので、優秀な調査員としてリスベット・サランデルを雇うことにする。
社交性が全くないリズベットであったが、PCとネットワークの技術は抜群でありついに決定的な証拠を見つけることに成功する。
【転】ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 のあらすじ③
2人は協力して2つの真実を探り当てる。
1つ目に発見したのはヴァンゲル家の大スキャンダルであった。
現会長のマルティン・ヴァンゲルが女性を監禁し、レイプや拷問した後に殺人を犯し遺体を地下室で処分するといった事を何年にも渡って行っているという疑惑が浮かび上がった。
ミカエルの動きを察知したマルティンはミカエルの日課のランニング中に待ち伏せをじて、地下室にミカエルを監禁することに成功する。
ミカエルにも拷問を行い殺害して口封じをしようとしたマルティンだったが、リスベットにより救出される。
マルティンは逃走中に交通事故に遭い死亡することになる。
2つ目に発覚した事実は死亡したと思われていたハリエットが生存しているという事実だった。
彼女は父と兄から性的暴行を受けておりその支配から逃れるために死亡したと見せかけてオーストラリアへ逃亡していた可能性があることをミカエルは突き止める。
どちらもヴァンゲル家に蔓延る男尊女卑の思想が産んだ悲劇であった。
【結】ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 のあらすじ④
ミカエルがオーストラリアへ行くとそこにはハリエットがいた。
彼女はパスポートを偽造して別人に成りすましており、牧場の経営者として生活をしていた。
彼女はミカエルから状況の説明を受けるとスウェーデンに帰り、ヴァンゲル・グループの次期会長に就任することになる。
ミカエルは今回の事件のヴァンゲル・グループのスキャンダルを告発しようとするが、ヘンリックの懇願と、ハリエットの未来のことを考え記事にはしないことにした。
ハリエットから約束されていた、ヴァンネルハイムの秘密だが大した価値はなくミレニアムの復活ができるような代物ではなかった。
しかし今回一緒に活動したリスベットによるハッキングにより、彼の不正を暴くことに成功する。
彼の不正を告発した記事の反響は大きくヴァンネルハイムは国外へ逃亡せざる得ない状況に追い込まれることになる。
ミレニアムは正義の雑誌として信頼を回復することに成功し、ミカエルも勇気のある告発者として一躍有名人となった。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 を読んだ読書感想
作者のスティーグ・ラーソンがジャーナリストということもあり、ジャーナリストであるミカエルの事件に対する考え方や捜査方法にリアリティがあって話に引き込まれていきます。
物語の中で実業家の真の顔を描写していますが、ジャーナリストである作者が描いたものなので説得力があり、実業家と接することのない私にとって参考となりました。
また、この作品は男尊女卑社会への問題提起も行っていると思います。
リスベット・サランデルはピアスやタトゥーを付けた容姿、社交性のない性格、社会悪に対する暴力と物語のヒロインとはかけ離れた特徴を持っています。
そんな彼女が事件の解決に大きく貢献する姿は痛快なものがあり、面白く読ませてもらいました。
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