監督:今泉力哉 2019年9月にGAGAから配給
アイネクライネナハトムジークの主要登場人物
佐藤(三浦春馬)
本作の主人公。劇的な出会いを夢見るちょっとさえない会社員。
紗季(多部未華子)
アンケートをきっかけに佐藤と出会う。佐藤の恋人。
織田一真(矢本悠馬)
佐藤の大学の同級生。大学時代のマドンナ由美と結婚する。
ウィンストン小野(成田瑛基)
ボクシングのヘビー級世界チャンピオン。美奈子と結婚する。
アイネクライネナハトムジーク の簡単なあらすじ
佐藤は劇的な出会いを夢見ていますが、友達の一真からはあとでこの人で良かったと思える出会いの方が大事だと言われてしまいます。
しかし、その後街頭アンケートに答えてくれた女性・紗季と劇的な再会をし交際を始めるのでした。
ボクシングのチャンピンオンになったウィンストン小野を応援する人たちの不思議の縁の物語です。
アイネクライネナハトムジーク の起承転結
【起】アイネクライネナハトムジーク のあらすじ①
佐藤は、結婚して子どもがいる同級生の織田一真の家にしょっちゅう遊びに行き、一真の長女・美緒からも佐藤と呼ばれ懐かれていました。
学生時代のマドンナだった由美と結婚した一真とは逆に、佐藤には付き合っている女性も居ませんが、劇的な出会いを夢見ています。
劇的な出会いよりも、あの時あの場所で出会った人がこの人で本当に良かったなと後で思えるのが一番だと佐藤は一真に言われるのでした。
駅前で街頭アンケートをするも立ち止まってくれる人は居なくて佐藤は、ギターの弾き語りしている人の前で立ち尽くしていると、同じく弾き語りを聞いている女性・紗季に目をやります。
その女性が立ち去る時、思い切ってアンケートを書いてくれるように頼むと「いいですよ」と快諾してくれました。
思わず佐藤は、頼んだくせに「いいんですか?」と聞き返すのでした。
由美の友達・美奈子は、美容院のお客・香澄に弟を紹介すると言われ、その弟から突然電話がかかってきます。
電話の最中にゴキブリが出たことで距離が縮まり、香澄の弟と美奈子は電話する関係になりました。
【承】アイネクライネナハトムジーク のあらすじ②
ある日、仕事に集中したいと連絡が途絶え、今日のボクシングの試合に勝ったら告白すると言っていたと香澄から聞き、勘違いしている美奈子は他力本願だと怒ります。
しかし、そのボクシングの試合に出ているのが電話の相手の香澄の弟で、ウィンストン小野だったのでした。
チャンピオンになった小野と交際を始め、美奈子は友達の由美のところにウィンストン小野と一緒に行きます。
佐藤は、自分の上司が奥さんに出て行かれて落ち込んでいた所、ウィンストン小野の試合で勇気づけられたと聞き、サインをもらいに一真の家に行きます。
しかし、一真の家に行く途中、いじめに遭っている中学生を見かけ助けます。
それを知った一真とウィンストン小野は中学生に会いに来てくれて相談に乗ってくれました。
それ以来中学生は、ウィンストン小野に憧れ始めますが、ウィンストン小野は防衛戦で負けてしまうのでした。
その後、佐藤と一真が友達の結婚式の二次会に向かう途中、紗季を見かけます。
紗季と出会った時、シャンプーを買うと言っていたことが頭から離れなかった佐藤は、二次会の景品のシャンプーを手渡すのでした。
【転】アイネクライネナハトムジーク のあらすじ③
それから10年経ち、佐藤は紗季と同棲していました。
佐藤は紗季を高級なレストランに誘い、プロポーズしようと考えていましたが、レストランでプロポーズするのは迷惑だと思い二人が暮らすマンションの前で指輪を渡します。
佐藤は10年付き合ったからという理由でプロポーズし、紗季は、間の悪い佐藤のプロポーズになんで一緒にいるのかわからなくなったと返事を先延ばしにして、実家に帰ってしまいました。
佐藤は、高校生になった一真の長女・美緒とバッタリ会い、アイスを食べます。
子どもの頃は父親が大好きだった美緒でしたが、今では美人で性格も良い母が父と結婚したことが謎でした。
美緒の両親の同級生だった佐藤は、大学生だったのに美緒がお腹に出来た時、迷いも無く大学を辞めて就職した一真の話をしてくれました。
そして、自分の幸運にあとで感謝できる出会いが一番だという話を一真がしていたと美緒に佐藤が教えてくれますが、逆に佐藤にとって紗季さんは?と聞かれて答えられないのでした。
【結】アイネクライネナハトムジーク のあらすじ④
美緒は、佐藤からの話を聞いて、絶対に父・一真とは行きたくないと思っていましたが、ウィンストン小野がもう一度チャンピオンに返り咲けるかどうかの試合を友達の亜美子と一真と三人で見に行くのでした。
ウィンストン小野がもうダメだと思った時、客席に10年前中学生だった少年が見に来ていることに気が付き奮い立ちますが、結局パンチが制限時間に間に合わず負けてしまうのでした。
その試合の日、佐藤は紗季と出会ったギターの弾き語りが居る場所に行くと紗季を見かけます。
しかし、紗季はバスに乗ってしまい佐藤は必死にバスを追いかけます。
追いかけてる途中転んで泣いている子どもに会い、佐藤は子どもを起こしてあげます。
それが目に入った紗季は、バスを降りてくれるのでした。
しかし、バスが来てしまいロクに話す間もなく、気を使った佐藤は紗季をバスに乗せてしまいました。
それから少しして、佐藤が家に帰ると紗季がご飯を作って待っていてくれて、「いいですよ」とプロポーズに応えてくれるのでした。
一方、美緒はバイト先でお客に必要以上に叱られているところをもいつも自分を気にかけてくれる同級生・和人が助けてくれました。
和人がギターの弾き語りを駅で聞いていると、美緒もそこで和人に気づいて二人は一緒に弾き語りを聞くのでした。
アイネクライネナハトムジーク を観た感想
小説の短編集を集めたような映画だと思っていたらやはり原作が伊坂幸太郎さんの小説でした。
しかし、伊坂幸太郎作品では無いようなラブストーリーだったので意外に感じました。
ウィンストン小野が耳の悪い少年に気が付いて軽く手話を返すシーンが一番印象的でした。
このシーンから、物語を思いついたのではないかと勝手に感じました。
佐藤は、三浦春馬さんが演じているのにも関わらず顔の少しだけ整ったイケてない人物だと感じたのでさすがの演技力だと思います。
突然再会した紗季にシャンプーを渡すところや、レストランでプロポーズしない謎やバスを追いかける姿などがどれも少し残念で、いい人なのに感が醸されていて良かったです。
出会った時の会話と紗季がプロポーズを受けた時の会話がリフレインしていて洒落ていました。
リアルな日常のちょっとした奇跡やつながりを描いていて、自分の日常にも見落としている奇跡があるかもと思える作品でした。
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