映画「戦場のメリークリスマス」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|大島渚監督

映画「『戦場のメリークリスマス』」

監督:大島渚監督 1983年5月に配給会社は松竹、松竹富士、日本ヘラルドなどがあります。

から配給

『戦場のメリークリスマス』の主要登場人物

【名前】ジャック・セリアズ陸軍少佐役(デヴィッド・ボウイ)【説明】かつて日本軍に拷問されたことがある元将校【名前】ヨノイ大尉役(坂本龍一)【説明】収容所の所長【名前】ハラ・ゲンゴ軍曹役(ビートたけし)【説明】捕虜収容所副官

『戦場のメリークリスマス』 の簡単なあらすじ

第二次世界大戦中のジャワ島の日本軍捕虜収容所を舞台に描いた映画です。

日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの合作で、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけしという異色のキャストが共演しました。

坂本龍一が作曲した音楽も高く評価され、テーマ曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」は名曲として知られています。

この映画は、日本軍の士官ヨノイと連合軍の捕虜セリアズの間に生まれる奇妙な感情や、捕虜たちの人間模様を描き出しています。

1983年にカンヌ国際映画祭に出品され、英国アカデミー賞で作曲賞を受賞しました。

2021年には4K修復版が公開されました。

『戦場のメリークリスマス』 の起承転結

【起】『戦場のメリークリスマス』 のあらすじ①

 

ヨノイ大尉とセリアズの出会い

起の部分は以下のようになります。

映画は、捕虜のロレンス(トム・コンティ)がハラ軍曹(ビートたけし)に起こされるシーンから始まります。

ロレンスは日本文化に理解を示し、ハラ軍曹とも親しくなっていました。

一方、収容所の所長であるヨノイ大尉(坂本龍一)は、厳格で冷徹な軍人であり、捕虜たちに対しても厳しい態度をとっていました。

ヨノイ大尉は、捕虜の中でも特に目立つセリアズ(デヴィッド・ボウイ)に興味を持ちます。

セリアズは、かつて日本軍に拷問されたことがある元将校であり、ヨノイ大尉とは対照的な自由奔放な性格でした。

二人は初めて対面した軍事裁判で互いに衝撃を受けます。

その後も、ヨノイ大尉とセリアズの間には奇妙な感情が芽生えていきます。

このように、映画の起の部分では、主要な登場人物の紹介と関係性の設定が行われています。

また、戦争という極限状況下での人間の心理や感情が描かれています。

この映画は、坂本龍一が作曲した美しい音楽や、大島渚監督の独特な演出も魅力的です。

【承】『戦場のメリークリスマス』 のあらすじ②

 

ハラ軍曹とロレンスの友情

承の部分では捕虜収容所には、日本軍の所長ヨノイ大尉(坂本龍一)、副官ハラ軍曹(ビートたけし)、イギリス軍の通訳ロレンス(トム・コンティ)、英雄的なパイロットセリアズ(デヴィッド・ボウイ)などが登場します。

ヨノイ大尉はセリアズに対して異常な執着を抱きますが、セリアズは彼を無視します。

一方、ハラ軍曹とロレンスは互いに尊敬し合うようになります。

捕虜たちは日本軍の命令に従わず、反抗的な態度をとります。

ヨノイ大尉は捕虜たちを厳しく処罰しようとしますが、ロレンスやセリアズが彼を止めます。

捕虜たちは自分たちの文化や信念を守ろうとしますが、日本人との衝突は避けられません。

この部分は、映画の中で日本人とイギリス人の対立や共感が深まる場面が多く見られます。

また、坂本龍一が作曲した名曲「メリークリスマス・ミスター・ローレンス」が初めて流れるシーンも含まれています。

この曲は、映画のテーマである友情や愛情を象徴するものとなりました。

【転】『戦場のメリークリスマス』 のあらすじ③

 

