監督:ジェームズ・ワン 2011年8月にショウゲートから配給
インシディアスの主要登場人物
ジョシュ・ランバート(パトリック・ウィルソン)
教師として働いている。ダルトン、フォスター、赤ん坊のカリの父親。たびたび不思議な光景が頭にフラッシュバックする。
ルネ・ランバート(ローズ・バーン)
ジョシュの妻。職業は作曲家で、家で作曲をしている。
ダルトン・ランバート(タイ・シンプキンス)
ジョシュ、ルネの長男。好奇心旺盛だが、それがあだとなり悪魔に目をつけられる。
ロレイン・ランバート(バーバラ・ハーシー)
ジョシュの母親。のちに疲弊していくルネたちを心配している。
エリーズ・ライナー(リン・シェイ)
霊能力者。昔、悪魔に憑りつかれそうなジョシュを救ったことがある。
インシディアス の簡単なあらすじ
ランバート一家の長男・ダルトンはある日、引っ越してきたばかりの家の屋根裏で何かと遭遇してしまいます。
そして昏睡状態へと陥ったダルトンに、ある邪悪で危険な存在が近づいていました。
ダルトンを救うべく奮闘する家族に、ダルトンの父・ジョシュの驚きの過去が明かされます。
そして想像を絶する「悪魔」との闘いが繰り広げられることになるのでした。
インシディアス の起承転結
【起】インシディアス のあらすじ①
夫のいびきで目を覚ましたルネがまだ引っ越しの片付けが終わっていないリビングでアルバムを眺めていると、そこに息子のダルトンが起きてきます。
「部屋が嫌なの」と話すダルトンを慰めながら2人で写真を見ることにしました。
パパの写真が一枚もないことを尋ねるダルトンに、「パパは写真の整理が下手だから」とルネは答えます。
慌ただしい朝、子供たちとジョシュは身支度をしています。
ルネがリビングの床に散らばっている数冊の本を見つけ注意するも、ダルトンも弟のフォスターも「知らない」と口を揃えました。
その後夫と子供たちが出かけルネが仕事をしていると、突然ベビーモニターから赤ん坊のカリの泣き声が聞こえ、ルネは急いで2階へ向かいます。
泣き止んだカリをベッドに戻し、ルネは屋根裏へ上がってみました。
屋根裏は真っ暗です。
突然奥のストーブに火が灯りますが、ルネはそれには気づかず、そのまま屋根裏を後にしました。
夜、ルネはジョシュに楽譜を入れた箱を知らないか尋ねますが、ジョシュはわからないと答えます。
その頃、2階で遊んでいたダルトンは導かれるように屋根裏へと足を踏み入れます。
そしてそこで、恐ろしい何かと遭遇してしまうのです。
1階にダルトンの悲鳴が響き渡りました。
驚いたジョシュとルネは急いでダルトンの元へ駆けつけ、泣くダルトンを慰めながら「もう屋根裏には来てはいけないよ」と注意し、ジョシュはダルトンを抱えて降りていきました。
ルネはそこに「楽譜」とかかれた段ボールが置かれているのを発見し驚きます。
ダルトンの部屋ではジョシュがダルトンが描いたスーパーマンの絵を見ながら、「スーパーヒーローも無敵じゃないんだ」と笑います。
ダルトンにキスをしてジョシュは夫婦の寝室に戻りましたが、ルネはどこか嫌な予感がしていました。
翌朝、ジョシュはダルトンの異変に気付きます。
ジョシュが必死で体をさすっても、ダルトンは目を覚ましませんでした。
【承】インシディアス のあらすじ②
ダルトンは病院に運ばれましたが、脳には何も異常はなく、でも昏睡状態に陥っていると告げられます。
2人は動揺を隠しきれません。
3か月後。
ダルトンは自宅に戻りましたがいまだ目覚めず、ルネは精神的に疲れ果てていました。
作曲をしようとしますがうまくいきません。
その時ベビーモニターから雑音が聞こえてきました。
ルネがボリュームを上げると、「お前には何もできない…」と男が囁くような声が聞こえます。
さらに「今すぐよこせ!」と囁きが怒号へと変わり、カリの泣き声が響き渡ります。
ルネは急いでカリの部屋に飛び込みますがカリ以外誰もいませんでした。
その夜、まだ幼いフォスターが自分たちに気を遣っていることを感じ取ったルネは、「これから全て良くなるから大丈夫」よとフォスターをなぐさめます。
しかしフォスターは「お兄ちゃんが怖いんだ」と呟きました。
夜中に歩き回るのが怖い、と。
ルネは困惑します。
夜中、フォスターが目を覚まします。
向かいの部屋で横たわっているダルトンを見つめていると、廊下からギシギシ…と物音が聞こえてきました。
フォスターは急いで布団に潜り込みます。
夫婦の寝室ではルネが昼間の出来事をジョシュに話しますが、ジョシュは、「電波障害だ」と取り合おうとしません。
その時、階下からドアを強くノックする音が聞こえました。
ジョシュは玄関に向かいます。
外を確認しますが異常はありません。
2階ではカリが泣き出したためルネがカリの部屋へ向かうと、ベビーベッド奥のカーテンの向こうに男が立っていました。
ルネは絶叫し驚いたジョシュがかけつけますが男は消えています。
その時1階のセキュリティアラームが鳴り響きました。
