監督:ジル・パケ=ブレネール 2019年4月にKADOKAWAから配給
アガサ・クリスティ ねじれた家の主要登場人物
イーデイス・デ・ハヴィランド(グレン・クローズ)
大富豪レオニデスの前妻の姉
チャールズ・ヘイワード(マックス・アイアンズ)
私立探偵
ソフィア・レオニデス(ステファニー・マティーニ)
レオニデスの孫
アガサ・クリスティ ねじれた家 の簡単なあらすじ
アガサ・クリスティ自身が認める最高傑作を映画化名探偵ポワロで知られるミステリーの女王、アガサ・クリスティが最高傑作と語った小説を映画化しました。
豪華キャストが揃っており、初映画化されたミステリーストーリーです。
大富豪暗殺事件の真相を追っている私立探偵は、華麗な一族が抱える深い闇に踏み入れることになります。
アガサ・クリスティ ねじれた家 の起承転結
【起】アガサ・クリスティ ねじれた家 のあらすじ①
世紀の大富豪と呼ばれた伝説的な人物が謎の死を遂げます。
名前はアリスティド・レオニデスで、ギリシャ生まれの彼は若き日にイギリスへと渡り、レストラン経営に成功し一代で富を築き上げました。
レオニデスの孫のソフィアは、祖父が何者かにより殺害されたと疑っていました。
かつての恋人で私立探偵のチャールズ・ヘイワードは、ソフィアから依頼され捜査することになります。
一度は断ろうとしましたが、チャールズは元恋人の頼みになるので引き受けないわけにいきませんでした。
元ロンドン警視庁の警視監である父の知人、タヴァナー主任警部の元を訪れます。
検死や司法解剖の結果から、レオニデスの死因は毒殺ということが分かりました。
マスコミが騒ぎ立てる以前に、タヴィナーは事件の真相を探るようチャールズに依頼します。
チャールズはレオニデスの豪邸に訪れますが、レオニデス家の面々は非常に強烈な個性を持っており、いわゆるねじれた者たちでした。
チャールズの捜査は難航を極めていきます。
【承】アガサ・クリスティ ねじれた家 のあらすじ②
レオニデスが亡くなった後、家を取り仕切っているのはレオニデスの亡き前妻の姉、イーディス・デ・ハヴィランドでした。
他にはレオニデスの後妻で、彼の持病の糖尿病治療のインスリン注射を死亡当日に行なった、元ラスベガスダンサーのブレンダがいます。
ブレンダの愛人と言われている家庭教師のローレンス・ブラウンや、レオニデスから映画製作資金をねだっていた長男で、ソフィアの父のフィリップがいます。
彼の妻で売れない女優のマグダや、レオニデスの次男で会社を倒産寸前まで追い込んだロジャーと、彼の妻で毒の専門家クレメンシーもいます。
フィリップの長男で引きこもりを送るユースティスや、探偵小説が好きな次女のジョセフィーンと、乳母やソフィアがいました。
捜査が進むにつれて、チャールズはソフィアを含めて一族の全員が常にレオニデスを暗殺できることにあると分かります。
それぞれには殺害の動機があり、レオニデスの遺言状を管理する弁護士に確認したところ、遺言状は法的に無効で結果的に、莫大な遺産はブレンダが相続するようになっていました。
【転】アガサ・クリスティ ねじれた家 のあらすじ③
チャールズはレオニデスの回想録原本を焼却しているソフィアを目撃します。
証拠隠滅しているのではと問い詰めますが、ソフィアはレオニデスが隠していた悪行が発覚するのを阻止しようとしたと言いました。
もともと反共主義者だったレオニデスはアメリカCIAに資金援助をしており、その見返りとして事業成功を約束されていて裏の事業も黙認されていました。
これはチャールズの過去にも繋がる話で、もともと外交官をしていたチャールズはレオニデスを探るよう指令され、ソフィアに接触しました。
本気でソフィアを愛するようになり、これがきっかけでチャールズは外交官をやめます。
タヴァナーはチャールズとソフィアの関係を知っており、部下にチャールズを尾行させました。
レオニデス殺害疑惑は世間の知るところになり、豪邸にはマスコミが殺到します。
レオニデスの遺言状を預かっていた人物が表れ、遺産の一部をブレンダに渡し、ほとんどをソフィアに相続させる内容でした。
そのことはソフィアも知っていたそうです。
ジョセフィーンがツリーハウスから転落する事件が発生し、軽傷で済みましたが縄はしごに切れ目がありました。
切れ目を入れるため使用された剪定ばさみは、ローレンスの部屋で見つかります。
ブレンダとローレンスが愛人関係であることを立証するラブレターも発見されました。
タヴァナーは二人が共謀してレオニデスを殺害し、ラブレターを保管したジョセフィーンも口封じに殺そうと試みたと断定し、ブレンダとローレンスを逮捕します。
しかし乳母が毒殺される事件が起こりました。
【結】アガサ・クリスティ ねじれた家 のあらすじ④
チャールズは犯行の目的は乳母ではなく、裏の記録を記したノートを持っているジョセフィーンだと彼女に警告しました。
イーディスはジョセフィーンを連れ、車で外出していきます。
チャールズとタヴァナーは乳母殺害事件に使われた、シアン化合物を調べていました。
イーディスが芝生を荒らすモグラを退治するため、シアン化合物を持っていたことに気付きます。
物置からはシアン化合物と、ジョセフィーンが持っていたノートを発見しました。
イーディスとジョセフィーンが外出したと知らされたチャールズは、ソフィアを連れて後を追います。
ジョセフィーンのノートを読むと、ソフィアは真相を知ることになりました。
真犯人はジョセフィーンで、レオニデスから好きなバレエをやめさせられたのを逆恨みして、犯行に及んだのです。
ラブレターの偽造から罪をブレンダに擦り付けておき、乳母を殺害したのは口封じでした。
イーディスは真相を知って、ブレンダの濡れ衣を晴らすのにジョセフィーンの罪を被ろうとします。
ジョセフィーンと無理心中を決意していました。
チャールズとソフィアは二人の車に追い付きましたが、車は崖から転落し爆発してしまいます。
アガサ・クリスティ ねじれた家 を観た感想
原題はマザー・グースの童謡である「ねじれた男がおりました」の最終節の歌詞に由来しています。
クリスティにはマザー・グースがよく使われており、連続殺人のヒントにもなっています。
本作は「無実はさいなむ」と共にクリスティが最も満足している作品で、最後まで犯人が分からないよう描かれています。
ねじれた人物たちを追って、私立探偵は部屋から部屋へ、屋根裏から尖塔まで場所を移して捜査していきます。
なかなか犯人が分からないようになっていて、いつものポワロではなく若き探偵が捜査するのも新鮮です。
豪華キャストが集まっており、美しい衣装も見どころです。
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