監督:岩井俊二 2020年1月に東宝から配給
ラストレターの主要登場人物
岸辺野裕里(松たか子)高校時代 森七菜
本作の主人公。図書館でパートしている。 ヤキモチ妬きの夫がいる。高校時代は、乙坂が好きだった。
遠野未咲(広瀬すず)
裕里の姉。乙坂から一目惚れされる。
乙坂鏡史郎(福山雅治)高校時代 神木隆之介
売れない小説家。未咲を思い続けている。
遠野鮎美(広瀬すず)
未咲の長女。未咲に瓜二つ。
岸辺野颯香(森七菜)
裕里の長女。高校時代の裕里と瓜二つ。鮎美のいとこ。
ラストレター の簡単なあらすじ
母の実家に送られて来た一通の手紙に返事をしたことから、亡くなった母・未咲のことを知ることが出来た母と瓜二つの娘・鮎美。
また、先輩の乙坂が初恋の人だった未咲の妹・裕里も未咲になりすまして乙坂と連絡を取ります。
この手紙のやりとりにより、止まっていた乙坂の時間が動き出し、鮎美も母の死を受け入れていくのでした。
ラストレター の起承転結
【起】ラストレター のあらすじ①
遠野未咲が亡くなり、妹の裕里は姉の訃報を伝えに姉の高校の同窓会に行きます。
そこで、裕里は姉の未咲に間違われスピーチを任され、姉が亡くなったことを言い出せず先に帰りました。
すると、裕里の好きだった先輩・乙坂が追いかけてきてくれて「このあと一杯どう?」と声をかけてくれますが、未咲のフリをしたまま裕里は断るのでした。
しかし、メール交換はしました。
裕里は未咲のフリを続けてメールのやりとりをしますが、夫にメールを見られてしまいヤキモチを妬いた夫は裕里の携帯を水没させ、裕里は乙坂と連絡が出来なくなってしまうのでした。
その後、携帯が水没した旨を伝えるために裕里は乙坂に手紙を書きます。
結局、その後も返信はいりませんと書きながら裕里は乙坂に手紙を送り続けるのでした。
乙坂は、手紙の返事を未咲の実家に送ります。
未咲には、鮎美という未咲そっくりな娘がいました。
鮎美は、祖父母の家で暮らしていて、母を亡くした鮎美を心配するいとこの颯香は、夏休みの間だけ祖父母の家に泊まります。
亡くなった母宛に乙坂から手紙が届いたことに気が付いた鮎美と颯香は、つい未咲になりすまし返事を書いてしまいます。
乙坂は丁寧に未咲との思い出を書いて返信します。
高校時代、転校生の乙坂は生物部に入部します。
裕里と乙坂は同じ部活の先輩後輩という間柄です。
生徒会長の未咲は、しつこい風邪にかかり、いつもマスク姿の未咲の素顔を乙坂は気になっていました。
ある日、裕里と乙坂が部活で一緒にいるところに未咲が通りかかり、裕里は乙坂に未咲を紹介します。
乙坂は未咲がとてつもない美少女だということを知るのでした。
未咲を好きになった乙坂は、未咲へのラブレターを裕里に渡します。
ですが、裕里は乙坂のことが好きだったのです。
【承】ラストレター のあらすじ②
現代、裕里の夫はきまぐれに犬を二匹飼ったり、母にいつまでも泊まっていっていいと言ったりしていてそれは、ヤキモチを妬いた夫からの罰だと裕里は受け入れていました。
ある日、義母が男性といるところを見てしまった裕里はあとを付けます。
すると男性の家に入っていきました。
しかし、しばらくすると義母はぎっくり腰になり、男性の家から救急車で運ばれていくのでした。
家で安静にする義母は裕里に手紙を出しておくようにお願いします。
しかし、返事がこないことを心配した裕里は、義母と一緒にいた男性の家の様子を見に行くのでした。
その男性は、義母の恩師で手をケガしていて返事が書けないということで、恩師に変わって義母に返事を書き、その家は裕里の隠れ家的な場所になっていきました。
