監督:テッド・コッチェフ 1982年12月に東宝東和から配給
ランボーの主要登場人物
ジョン・ランボー(シルベスター・スタローン)
元グリーンベレーの隊員でベトナム帰還兵。サバイバルに長け、あらゆる武器を使いこなす優秀な兵士。ベトナム戦争により心に傷を負い、後遺症に苦しんでいる。帰国後、仕事に就こうとするが、国民からつまはじきにされ無職。
サミュエル・トラウトマン(リチャード・クレンナ)
ベトナム時代のランボーの上官で大佐。ランボーが唯一心を開いている人物。
ティーズル(ブライアン・デネヒー)
ランボーを危険人物とみなし、威圧的な態度で接し逮捕してしまう保安官。
ランボー の簡単なあらすじ
戦友に会うためアメリカの田舎町を訪れたベトナム帰還兵のランボー。
しかし戦友は戦争の後遺症で亡くなっていました。
帰路に就くランボーでしたが、よそ者嫌いの保安官らに拷問まがいの取り調べを受けます。
耐えかねたランボーは山に逃走。
大人数の州兵を相手に一人で戦うことに。
ランボーの上官まで派遣されてきます。
やがて街に降りたランボーは、建物を破壊。
最後は悲痛な心情を吐露、投降し連行されていきます。
ランボー の起承転結
【起】ランボー のあらすじ①
元グリーンベレーでベトナム帰還兵のジョン・ランボーは、優秀な兵士でしたが働き口もなく社会から孤立して生きていました。
ある時、戦友に会うためアメリカのとある山間の街を訪問。
しかし戦友は戦争の後遺症ですでに亡くなっていました。
戦友と一緒に写った写真を母親に渡し、失意のまま帰路に就きます。
肌を刺すような寒さの中、一人歩いていくうち田舎町を通りかかります。
そこで、自分の街にやってくるよそ者を極端に嫌う保安官のティーズルに目を付けられてしまいます。
ランボーの身なりや風貌が気に入らず、問題を起こしそうという言われなき理由で、街から出ていくよう告げる威圧的なティーズル。
ランボーは車に乗せられ街の外れまで連れていかれ、そこで降ろされます。
しかし踵を返し、街に戻ろうとするランボー。
それを見たティーズルは怒りを爆発させ、サバイバルナイフの所持と公務執行妨害でランボーを逮捕してしまいます。
そして保安官の事務所に連行します。
【承】ランボー のあらすじ②
事務所に連行されたランボーは何人かの保安官助手から取り調べを受けます。
しかしそれは取り調べというよりは、拷問に近いものでした。
ベトナム戦争で捕虜になった時のことがフラッシュバックするランボーは、素直に取り調べに応じることはなく、ますます頑なな態度を取ります。
協力的な態度を取らないランボーに対し保安官助手たちの取り調べはエスカレート。
拷問まがいの行動に出ます。
消防のホースで水を噴射してランボーに浴びせたり、小突いたり…。
無精ヒゲを剃ろうと顔に何もつけずにカミソリを近づけた瞬間、ランボーにまたベトナムでの拷問が鮮明にフラッシュバックします。
堪忍袋の緒が切れたランボーは保安官たちを武器なしで叩きのめし、サバイバルナイフを取り返します。
そして事務所から飛び出し、路上でバイクを奪い山に逃走。
ティーズルはランボーを捕まえるため部下を集め山狩りを始めます。
ほんのちょっとした、いざこざが大きな事件に発展しようとしていました。
【転】ランボー のあらすじ③
逃走したランボーはヘリコプターに乗った保安官助手に断崖絶壁に追い詰められます。
保安官助手は許可が出ていないにもかかわらず、射殺しようと血眼になっていました。
ランボーは身を守るため石を投げ保安官助手が転落死してしまいます。
「殺すつもりはなかった。
これは事故だ」とランボーは主張しますが、転落死のいきさつを知らないティーズルは聞き入れません。
仕方なくランボーはベトナムで会得した戦術、サバイバル術を駆使して保安官助手たちを一人ずつ殺さず倒していきます。
ティーズルに「山では俺が法律だ」と言い姿を消します。
すると州兵が駆り出され、ランボーを説得するためベトナム時代の上司トラウトマン大佐が派遣されてきます。
トラウトマンは一端ランボーを逃がし、違う街で捕まえることを提案しますがティーズルは聞き入れません。
ランボーも、先に仕掛けたのは保安官で投降するつもりはないと、無線でトラウトマンに伝えます。
そして戦友たちが自分を除いて全員亡くなったことも…。
【結】ランボー のあらすじ④
あくる日、廃坑で州兵に取り囲まれたランボー。
ロケット弾が廃坑に撃ちこまれ死んだと思われますが、坑道を奥へ奥へと進み、地上に姿を現します。
その後トラックを奪い街へ戻ります。
するとガソリンスタンドを爆破。
銃砲店を襲撃。
そしてティーズルのいる保安官の事務所に銃を撃ち込みます。
大ケガを負ったティーズルに銃口を向けるランボーの前にトラウトマンが現れ「戦いは終わった」と諭しますが、ランボーは「戦争はまだ続いている」と叫び、戦場帰りの男の悲哀が次々語られていきます。
反戦運動で浴びせられた罵声のこと、戦場では助けてくれる戦友がいたがアメリカでは助けてくれる人はいないこと、駐車場の警備員の職にも就けないこと、戦場で戦友が靴を磨いてもらおうとしたら爆死したことなどなど。
ランボーは泣き叫びながらベトナム戦争のトラウマをトラウトマンに吐露していきます。
そして観念したランボーは投降。
連行されていく途中には、搬送されていくティーズルの姿がありました。
ランボー を観た感想
シルベスター・スタローンの代表作と言えば「ロッキー」とこの「ランボー」でしょう。
何しろいまだに続編が作られているのですから。
代表作というよりライフワークというべきでしょうか。
「ロッキー」がアメリカンドリームを描いているスカッとする作品に対して、「ランボー」は暗くベトナム戦争の悲哀を切々と描いた作品です。
特にこの第1作は寒い山間の田舎町を舞台にしているせいもあり、悲しみが心の中に積もってきます。
エンタメ路線に走った第2作の「ランボー/怒りの脱出」とは一線を画しています。
それだけに個人的には第1作に思い入れがあります。
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