映画「ズートピア」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|リッチ・ムーア、バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ

ズートピア

監督:リッチ・ムーア、バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ 2016年4月にウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズから配給

ズートピアの主要登場人物

ジュディ・ホップス(ジニファー・グッドウィン)
ズートピア初の女性警察官。警察官としてなかなか認められないが、ニックの協力を得て次第に重大な事件の解決の糸口をつかむ。

ニック・ワイルド(ジェイソン・ベイトマン)
ズートピアに住む詐欺師のキツネ。子供の頃に「キツネは信用出来ない!」と言われイジメを受けた悲しい過去を持つ。人々を冷ややかな目で眺めるが、洞察力があり頭の回転も速い。また、ズートピア内のさまざまな情報を把握している。

ボゴ署長(イドリス・エルバ)
警察署の署長。ジュディを初めから無能と決めつけ交通違反取締係に任命するなど、ややお堅いキャラクターではあるが、実は誠実で真面目な人物。

ベルウェザー(ジェニー・スレイト)
ズートピアの副市長で、ライオンハート市長を邪魔者のように思っている。善良そうに見えたが実はこの物語の黒幕であった。

ズートピア の簡単なあらすじ

さまざまな動物が暮らす大都会ズートピアでは、たて続けに動物が消息を絶つという事件が発生していました。

新米警察官のウサギのジュディは、「行方不明になった夫を探して欲しい」とカワウソの夫人から懇願され、詐欺師のニックを誘い捜査に乗り出します。

しかし事件は意外にも複雑で、ジュディは真相をつかむまでさまざまな問題に直面します。

そしてついに「夜の遠吠え」という花が、この事件の謎を解明するきっかけとなり、真の犯人を見つけ出すことができました。

キツネのニックは詐欺師から警察官へ転職します。

ズートピア の起承転結

【起】ズートピア のあらすじ①

ズートピアの新米警察官

ウサギのジュディは、子供の頃から警察官に憧れる正義感の強い女の子です。

両親や周りは「ウサギには警察官は向かない」と言われますが、努力の成果もあり、晴れて警察学校を優秀な成績で卒業します。

こうやってジュディは故郷を離れ、憧れの大都会ズートピアで警察官として、働くこととなりました。

しかしその頃ズートピアでは、1部の肉食動物が突然行方不明になるという謎の事件が多発していたのです。

しかしこの事件を任された警察官は体の大きな動物ばかりで、ジュディは交通違反の取締の仕事しか任せてもらえません。

ジュディはそのことにやや不満を持っていましたが、持ち前の明るさで張り切って勤務します。

ある日ジュディはゾウのアイスクリーム屋で、アイスクリームを売ってもらえず困っているキツネの親子を見つけます。

ジュディは警察の権限でゾウを説得し、キツネは無事アイスを買うことができました。

しかし実はこのニックという名のキツネは詐欺師であり、大きなアイスを溶かしては小さな型に流し、小動物に売ってお金もうけをしていたのでした。

子供に見えたのは、実は相棒のフェネックだったのです。

良い事をしたはずが逆に詐欺師を助けてしまったのだと気付いたジュディは、「自分はなんてまぬけなんだ!」と落ち込みます。

これがジュディとニックの出会いでした。

 