ルネはフォスターとカリを連れてダルトンの部屋へ避難、ジョシュは再び1階へ急ぎますが、玄関ドアが大きく開いているのを見て愕然とします。
家中見回ってもやはり異常はありません。
その後も異変が続き、ジョシュはため息をつきました。
【転】インシディアス のあらすじ③
数日後。
学校で授業を終えたジョシュはルネに帰りが遅くなると電話を入れ、頭を抱えます。
頭の中では家の中で自分がベッドで寝ている映像が浮かんできました。
別の日、ルネはダルトンのベッドシーツに真っ赤な手の跡がついているのを発見し、恐怖に慄きました。
その夜遅く、帰宅したジョシュに、なぜ最近帰りが遅いのか、あなたは逃げているだけだと訴えます。
それでもジョシュは聞く耳を持ちません。
怒ったルネはあの手形がついたシーツをジョシュに叩きつけました。
深夜、リビングのソファで眠るジョシュの頭には、家の映像がフラッシュバックしていました。
そして寝室で寝ていたルネは、窓の外を歩き回る男の姿を見てしまいます。
男は次の瞬間、おびえるルネに襲いかかってきました。
絶叫を聞き、ジョシュは飛び起きて寝室に向かいました。
ルネはもうこの家を出たいと懇願します。
ジョシュは受け入れました。
数日後、一家は違う家へ引っ越しました。
手伝いに来ていたジョシュの母・ロレインはふとジョシュが写っている写真を目にし、驚きます。
そのあと、落ち込んでいるルネを「あなたはおかしくない。」
と励ましました。
しかし恐怖は再び一家に忍び寄っていました。
ある昼下がり、ルネは家の中で笑いながら走り回る子供に遭遇。
耐えきれなくなり神父に助けを求めますが、ジョシュはそれにたいして不快感をあらわにし、不可思議な現象を全否定します。
しかしロレインは、ルネの言っていることは真実だと言います。
そして「訪問者」を名乗る怖ろしい存在がダルトンを狙っている夢を見たからこの家に来た、と告げました。
直後、ジョシュの背後から怖ろしい形相の怪物が現れるのを見てロレインは悲鳴をあげました。
さらにダルトンの部屋から大きな物音が響きます。
なぜか開かないドアを蹴破って突入すると、部屋の中はめちゃくちゃでダルトンは床に倒れていました。
「ある人を呼ぶべきだわ。」
ロレインは呟きました。
【結】インシディアス のあらすじ④
夜、霊能力者エリーズが助手たちと訪れ、ダルトンの部屋の天井にへばりつく恐ろしい怪物を霊視します。
そして狙われているのはダルトンで、時間的猶予がないと告げました。
ダルトンは特殊な能力で幽体離脱を繰り返して戻れなくなってしまい、それを嗅ぎつけた死者や「悪魔」に目をつけられたのです。
「試してみる方法はある」とエリーズは告げますが、黙って聞いていたジョシュが急に怒り出しエリーズたちを追い返してしまいました。
しかしその後ダルトンが描いた悪魔や幽体離脱時の絵を見てしまい、ルイーズの言うとおりにしようと決意します。
再度家を訪れたルイーズはダルトンの魂との接触に成功しますが、ダルトンの肉体は悪魔に乗っ取られてしまいました。
さらに死者たちまでも現れ家はめちゃくちゃになります。
しかしエリーズが必死で説得し、なんとかその場は収まりました。
そこにエリーズが呼んだロレインが訪れ、ジョシュも昔幽体離脱をし、当時のジョシュの写真には老婆の怨霊が必ず写っていて、エリーズによって能力と記憶を封じ込められたという過去を語ります。
それを聞いたジョシュはダルトンを救うため幽体離脱を試みます。
そして闇の中でダルトンと再会し、悪魔、死者たちや老婆の怨霊からの妨害をかわして、なんとかダルトンを連れてこちらの世界に戻ってきました。
ついにダルトンを取り戻すことに成功したのです。
リビングで昔の写真を見つめるジョシュはエリーズに写真を返します。
その瞬間エリーズは顔を曇らせ、突然ジョシュをカメラで撮影しました。
するとジョシュは激怒し、エリーズを罵りながら首を締めあげました。
キッチンからやって来たルネは絶命しているエリーズを発見。
さらに落ちているカメラを覗き込んで絶句します。
そこにはジョシュではなく老婆の怨霊が写っていました。
背後から明るい声が響いてきました。
「ルネ、僕はここにいるよ。」
ルネは怯えた顔でゆっくりと振り向きます…
インシディアス を観た感想
とても怖い作品でした。
子供が悪魔に憑りつかれて助かった、という単純な話ではなく、それに至る経緯や遺伝的な要素など、徐々に明かされる設定がかなりしっかりしているので面白いです。
幽霊ではないからか、悪魔が姿を現した時のビジュアルがはっきりしていて、ジョシュの背後で睨みをきかせて登場するシーンは本当にトラウマものでした。
さらにゴシックな雰囲気を醸し出す音楽がさらに恐怖をかきたてています。
後半はもう見ているのも疲れるほどの恐怖のオンパレードですが、本当に恐ろしいのはあの結末でしょう。
ハッピーエンドのようで最後にひっくり返されるあの展開には驚きました。
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