映画「マーメイド・イン・パリ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|マチアス・マルジウ

映画「マーメイド・イン・パリ」

監督:マチアス・マルジウ 2021年2月にハピネットから配給

マーメイド・イン・パリの主要登場人物

ガスパール(ニコラ・デュボシェル)?
本作の主人公。恋に臆病になってしまった男。?

ルラ(マリリン・リマ)?
ガスパールと恋に落ちる人魚。?

ミレナ(ロマーヌ・ボーランシェ)?
総合病院で働く医者。同僚の医者でもある夫が、ルラに魅了され命を落とすという悲劇にあう。?

ロッシ(ロッシ・デ・パルマ)?
ガスパールの隣人。ガスパールの恋の行方が気になって仕方がない。

マーメイド・イン・パリ の簡単なあらすじ

バーで働くガスパールは、ある夜、人魚のルラと出会います。

通常、ルラの歌声に魅了されて恋に落ちてしまった男性は、命を落としてしまいますが、過去の苦い経験がトラウマになっているガスパールには、この呪いは全く通用しません。

しかし徐々に二人の距離が縮まり恋に落ちます。

二人の愛が深まると共に、ガスパールの体調にも変化が生じはじめます。

そんな中、ルナに夫の命を奪われたミレナにルラが確保されてしまいます。

しかし、危険を乗り越え、ガスパールは無事にルナを安全な海へ戻すことができました。

ガスパールも一命を取り留めますが、二人は離れ離れになってしまいました。

ガスパールは船乗りになり、ルナを探す旅へと出るのです。

マーメイド・イン・パリ の起承転結

【起】マーメイド・イン・パリ のあらすじ①

歌声の犠牲者

フランス・パリ。

父親の経営するバーで、パフォーマーとして働くガスパールは、ネコ一匹と一人暮らし。

勤務が終わるとすぐさま帰宅し、バーが黄金時代であった子供時代を振り返りながら眠りにつくという毎日を送っています。

そんなある日、経営難に苦しんでいた父親は、バーを手放す決心をしました。

怒りのままにお店を飛び出したガスパールは、セーヌ川のほとりに横たわっている人魚の格好をした若い女性を見つけます。

焦ったガスパールは慌てて緊急病院へ運び込みます。

病院前に女性を寝かせ、ガスパールは緊急窓口へ急ぎます。

その横で、医者のミレナが、夫と愛を囁き合っていました。

医者である彼は、横たわる女性に気付き、すぐに介抱しようとします。

そこで美女が目覚め、紡ぎ出した歌声にうっとりしていると、彼は突然心臓発作で倒れてしまいます。

そして彼は、ミレナに「人魚を見た」と言い残して帰らぬ人となってしまうのでした。

一方、ガスパールは手続きが進まない窓口にうんざりし、急いで女性を自宅へ連れて帰ります。

家に着き、バスタブにいれ、名前はルラと聞き出し、あの手この手で彼女の傷を治そうと努力します。

【承】マーメイド・イン・パリ のあらすじ②

追跡の手

ガスパールが懸命に介抱する中、ルラは歌声で彼を魅了しようとしてみせるが、ガスパールには全く効きません。

過去の失恋で痛手を負っている彼には通用しないのです。

あの手この手でルラを安心させようとするガスパールに、ルラは少しずつ心を開いていきます。

隣人のロッシは、ガスパールにとうとう恋人ができたと大喜びです。

ロッシは、「ガスパールが失った愛する心を取り戻し、本来の彼に戻してあげて」、とルラに懇願します。

一方、突然夫を失ったミレナに、妊娠が発覚しました。

彼が最後に残した言葉を胸に、原因究明に急ぎます。

人魚が残した青い血の痕跡や緊急窓口の記録から、ガスパールの住所を突き止めるに至るのでした。

そんなある日、ルラが興味本位で吸った煙草が原因で、ボヤ騒ぎを起こします。

ミレナの病院には、ボヤ騒ぎを起こした際に駆けつけた救急隊員が心臓発作を起こして運ばれてきます。

ミレナは人魚の存在を確信し、夫の死を無駄にはしたくないと、ますます調査に力を尽くすようになります。

【転】マーメイド・イン・パリ のあらすじ③

ガスパールの体の変化

ボヤ騒ぎを起こして落ち込むルラに、ガスパールがウクレレを手に歌い出し歌いはじめます。

ルナも一緒に歌い、二人の息はぴったりです。

この歌をレコードに収めておきたいと、ガスパールは二人の歌声をレコーディングし、形に残しました。

こうしてガスパールとルラの二人の距離はどんどん縮まっていきました。

「恋をすることは、喜びと痛みを知ることだよ」と、恋を知らないルラに、ガスパールは優しく教えます。

ところが、そんな幸せな時間を過ごすガスパールに、徐々に体調に変化が起きるのでした。

ルラに恋をしてしまったことで、失恋のトラウマが解け、人魚の呪いが徐々に聞くようになってしまったのです。

二人は、残された時間を少しでも有意義に使いたいと、父親のバーへと向かいます。

ガスパールの父親も幸せに満ち溢れる息子の姿を見て喜び、バーは幸せな雰囲気に包まれます。

そんな中、とうとうルラの居場所をつかんだミナは、二人がロマンティックな夜を過ごすバーへと向かうのでした。

【結】マーメイド・イン・パリ のあらすじ④

あたらしい世界へ

一方、踊り疲れた二人はバーをでて、水族館へ向かいます。

夜の水族館で、ルラは水槽の中で魚たちと泳ぎ、水の中にいる幸せをかみしめています。

一緒に潜るガスパール。

するとまた心臓に異変が起こります。

とっさにルナがガスパールにキスをし、水上へと戻します。

その後、ガスパールは二人の夢の生活を描いた劇をルラに披露し、気持ちを伝えます。

「本物の魚が食べたいわ」と懇願するルラに、ガスパールは急いで魚を買いに走るのでした。

軽い足取りで戻ってきたガスパール。

家の扉を開けると、もぬけの殻。

ルラは緊急病院に運ばれ、ミレナに捕まってしまいました。

しかし、ガスパールと隣人ロッシの協力で病院の外へと運び出します。

そのままふらつきながら必死の思いで海に辿り着き、ルラと別れるのでした。

ルラは海底へ、ガスパールは陸に上げられます。

追いかけてきたミナに発見され、息を吹き返し、一命を取り留めます。

後日ガスパールのもとに、ルラの涙が届けられ、彼は決心をします。

船に乗り、パリを離れルラを探す旅に出たのです。

マーメイド・イン・パリ を観た感想

人魚と人間が恋に落ちるというロマンティックなストーリーは80年台のヒット映画「スプラッシュ」をはじめたくさんありますが、この映画は、人魚が男性を魅了して死に至らせるという、一見恐ろしいストーリーであるのも事実です。

しかし、フレンチエスプリや、隣人のロッシといった魅力的な周りのキャラクターのおかげで、心地よいテンポで小気味よくストーリーは展開していきます。

ガスパールとロッシの住むアパルトマンも色彩にあふれたオシャレなインテリアも見どころです。

ラスト15分、セーヌ川へ急ぐガスパールにロッシが言い放ちます。

「大いなる想像力を持つものは世界を変えることができる」と。

想像力を失った大人に、またピュアな恋愛をしたいと思わせてくれる作品です。

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