【承】ズートピア のあらすじ②

謎の消息事件

もっとスリルのある警察官らしい仕事を望んでいたジュディは、ある日勤務中にイタチのひったくりを見つけ、首を突っ込み解決へと導きます。

しかし署長からは「勝手な騒ぎを起こした」と叱られてしまいました。

ところがその時たまたまその場に居合わせたカワウソのオッタートン夫人の目に留まります。

彼女は行方不明になった夫を探して欲しいとジュディに依頼しました。

それは、例の肉食動物失踪事件でした。

ジュディは署長から48時間というタイムリミット付きで、この任務を言い渡されます。

手がかりは写真がたった1枚のみでしたが、その写真には例の詐欺師のニックが写っているのを見つけました。

ジュディはニックの弱みを握っているのをいいことに、彼に捜査の協力を依頼します。

その後ジュディはニックと見つけた糸口を元に、カワウソの居所を突き止めました。

何とそこには先日から行方不明になった動物らが、皆オリに閉じ込められていたのです。

その上動物らは野生の姿に戻ってしまい、凶暴な生き物と化していました。

さらにそこには、市長であるライオンハートの姿が…。

ジュディとニックはこの事実を警察に報告し、一件落着となりました。

市長は、「動物らがなぜ凶暴化するのか分からず、市民の安全を考え閉じこめた」と弁明しますが、逮捕されます。

ズートピアの市長は、副市長であったヒツジの女性ベルウェザーが後任となりました。

【転】ズートピア のあらすじ③

軽率な発言からニックと仲たがいを起こす

大手柄を立てたジュディは、記者会見で優秀な警察官として注目を浴びます。

しかし、その際にうっかり口を滑らせ「凶暴化した動物は全て肉食動物だった」と答えてしまったのです。

この発言によりズートピア市民の肉食動物に対する不安や不信感がつのり、該当する動物の肩身は狭くなりました。

さらにまずいことにキツネのニックも肉食動物なので、ジュディのこの発言に対して嫌悪感を抱き、ジュディから離れて行ってしまいます。

「自分のふとした発言から、多くの動物の心を傷つけてしまった」ジュディはこのことにひどく落ち込み、警察官を辞め、生まれ育った田舎町へ帰ってしまいました。

しかしジュディはそこで、昔、意地悪っ子であったギデオンという名のキツネと再会します。

ギオテンは、「夜の遠吠え」という花の話をしました。

彼は、その花を食べたウサギは突然凶暴化するのだと言います。

この花のせいでズートピアの動物らも凶暴になったのではないか?と気付いたジュディは、ズートピアに戻りニックにそのことを伝え謝罪します。

【結】ズートピア のあらすじ④

予想外のキャラクターが真の犯人だった

そしてジュディはニックの協力を得て、再び事件の真相を追求しはじめました。

2人は「夜の遠吠え」の花の球根を手掛かりにしますが、実はこの花が廃線となった古い地下鉄の中でこっそり毒薬として作りだされているのを知ります。

何とその組織は、この薬品を銃の中に詰め流通させていました。

だからこの銃で撃たれた動物らが凶暴化していたのです。

ニックとジュディはこの証拠を持って、警察に行こうとしますが、何とヒツジの副市長であるメイウェザーに妨害されてしまいます。

なぜなら、メイウェザーこそがこの事件の黒幕だったからです。

小ぶりなボディの彼女は体の大きな肉食動物にコンプレックスがあり、ズートピアから排除しようとたくらんでいたのです。

ライオンハート市長を悪者に仕立て上げたのもメイウェザーでした。

よって肉食動物が凶暴化する理由は、メイウェザーが肉食動物のみにこの毒薬を使っていたからということが分かりました。

彼女の自白は音声で録音され、逮捕されます。

ニックはジュディらの勧めで警察官学校を無事卒業し、警察官となりました。

ズートピア を観た感想

理想の大都会ズートピアは、現代の大都市の縮図とも言えるかも知れません。

ここで起こるさまざまな問題は、実は人間社会が抱える問題のメタファーとなっています。

それぞれの動物の見た目のイメージや先入観に流されてしまうズートピアの住民は、まだまだ差別や偏見の問題を抱えている人間にある種のメッセージを放っているようにも見えました。

主人公のジュディですら、うっかり発言によりキツネのニックを傷付けてしまう意外な展開には驚かされます。

またこのエピソードからは、誰もがこのようなミスを犯してしまうのでは?という不安を感じさせられてしまいます。

そのような意味では、『ズートピア』は子供が観ても大人が観ても楽しめるアニメーションだと言えるでしょう。

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