監督:モ・ホンジン 2017年3月にクロックワークスから配給
少女は悪魔を待ちわびての主要登場人物
ナ・ヒジュ(シム・ウンギョン)
本作の主人公、子供の頃何者かに刑事だった父親を殺されている。少し知能の発達が遅れており大人になってからは以前父が勤めていた警察署に通ってお小遣いを貰いながら生計を立てている。
チョ・デヨン(ユン・ジェムン)
ヒジュの父の同僚刑事、ヒジュの父が亡き後もヒジュを心から可愛がっている。ヒジュの父を殺した犯人を決定的な証拠が無く逮捕できていない事に憤りを覚えている。
キム・ギボム(キム・ソンオ)
ヒジュの父を殺した犯人。恋人を殺した罪で刑務所に収監されるもヒジュの父を殺した事件は証拠不十分で罪に問われていない。
チョン・ミンス(オ・テギョン)
連続殺人犯。ギボムとは幼少期の頃から施設で共に育ちお互いの嗜好も認識しているがギボムの恋人と関係を持っておりそれを知られたギボムに恨まれる。ギボムが恋人を殺した事件の情報提供者
少女は悪魔を待ちわびて の簡単なあらすじ
父親を殺された主人公が復讐に燃えるストーリーです。
父親を殺した犯人が明らかにも関わらず決定的な証拠が無く、犯人はその罪に問われな買ったのです。
当時少女だった主人公は犯人が別の殺人罪で収監された刑務所から刑期を終えて出てくるのを待ちわびていました。
犯人が出所した事から少女の歯車が動き出します。
犯人を捉えて全ての罪を負わせ、最後には自分すらも犯人の罪となってしまいます。
少女は悪魔を待ちわびて の起承転結
【起】少女は悪魔を待ちわびて のあらすじ①
刑事をしているヒジュの父親はとある連続殺人の事件を追っており、その犯人が狂気的な人物のキム・ギボムだと突き止めます。
同僚刑事のデヨンへ電話でギボムの事を伝え、署に向かう前に一旦家に立ち寄り、娘に朝食を作ると話して電話を切ります。
タクシーから降りたヒジュの父親の首元を何者かが差し、犯人はそのタクシーに乗って去って行きます。
ヒジュの父親は生き絶え絶えになりながらも家に着きヒジュの寝顔を見ながら息を引き取ります。
なかなか出勤しないヒジュの父親を迎えにデヨンが家に入るとヒジュが冷たくなった父親のそばにいたのです。
デヨンには犯人が分かっていましたが証拠が掴めません。
犯人は別の殺人事件での密告があり逮捕され、法に裁かれる事となりましたが、ヒジュの父親の殺害については証拠不十分で罪に問われませんでした。
その裁判はデヨンやまだ幼かったヒジュも傍聴しており、判決をうけてからは失意に暮れた日々を過ごす事になります。
【承】少女は悪魔を待ちわびて のあらすじ②
時は流れ大人になったヒジュは当時の部屋に1人で住んでいます。
ヒジュは壁一面にポストイットで哲学者の言葉を書き残し、床一面には事件に関する新聞記事を敷き詰めてあります。
ヒジュの中で事件はまだ終わってなかったのです。
デヨンや警察署の仲間もヒジュの父親が殺された事件についてやり切れない気持ちでおり、少し知能が遅れているヒジュの面倒を見て、お小遣いをあげています。
ヒジュの父親を殺した犯人がギボムだと皆が知りながらも、その罪を認めさせる事が出来ずに憤っているばかりです。
ヒジュは警察署に通いながらも、父親を殺した犯人への復讐心は誰にも見せずに過ごしながら密かに情報を収集をしています。
そしてギボムの出所の日、刑務所へ出向いたのは怒りを露わにしたデヨンです。
デヨンは当時からギボムの面会に行っていたのです。
今度こそ全ての罪を暴くと言う執念の元、ギボムを盛大に殴りました。
ギボムは飄々とその場を去って行き、自身を警察に売ったチョン・ミョンスを探し始めまず。
デヨンはギボムの滞在するホテルを見張るが、そこで殺人事件が発生します。
被害者は直前までギボムとベットにいた女性とその運転手だったのです。
