監督:ロン・ハワード 2014年2月にギャガから配給
ラッシュ プライドと友情の主要登場人物
ジェームズ・ハント(クリス・ヘムズワース)主人公。本能のままに生きる熱い男。無類の女好きで短気な面もあるイギリス人。ニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)もう一人の主人公。オーストリア出身でドライヴィングテクニックだけでなく機械の構造にも精通している。生真面目で誠実だが、プライドが高く神経質な性格。スージー・ミラー(オリヴィア・ワイルド)ジェームズと恋に落ちるスーパーモデル。情熱来な恋愛のすえ結婚するが、夫婦生活は次第に空虚になっていく。マルレーヌ・クナウス(アレクサンドラ・マリア・ララ)ニキの妻。落ち着いた女性で、朴訥なニキと相性がいいアレクサンダー・ヘスケス(クリスチャン・マッケイ)イギリス貴族でジェームズの友人。大のレース好きで、ジェームズが所属するレースチームのパトロン。クレイ・レガツォーニ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)ニキの同僚のイタリア人レーサー。何かとニキを気遣う。
ラッシュ プライドと友情 の簡単なあらすじ
70年代、F1レース界は二人の男の対決で沸いていました。
ジェームズ・ハントとニキ・ラウダ、正反対の性格の彼らは激しい戦いを繰り広げます。
あるとき、ニキを悲劇が襲いますが、それをものともせずにレースに復帰、対するジェームズも全力を尽くします。
確執の裏にかくされていたのは、お互いをリスペクトする物語だったのです。
ラッシュ プライドと友情 の起承転結
【起】ラッシュ プライドと友情 のあらすじ①
1976年のドイツ、ニュルブルクリンク。
豪雨にもかかわらず決行されようとしているレースを前に、一人の男が空を見上げていました。
男の名はニキ・ラウダ、走るコンピューターの異名を持つほど正確で緻密なドライヴテクニックを持つレーサーでした。
しかし、そのニキと激しく首位を争う男が居ました。
時は数年前、1970年にさかのぼります。
病院に鼻血を出しながらやってきた男、ジェームズ・ハント。
彼はレーサーで、野獣のような豪快な走りを見せますが、数々の女性と浮名を流すプレイボーイでもありました。
処置をしてもらった女性看護師と意気投合し、さっそくカップルになります。
ジェームズには持論があります、「レーサーが女にモテるのは、その一時、その一瞬を全力で生きるから」、そして、そんな人生をおくれていることに非常に満足しています。
ジェームズの所属はF3で、もっと上位の場所、すなわちF1に上り詰めるのが夢でした。
あるレースで、一人のレーサーと接戦し、あわや大事故となるところでした。
そのレーサーは、強引なやり方のジェームズに食ってかかりますが、ジェームズは気にもしません。
ジェームズに中指を立てて、去ったその男はニキ・ラウダ、二人の出会いはこのように始まりました。
【承】ラッシュ プライドと友情 のあらすじ②
ジェームズはF3で最優秀ドライヴァーに選ばれ、順風満帆、友人のハスケス卿の財力に物を言わせ、晴れてF1デビューもしました。
かたや、ニキは持参金を手にチームに自分を売り込み、地道な努力を重ねます。
ニキはレーシングマシンの弱点を見抜き、改良を勧めます、そうしたら、マシンは格段に速くなりました。
ニキはメカニックとしても天才だったのです。
チームメイトだったレガツォーニがフェラーリに移籍したとき、レガツォーニはニキの手腕を絶賛、ニキはフェラーリと契約し、F1に活躍の場を移しました。
この間、ジェームズとニキは、それぞれロマンスの相手を見つけました。
ジェームズが出会ったのはスージー、モデルをしている華やかな美女です。
二人はたちまち、恋に落ち結婚しました、美男美女の新郎新婦はみんなに祝福されました。
一方、ニキはレガツォーニにパーティに誘われますが、人付き合いが苦手なニキは居心地が悪そうです。
パーティ会場の屋敷から出ていこうとする女性マルレーヌに相乗りさせてくれないかと頼みます。
会話も弾まない二人でしたが、マルレーヌの車の不調をニキは見抜きます。
無愛想ですが、ある意味で飾り気のないニキにマルレーヌは惹かれます。
【転】ラッシュ プライドと友情 のあらすじ③
1975年、いよいよ始まったF1という土壌での戦い、ニキは余裕の走りでその年のチャンピオンとなります。
一方のハントはどうも調子が出ません。
