監督:ピーターウェーバー 2004年1月にギャガから配給
真珠の耳飾りの少女の主要登場人物
グリート(スカーレット・ヨハンソン)
つつましい家庭の少女。物語の中心的な登場人物であり、家族のありさまに込められた感情が描かれる。
ヨハネス・フェルメール(コリン・ファース)
画家。グリートに魅了され、彼女の家族の生活に関わることで物語が展開される。
真珠の耳飾りの少女 の簡単なあらすじ
1665年のオランダ、デルフトの街。
タイル絵師の父を持つグリートは、画家フェルメールの家で働くことになる。
フェルメール夫人の理解を得られない中、グリートはアトリエの掃除を命じられ、芸術に対する異なる視点が描かれる。
フェルメールはグリートの才能に気付き、遠近法や絵の具の調合を教える。
ある日、グリートは自らのアイデアで構図を改善し、それがフェルメールの作品に影響を与える。
真珠の耳飾りの少女 の起承転結
【起】真珠の耳飾りの少女 のあらすじ①
1665年のオランダ、デルフト。
グリートはタイル絵師の娘として育ち、タイル絵の伝統を受け継ぐ。
しかし、彼女の心にはより大きな夢が秘められていた。
ある日、デルフトで名高い画家ヨハネス・フェルメールの家に下働きとして招かれることになる。
フェルメールの家に到着すふと、さっそく掃除婦のひとりに挨拶をして色々とおそわることに。
慣れない力仕事や買い出し、掃除など、やることは盛りだくさん。
フェルメール夫人に命じられた掃除の中で、グリートはアトリエの中で芸術への愛を発見する。
フェルメールが絵を描いているアトリエでの出来事。
掃除を任されたグリートは、夫人に窓の掃除をしても良いか尋ねます。
夫人はそれを気にする必要はないと答えますが、グリートは「ライトが変わってしまいます」と応えます。
このやり取りは、グリートが芸術への感受性を持ち、絵画における光と影の重要性を理解していることを示しています。
彼女の洞察力が物語において重要な役割を果たすことが予感されます。
【承】真珠の耳飾りの少女 のあらすじ②
グリートは下働きとして日々忙しく働いており、ある日、肉屋に買い出しに行く任務が舞い込む。
その肉屋で、彼女は息子となかよくなります。
歳の近い肉屋の息子との交流は、新たな友情や絆の始まりを予感させます。
これはグリートが単なる働き手ではなく、周囲の人々とのつながりを築いていく過程を描いています。
物語において、この出会いが後にどのような影響を及ぼすのかが注目されます。
日々の仕事をこなす中、いつも通りにフェルメールの部屋を掃除しているとフェルメールご本人と初めて対面することになります。
初めての対話となり、緊張気味のグリートは言葉を交わします。
この瞬間は、グリートが芸術家と直接対話するのですが、夫人のような当たりの強い態度ではなく、フラットに接してくれました。
また、グリートの感性の豊かさにいち早く気づいたフェルメールはどうやらグリートをお気に召したよう。
自分の画材の買い出しを頼んだり、絵の具を作らせたり教えていきます。
【転】真珠の耳飾りの少女 のあらすじ③
フェルメール家ではピリピリとした雰囲気が漂っており、その一因は経済的な問題です。
実際、フェルメールの絵は売れず、家計は裕福な状況ではありません。
夫人は日銭を稼ぐためにジュエリーを売るなど苦しい状況に直面しています。
この中で、夫人が再び妊娠するという出来事が加わり、ますます家庭の厳しい現実が浮き彫りになります。
物語の中で、フェルメール家には経済的な困難、増える子供、売れない絵画といった複数の課題が積み重なります。
その中で、なんとも皮肉なことに、パトロンがグリートに興味を示す展開が起こります。
夕食の卓で、ついにフェルメールの絵が完成し、披露されることになりました。
しかし、次の絵の話題が出ると、驚くべき提案が飛び出しました。
なんとパトロンが、次の作品でグリートのような若い娘を描くことを提案したのです。
この提案により、場は一気に混乱と凍りつきに包まれます。
夫人もヒステリックになり、グリートを警戒する雰囲気が漂い始めます。
この一瞬で物語には予測不能な展開が生じ、登場人物たちの葛藤が一気に深まります。
【結】真珠の耳飾りの少女 のあらすじ④
フェルメールがグリートをモデルに選び、絵に取り掛かる中、頭に被っている布が絵の進行を妨げることに気づきます。
布を外すように促しますが、グリートは拒否します。
代わりに、グリートは耳に真珠のピアスをつけることを提案します。
この提案により、物語には芸術と個性、そして美という要素が交錯し、登場人物たちの複雑な感情が浮かび上がります。
下働きのグリートが真珠などを持っているわけはありません。
そこで、夫人の目を盗んで彼女の持ち物を借りることになりました。
しばらくして、絵を再開することになり、物語には秘密と欺瞞がからみ合う緊張感が増していきます。
パトロンは夫人に対し、グリートとフェルメールが浮気しているかのような口ぶりでからかいます。
夫人のヒステリックが限界に達し、彼女は絵を確かめるために普段は入ることのないフェルメールのアトリエへと向かいます。
完成した絵にかけられた布を取ってみると、そこにはグリートがモデルとなった穢らしい絵が描かれていました。
夫人はその光景に涙ぐみ、この出来事が決定打となり、グリートは家を去ることになりました。
物語には感情の葛藤や誤解が交錯し、キャラクターたちの運命が不可逆的に変わります。
真珠の耳飾りの少女 を観た感想
「真珠の耳飾りの少女」は静かな雰囲気の中に激しい心情が広がる映画です。
フェルメールとグリート、夫人のそれぞれの複雑な思わくによって三角関係が絡み合い、緊迫感と複雑な感情が交錯します。
経済的な苦境や誤解が登場人物たちを翻弄し、真珠の耳飾りをめぐる物語が深みを増しています。
登場人物の行動や選択が結末にどう影響するのか、観客は予測できない展開に引き込まれます。
美的な描写と共に人間ドラマが織りなす感動的な作品です。
スカーレット・ヨハンソンが演じるグリートは若々しく、役柄にぴったりとフィットしています。
彼女の表情や仕草が物語に深みを与え、静かながらも強い存在感を感じさせます。
彼女が持つ繊細な芸術性が、フェルメールの絵画に影響を与え、物語に独自の美しさを加えています。
また、夫人との誤解やパトロンとの複雑な関係も、スカーレット・ヨハンソンの演技によって見事に表現され、観客に深い感銘を与えるでしょう。
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