監督:清水崇 2022年2月に東映から配給
牛首村の主要登場人物
雨宮奏音(Koki,)
本作の主人公。東京に住む女子高生。ある心霊動画に自分と瓜二つの人物が映っていることを知り、探り始める。
三澄詩音(Koki,)
奏音と瓜二つの女性。坪野鉱泉で行方不明になった。
香月蓮(萩原利久)
奏音に心霊動画の存在を教えた高校生。奏音に好意を寄せている。
倉木将太(高橋文哉)
詩音の彼氏。詩音の行方を探し続けている。
綾子(芋生悠)
奏音の前にたびたび現れる女性。実は奏音と詩音の祖母・妙子の双子の姉妹。
牛首村 の簡単なあらすじ
「犬鳴村」「樹海村」に続く、恐怖の村シリーズ第3弾。
木村拓哉さんの娘・Koki,さん主演でも話題になりました。
自分とそっくりな詩音という女性が心霊スポットで行方不明になっていると知った奏音は、導かれるようにその心霊スポット「坪野鉱泉」へと向かいます。
その辺りでは“聞くと死ぬ”と言われている「ウシノクビ」伝説や、奇妙な風習があり、奏音は友人らとその真相を探っていきます。
自分の過去、詩音との関係、そしてたびたび姿を現す“綾子”という女性の謎が明かされるとき、想像もしない恐怖が奏音に襲いかかるのでした。
牛首村 の起承転結
【起】牛首村 のあらすじ①
「『ウシノクビ』って知ってる?この話を聞くとみんな呪われちゃうんだって」富山県にある心霊スポット「坪野鉱泉。」
そこを訪れた女子高生が動画を生配信しています。
アキナとミツキは廃墟の説明をしながら中を進んでいきます。
エレベーターの前に来ました。
そのエレベーターには、異世界につながっているという噂がありました。
そこで2人はゲストとして詩音を紹介します。
顔出しNGの詩音は牛のゴムマスクをつけて登場しましたが、一瞬マスクが外れて顔が露出してしまいます。
詩音は乗り気ではありませんでしたが、アキナとミツキになかば無理やりエレベーターの中に入れられてしまいます。
中で怯える詩音に上から手が伸びてきます。
詩音が絶叫するとエレベーターが落下し始めました。
伸びた手が詩音の手を取ろうとしますがうまくいかず、詩音の手首に爪痕を残し、詩音は落ちていきました。
あせったアキナとミツキが最下階に見に行きますが、エレベーターの中に詩音の姿はなく、以後詩音は消息不明となります。
—窓ガラスに絵を描く2人の少女。
1人の少女が蝶を描くと、もう1人も真似をします。
2人は虫取りに行きました。
1人があやまって蝶を殺してしまいました。
するともう1人も捕まえた蝶を殺して埋めます。
「だって、ひとりぼっちじゃかわいそう」そんな夢を見ていたのは都内の高校に通う雨宮奏音です。
最近突然自分の手首にあらわれた爪痕のような傷をいぶかしんでいました。
奏音は父親と2人で暮らしています。
ある夜、父親が翌日からしばらく家を空けると伝えてきました。
奏音が部屋に戻ると、突然スマホのSiriが反応し、しゃべりだします。
奏音は首をかしげます。
奏音がカフェでバイトをしていると、奏音に積極的にアプローチしてくる同級生・香月蓮がやって来て、ある動画を見せてきました。
それはあの女子高生の心霊動画で、一瞬映る詩音の顔が奏音にそっくりで、奏音は驚いてしまいます。
【承】牛首村 のあらすじ②
アキナのインスタを見ても、そこに映る詩音はやはり奏音とそっくりです。
蓮によると詩音は行方不明になっているようです。
その時奏音の影が牛の首のようになっていました。
帰宅した奏音が部屋でスマホのピアノを演奏していると、突然演奏が乱れだし、Siriが「よりしろ」という言葉を繰り返し始めました。
さらに背後に何者かの気配を感じた奏音は、富山県へ向かうことを決意し蓮と一緒に出発します。
夜行バスでの道中、乗客の少年は奏音と目が合いますが、奏音の手から指が出てきたのを見てひきつってしまいました。
窓に映る奏音の顔は牛の頭になっています。
早朝バスは富山港へ到着し、2人は蜃気楼を眺めます。
奏音には2人の人影が見えました。
その後山崎という男と知り合った2人は、坪野鉱泉まで連れて行ってもらえることになりました。
道中、山崎が「ウシノクビ」という怪談を話します。
この先にあるという祠にまつられた仏像の頭部がなぜか牛であり、それはなぜかわからない。
ただこの話を聞いた人間が呪われるという、オチのない話のようです。
その時突然車の前にミツキのような女性が飛び出し、撥ねてしまいました。
3人は慌てて車を飛び出して確認します。
しかしどこを見渡しても人はいませんでした。
数分後車はついに坪野鉱泉に到着しました。
山崎は車に残り、蓮と奏音が2人で建物内へと入っていきます。
待っている間、山崎は水たまりに映る屋上から何度も飛び降りるアキナの姿を見てしまいます。
中を捜索していた奏音はエレベーターを発見しました。
中を確認しようとしますが、内部に立つ頭が牛の人物には気づきません。
その後合流した蓮とエレベーターの落下現場へ向かい、奏音は中に入ってみます。
内部のガラスには、奏音が夢で見たものとよく似た蝶と花の絵が描かれていました。