裕里は、乙坂に恩師の家の住所を教えて手紙のやり取りをすることにしました。
すると予想外に乙坂が恩師の家を訪ねて来てしまいます。
慌てる裕里に恩師は気を利かせ乙坂と二人きりにしてくれるのでした。
乙坂は、裕里が未咲ではないことに気が付いていて、ちゃんと裕里を覚えていてくれていました。
【転】ラストレター のあらすじ③
裕里は乙坂に未咲が亡くなったこと、結婚相手からDVを受けていたこと、心に傷を負い自殺したことすべて話ました。
乙坂は、未咲を題材にした小説「未咲」で小説家になったものの、それ以降小説が書けてないことを裕里に話すのでした。
乙坂は、その後未咲が暮らしていたアパートを訪ねます。
空き部屋だと思っていたそのアパートには、妊娠している女性が住んでいて、その女性は、未咲の元・夫阿藤と暮らしていると言うのです。
その女性が阿藤と会えるように連絡してくれました。
阿藤はロクに働いておらず、未咲が亡くなったのは阿藤のせいだと責めるように乙坂は話をします。
しかし、阿藤から逆に乙坂は未咲に何の影響も与えてない、未咲にフラれたから小説「未咲」が書けたんだその小説は俺たちからのプレゼントだと勝ち誇られてしまいます。
阿藤は、怯えた態度の未咲に出ていって欲しかったけれど、結局自分が逃げ出してしまったと言うのでした。
その後乙坂は、廃墟と化した高校を訪れ写真をいくつも撮り、そして犬の散歩に来ていた高校時代の未咲と裕里にそっくりな少女に出会い驚き駆け寄ります。
手紙のやりとりをしていた鮎美はすぐに乙坂にピンときて、乙坂を祖父母の家に誘うのでした。
【結】ラストレター のあらすじ④
乙坂は、未咲の実家に高校時代、裕里に誘われてスイカを食べに行ったことがありました。
未咲の遺影の前で胸がいっぱいになった乙坂は、鮎美と颯香に一人にして欲しいと頼みます。
乙坂は、小説「未咲」が書きあがるたびに手紙にして未咲に送っていました。
それは、未咲の宝物だったと鮎美は言い、鮎美は乙坂が未咲を迎えにきてくれること待っていたと言うのでした。
最初、乙坂への好奇心でいっぱいだっだ鮎美でしたが、だんだんと母への想いで胸が溢れだしていきました。
乙坂は未咲の実家を後にする時、鮎美と颯香の写真を撮りました。
その後、東京へ帰る前に乙坂は裕里の職場に顔を出し、撮った写真をまとめてプレゼントします。
そこに、姉の子どもと自分の子どもが写っていて裕里は驚きます。
裕里は、乙坂に小説「未咲」にサインしてもらい握手して別れます。
好きだった相手との握手を嬉しく思うのでした。
鮎美は乙坂に会ったことにより、ずっと読めなかった未咲の遺書を読みます。
それは、高校時代未咲が乙坂に手伝ってもらって書いた未来への希望に満ちた答辞。
鮎美はそれを声に出して読み上げるのでした。
ラストレター を観た感想
岩井俊二監督のラブレターが大好きな人にぜひ見て欲しい作品です。
鮎美と颯香から流れる空気感が岩井ワールド全開でした。
一番好きなシーンは、乙坂が未咲に一目惚れするところ。
これを予告編で流してしまうのはもったいなかったと思います。
それと、乙坂と阿藤の対峙するシーン。
阿藤はクズだったけれど、阿藤なりに未咲を愛していたことがよくわかります。
短いシーンですが、男同士のマウントの取り合いに目が離せなくなります。
松たか子さんの演技は素晴らしいですが、乙坂をもっとメインにした方がよかったように感じます。
そして、一番よかったのは森七菜さんが歌う主題歌。
この歌の透明感に物語のすべてが詰まっているように感じました。
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