警察はギボムが動き出したと確信し捜査を強化します。
ギボムはこの殺人がミョンスの手口と確信しています。
そしてギボムつけていたヒジュもまたギボムではない犯人がいる事を目撃します。
【転】少女は悪魔を待ちわびて のあらすじ③
ヒジュはペットショップで首輪を買い、ギボムの尻尾を掴む為、母の同居人を殺害しギボムの仕業に見える様な手口で痕跡を残します。
そこに現れたギボムに自身の存在を認めさせギボムに追いかけられるもその場を去ります。
ギボムは何者かが自身を貶めようとしている事に気づき、その正体を推測しだしたのです。
ヒジュはチョン・ミョンスがギボムの情報提供者だと知り、ギボムが狙うはずである獲物を先に仕留めました。
ギボムは滞在先ホテルの部屋へ戻り、寛ごうとした所でベッドにミョンスの死体が遺棄されているのを発見しまず。
その時、部屋に潜んでいたヒジュがギボムへ襲いかかりギボムの動きが鈍くなる様に怪我を負わせました。
ヒジュの復讐は殺す事ではなく彼に罪を償わせる事であり、最初から殺害する目的では無かったのです。
現行犯逮捕されればその罪が問われるはずだが、警察がホテルに到着した時、ギボムは殺人の被害者に擬装してホテルを抜け出します。
デヨンはギボムをみすみす取り逃がしてしまった事に強く憤りを感じ、ますます捜査の手を強めます。
ギボムは自身に全ての罪を着せようとしている人物が警察に関係していると知り警察署に忍び込み、ヒジュである事を知るります。
そしてヒジュの住所を入手し現場へ向かい、その場所からヒジュが以前殺害した刑事の娘だった事を知ります。
【結】少女は悪魔を待ちわびて のあらすじ④
ヒジュはギボムが自分を狙う為に警察署へ忍び込んだ所を目撃し、直接対決となることを覚悟します。
そしてペットショップでまた首輪を買いました。
ギボムがヒジュを殺す為に家のチャイムを押した瞬間、背後に潜んでいたヒジュがギボムへと襲いかかり、直接対決が始まります。
その頃、デヨンは警察署でギボムが警察署へ潜入し、ヒジュの居場所を探していた事を知り、ヒジュの身に危険が迫っている事をを察知し、ヒジュの家へと向かいます。
ヒジュはギボムとの対決にまず近所の大きな山の中腹にある公園を目指して走り逃げ出します。
途中、デヨンへ電話をし自身が向かっている場所を告げます。
ヒジュは走り逃げながらギボムを誘導し決着の場所へとたどり着きました。
ヒジュはその場でギボムに襲いかかる事はせず、ギボムが様子を伺うもブランコを漕ぎ始めるヒジュからは不気味な雰囲気がか持ち出されています。
ヒジュは巻いていたマフラーを投げ、ギボムへそのマフラーをデヨンへ渡すよう伝えます。
そしてヒジュはブランコを漕ぎ始め、ギボムはヒジュの首に首輪があり、それはブランコと繋がっている事に気付きます。
ヒジュは自身をもってしてもギボムに裁きを受けさせたかったのです。
そして自ら命を断つ選択をする事で、ギボムの最後の被害者となったのです。
ギボムはその場に立ち尽くして、駆けつけた警察官に現行犯で取り押さえられ、ヒジュの復讐が完了します。
少女は悪魔を待ちわびて を観た感想
本作は犯人が分かっているにも関わらず、犯人じゃないのかもしれないように思える場面もあったりと二転も三転もするクライムスリラーでした。
1つの事件に対しそこに関わる人々の心情が繊細に描かれている作品で、犯人が服役中に募ったそれぞれの思いが爆発して進んでいく展開に夢中にさせられました。
復讐の為に自身も罪を犯してしまったヒジュ、最後は自らの命をもってして復讐を果たすこととなったヒジュ。
息もつけない程に目まぐるしく見るものを圧倒するストーリー展開だったと思います。
出演されていた俳優陣の迫真の演技に終始圧倒された作品でした。
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