次のシーズンこそはと意気込みますが、ハスケス卿はF1から撤退をすると言い出します。
ハスケス卿とジェームズのチームはスポンサーを付けず、全部自分たちでできると思っていましたが、それは見込み違いでした。
結果を出せなかったので、新しいスポンサーは当然付きません。
落ち込むハントは妻のスージーにもきつく当たるようになっていきます。
しかし、ここでチャンスが訪れます、チームメイトだったホーズリーが、新しいレーサーを探していたマクラーレンにジェームズを推薦してくれたのです。
マクラーレンに「自分ならニキに勝てる」と宣言し、契約となりました。
悔しさをばねにジェームズは、ニキを猛追します。
しかし、ここで、またつまずきが。
ジェームズのマシンが規格違反だとニキは指摘し、ポイントはボッシュされました。
また命じられるままに直したマシンは事故ばかり起きる危険な代物となりました。
その間、スージーの浮気が発覚し、ジェームズはさんざんです。
しかし、その積み重なった鬱憤が、ジェームズの闘争心に火をつけ、迷いをたち切りました。
改良したマシンで素晴らしい走りを見せるジェームズ、マシンも見直された結果、違反には当たらないとされポイントも復活しました。
ついにニキとジェームズはならんだのです。
ドイツのニュルブルクリンク、雨によりコースは最悪な状態でした。
ニキは中止を提案しますが、ジェームズは続行を主張。
「危険な条件でこそ、レーサーの資質が問われる」というジェームズに多くの者が賛成し、レースの決行が決まりました。
その結果、ニキはクラッシュし、火に包まれ、全身をやけどしてしまいます。
この悲劇は世界に知れ渡りました。
【結】ラッシュ プライドと友情 のあらすじ④
一命をとりとめたニキは、リハビリの末、復帰を決意。
反対する妻マルレーヌに「僕を愛してるなら止めないでくれ」と言います。
レース会場に現れたニキに、一同は騒然となりました。
ジェームズは気まずいながらも「事故は俺のせいだ」と謝罪します。
ニキは「そうだな、だが君の活躍で生きる勇気がわいた、僕を奮い立たせたのも君なんだよ」と返します。
ニキの鋼の意志をかいま見たジェームズは言葉もありませんでした。
事故後、最初のレース。
思うように走れないニキに復帰は早かったと誰もが思った瞬間、ニキの走りが豹変します。
勘を取り戻したニキは4位に入賞し、観客の大喝采を浴びるのでした。
最後のレースは日本、富士のスピードウェイ、またしても豪雨でしたが、レースは開催されることになりました。
ジェームズとニキの対決はすでに一大イベントとなっていました。
レースの直前、ジェームズはニキに静かに敬礼し、ニキも返します。
二人の間には、もはや勝敗を超えたものがありました。
いざレースが始まると、ニキはマルレーヌの顔がよぎり、早々に棄権します。
ジェームズは走りに走り、勝利を手にします、76年度のチャンピオンとなったジェームズは心の底から喜ぶのでした。
後日、飛行場で再会したニキは「その場の勢いで突っ走るのはだめだ、もう一度実力を見せてくれ」と言いますが、ジェームズの考えは反対でした。
「冗談じゃない、優勝は俺の力によるものだ、無茶苦茶な走りというけど、それは命をかけてお前に勝ちたかったからだ、お前が俺を高めてくれたんだ」それっきりジェームズはレースをやめ、気ままなセレブ生活を楽しみました。
毎日を、これが人生最後の日と思って好きなことをする男だったので心臓発作で亡くなったと聞いても驚かなかった、ただ悲しかった、彼は私の数少ない友人だったし、うらやましいと思ったのも彼だけだった、とニキは言います。
ラッシュ プライドと友情 を観た感想
70年代を舞台に古き良き男たちを描いたドラマ、逆に言えば今、こんな生き方をしようものなら時代遅れとなってしまうかもしれません、でも、とても二人ともかっこいい。
カーアクションもものすごい迫力です。
全てのレースを長々見せるのではなくモンタージュ風に演出しているのでアクションよりもドラマを見たいという人にもすっきりと見れると思います。
敬礼のところや脳内によぎる思い出といった部分はちょっと創作かなあ、と感じてしまいます。
また最後のレースで、ジェームズから去っていったヘスケスやスージーがTV中継で彼を応援していたり、といったさりげない演出が監督の優しさを感じられてとても好感が持てます。
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