セリアズのキスとヨノイの卒倒

転の部分では、捕虜収容所の所長ヨノイ大尉(坂本龍一)と捕虜のセリアズ(デヴィッド・ボウイ)との関係が深まります。

ヨノイはセリアズに対して異常なまでの執着心を抱き、彼を特別扱いします。

一方、セリアズはヨノイに反発しつつも、彼の中にある美意識や孤独感に共感します。

二人は言葉ではなく視線や表情で感情を伝え合います。

しかし、その関係は周囲の人々にも気づかれてしまい、やがて悲劇的な結末を迎えます。

この部分では、坂本龍一とデヴィッド・ボウイという世界的なアーティストが演じる二人のキャラクターが魅力的です。

特に有名なシーンは、セリアズが猛暑の中で倒れた仲間を救おうとしてヨノイにキスをするシーンです。

このシーンは、二人の間にある禁断の愛と衝突を象徴しています。

また、この映画の音楽も坂本龍一が担当しており、メインテーマ曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」は世界的なヒット曲となりました。

この映画は、大島渚監督が遺した傑作のひとつとして今も多くの人々に親しまれています。

戦争という極限状況下で生まれた人間の感情を美しくも切なく描いた作品です。

【結】『戦場のメリークリスマス』 のあらすじ④

 

「メリークリスマス、ミスター・ローレンス」

結の部分は、日本の敗戦と捕虜たちの解放が近づいた時期から始まります。

捕虜収容所の所長であるヨノイ大尉(坂本龍一)は、自分に惹かれていると感じるイギリス人捕虜のセリアズ(デヴィッド・ボウイ)に対して、最後の接触を試みます。

しかし、セリアズはヨノイにキスをして侮辱し、ヨノイは激怒して気絶します。

その後、ヨノイはセリアズを処刑しようとしますが、他の日本人将校に止められます。

そして、日本軍が降伏するという無線放送が流れます。

一方、捕虜収容所で親しくなった日本人軍曹のハラ(ビートたけし)とイギリス人捕虜のローレンス(トム・コンティ)は、別れを惜しみます。

ハラはローレンスに自分の刀を贈り、ローレンスはハラに自分の腕時計を贈ります。

そして、ハラは「メリークリスマス、ミスター・ローレンス」と言って笑います。

これが映画のタイトルにもなっています。

数年後、ローレンスは再びジャワ島を訪れます。

そこで彼は、戦争犯罪で死刑判決を受けたハラと再会します。

ローレンスはハラに助命嘆願書を書くように頼みますが、ハラは拒否します。

そして、ハラは処刑される前夜にローレンスと最後の会話をします。

ローレンスはハラに感謝し、友情を語ります。

ハラもまたローレンスに感謝し、友情を語ります。

そして、二人は涙ながらに別れます。

このようにして、『戦場のメリークリスマス』は終わります。

この映画は、戦争という極限状況下で生まれた人間関係を美しく描いた作品です。

特に坂本龍一が作曲したメインテーマ曲は、映画の感動を高める効果があります。

この映画は世界的な評価も高く、多くの賞を受賞しました。

『戦場のメリークリスマス』 を観た感想

『戦場のメリークリスマス』は、大島渚監督の代表作のひとつです。

この映画は、太平洋戦争中のジャワ島の日本軍捕虜収容所を舞台に、日本人と外国人の間に生まれる友情や愛憎を描いています。

出演者は、音楽家の坂本龍一、コメディアンのビートたけし、ロックスターのデヴィッド・ボウイ、イギリス人俳優のトム・コンティという豪華な顔ぶれです。

特に坂本龍一が演じるヨノイ大尉とデヴィッド・ボウイが演じるセリアズとの関係は、映画の見どころのひとつです。

二人は互いに惹かれ合いながらも、敵味方という立場から距離を置くことになります。

その葛藤が、最後には衝撃的なシーンにつながります。

この映画は、戦争という極限状況下での人間の心理を深く掘り下げた作品であり、多くの観客や批評家から高い評価を得ました。

また、坂本龍一が作曲した主題曲も有名で、映画の雰囲気をより一層引き立てています。

私はこの映画を見て、戦争の悲惨さや人間の複雑さを感じましたが、同時に人間の持つ美しさや強さも感じました。

この映画は、私にとって忘れられない名作です。

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