奏音が不審に思っていると、またもスマホが「よりしろ」と言い出します。
そして鏡の中の奏音が振り向き、鏡が割れました。
【転】牛首村 のあらすじ③
蓮が山崎に見せた動画からアキナたちは山崎の母校の生徒だとわかり、さらにインスタにある海岸へも明日案内してくれるということになりました。
そして翌日、奏音が海を眺めていると海へ入っていく男性を見つけ、急いで止めに入ります。
男性は倉木将太、詩音の彼氏でした。
事情を聞いた将太に案内され、2人は詩音の家へ向かいます。
しかしなぜかそこには奏音の父・直樹の姿があり、直樹から実は奏音と詩音は双子だということが明かされます。
死んだと聞いていた母・風歌も現れました。
ショックを受けた奏音は家を飛び出して森へ向かいますが、そこで夢で見た少女2人が虫取りをしていた場所を見つけ、夢ではなく幼少期の記憶だったのだと悟ります。
家へ戻った奏音に両親は、4歳の奏音が行方不明になった時のことを話してくれました。
詩音が見つけて連れて帰って来ましたが、奏音は何も覚えていなかったそうです。
奥の部屋から祖母・妙子の歌が聞こえてきます。
「次はあなたが探してあげる番ね」妙子は呟きました。
その夜、奏音は夢を見ます。
牛の頭を被った人間が泣いていて、「詩音?」と声をかけますが、マスクをはずした顔は詩音ではなく、奏音を連れ去ろうとした女性でした。
さらに夢は続きます。
双子の少女、妙子と綾子が寝かされています。
妙子の頭には牛の首がかぶせられていましたが、綾子がそれを取って自分でかぶってしまいました。
大人たちはそれを妙子だと思い、綾子を村はずれにある穴に落とします。
直後ミスに気づきましたが、そのまま穴は閉じられました…奏音は綾子という少女について両親に訊ねました。
すると祖父・実が、綾子は妙子の双子の姉妹だと教えます。
この村では双子は忌み嫌われており、双子の片方に牛の首をかぶせて穴に落とすという儀式があったというのです。
行方不明になった奏音が「綾子」という言葉だけ覚えていたこともあり、身を案じた両親が2人を引き離して育てていたのでした。
【結】牛首村 のあらすじ④
翌日、山崎は宿泊しているホテルで自分の顔が牛になっている姿を見てしまいます。
さらにエレベーターの中でたくさんの手に掴まれ、エレベーターが落下して死んでしまいました。
奏音と蓮は、アキナは飛び降りて、ミツキは車道に飛び出してそれぞれ亡くなったと将太から聞かされます。
蓮は詩音の呪いだと言いましたが、将太と奏音は詩音ではないと感じていました。
その後蓮は帰るために乗った夜行バスの中で、双子や牛の首をかぶっている者に囲まれて亡くなってしまいます。
ショックを受けた奏音ですが、蓮の手にあったリボンが巻かれた石を持ち帰り、リボンは詩音の制服のもの、石は村にある牛首地蔵の頭部であることをつきとめました。
石を手にした妙子が童謡を口ずさみ始めました。
すると奏音と将太は突然、綾子が突き落とされた穴へと飛ばされます。
綾子はすぐに亡くなったわけではなく、後から突き落とされた子供を食べて生き永らえていました。
そこに詩音の姿もあります。
声を聞いた大人たちが梯子を下ろして、ランプで穴の中を覗きます。
そして綾子の姿を見た男が棒で綾子を殴りつけます。
奏音と将太は追ってくる綾子を閉じ込め、詩音を連れて穴から逃げ出しました。
しかし地上でも大勢の双子に追われ、崖へと追いやられます。
詩音の身体には子供の顔が浮き出て、顔が綾子に変わりました。
それを見た奏音はかつての蝶のことを思い出し、詩音を抱えて将太も一緒に崖に身を投げます。
ー気が付くと3人は坪野鉱泉のエレベーターの中にいました。
奏音と詩音は目を合わせて笑います。
—日常が戻ってきました。
富山で暮らす詩音は牛首地蔵へ頭の石を戻しに行きます。
そこへ電話がかかってきましたが、詩音にはそれが奏音からだと見なくてもわかります。
地蔵の首が落ちました。
そして「独りぼっちじゃ可哀想」という声が聞こえ、詩音の顔が綾子に変わっています…「そう、可哀想よね」綾子は不敵な笑みを浮かべました。
牛首村 を観た感想
公開前は演技初挑戦のKokiさんが主演ということでかなり話題になりましたが、Kokiさんの演技は想像していたよりとても良かったです。
いきなりの2役ということで簡単ではなかったとは思いますが、見ていて違和感もなく、物語に入り込んで楽しむことができました。
ストーリーはおぞましい風習に絡むという点で、村シリーズ過去の2作品「犬鳴村」「樹海村」との共通点が感じられます。
ユーチューバーのアキナは全てに出演していますしね。
しかし今作は本物の心霊スポットでの撮影ということもあって、臨場感はなかなかのものです。
さらに恐怖演出が前作より巧妙というか、さりげなく出現するウシノクビにゾッとしました。
でも全体的には恐怖よりも悲しさ、せつなさが強い作品でした。
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