監督:ブライアン・シンガー 1996年4月にアスミック・エースから配給
ユージュアル・サスペクツの主要登場人物
キント(ケビン・スペイシー)
手足の不自由な詐欺師。密輸船火災での生存者。
キートン(ガブリエル・バーン)
元汚職警官。恋人は弁護士のイーディ。
コバヤシ(ピート・ポスルスウェイト)
カイザー・ソゼの右腕とされる弁護士。
クイヤン(チャズ・パルミンテリ)
関税局の捜査官。キートンの数々の悪行から彼を疑っている。
ユージュアル・サスペクツ の簡単なあらすじ
5人の前科者が強盗容疑の面通しで集められたことをきっかけに、実在しないともされる伝説のギャング「カイザー・ソゼ」の依頼で密輸船を襲撃することとなります。
しかしその襲撃事件には多くの謎が残されていました。
密輸船襲撃による火災の生存者キントと、事件を捜査するクイヤン捜査官とのやり取りで、事件の真相、そして、「カイザー・ソゼ」の存在が次第に明らかになっていきます。
衝撃のラストが見逃せない大どんでん返し映画です。
ユージュアル・サスペクツ の起承転結
【起】ユージュアル・サスペクツ のあらすじ①
夜の港で、謎の人物が船に火を放ち、甲板で動けなくなっている一人の男に近づき、「キートン」と声をかけます。
男はその人物を「カイザー」と呼び、そして、謎の人物に銃口を向けられ、撃たれました。
一方、6週間前のニューヨーク。
強盗事件の容疑者として、5人の前科者が面通しに集められます。
元汚職警官キートン、マクマナスとフェンスターの強盗コンビ、爆弾のプロホックニー、詐欺師のキント。
5人は拘留されることとなります。
現在、サンペドロの港では、火災のあった船から多数の遺体が発見され、生存者は2名。
一人の生存者は昏睡状態で、聞き取れたのは「カイザー・ソゼ」という名前だけでした。
サンペドロ警察署では、関税局のクイヤン捜査官が訪れ、キントと面会します。
キントは、港の火災でのもう一人の生存者でした。
キントは足が不自由で、左手も使えません。
キートンの生死に疑いを持っていたクイヤンに、キントは、キートンは恋人もいてかたぎに戻ったと話します。
【承】ユージュアル・サスペクツ のあらすじ②
キントは、ニューヨークでの面通し後の話を始めます。
拘留された後、5人は釈放されました。
キントは、マクマナスが警察で聞き出した密輸宝石の強奪を持ちかけてきたことキートンに話します。
キートンは殺し無しならと渋々承諾し、5人は、宝石密輸を手助けしている汚職警官の車を強奪し、成功します。
一方、現在。
クイヤンは、キートンの悪事の数々を語り、強奪はキートンの案ではないか、今回の火災でもキートンは生きているのではないかと、キントに問い詰めます。
キントは、事件を仕組んだのはコバヤシという弁護士だと言い、話を続けます。
宝石強奪の後、5人は、宝石の取引相手レッドフットから、新たに仕事を依頼され、宝石商を襲いますが、その際、キントは宝石商を撃ってしまいます。
奪った宝石商のケースには、宝石ではなく麻薬が入っていました。
5人はレッドフットを問い詰めますが、仕事の依頼主は別にいると言われ、依頼主である弁護士コバヤシに会うことになります。
【転】ユージュアル・サスペクツ のあらすじ③
弁護士コバヤシの元を訪れた5人は、コバヤシから、彼のボスであるカイザー・ソゼの仕事を依頼されます。
それは、ソゼのライバル組織の麻薬密輸船を焼き、取引を阻止してほしいというものでした。
コバヤシは、5人が全員、知らずのうちに何らかの形で、カイザー・ソゼの取引の品や財産を盗んでいたことを明かし、ニューヨークでの面通しもソゼが仕組んだもので、借りを返すために依頼を実行するよう言って去りました。
コバヤシの残したケースには、5人のプライベートな記録が全てありました。
カイザー・ソゼとは、誰もその顔を見たことがないという伝説のギャングでした。
キートンは、「カイザー・ソゼなど実在しない。」
と言います。
フェンスターはソゼの名を恐れて逃げ出しますが、殺されて発見されました。
キートンはコバヤシがカイザー・ソゼだと主張し、残る4人でコバヤシの殺害を決行しようとしますが、逆にキートンの恋人を人質に取られ、他の3人も家族の情報を握られていました。
4人は、密輸船の襲撃を実行せざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。
【結】ユージュアル・サスペクツ のあらすじ④
4人は密輸船に忍び込みますが、船に麻薬はなく、ホックニーとマクナマスは殺されてしまい、キントは、キートンが何者かに追い詰められ撃たれるのを目撃します。
一方警察署では、船の死体の一人の身元が割れ、その男がカイザー・ソゼの名前を吐いたと分かります。
クイヤンは、この事件が、カイザーが自分を知っている人間を消すために仕組んだことだと思い当たり、そして、はっきりとキートンの死を見ていないキントに、「キートンこそが、カイザー・ソゼだ。」
と言います。
キントは、クイヤンから「まぬけで弱いからお前を助けた。」
と言われ、問い詰められ、全てキートンが仕組んだことだと言います。
キントは警察の保護を拒否し、その後拘留を解かれ、釈放されました。
キントが去った後、クイヤンは、2人で話していた部屋の壁に貼られた書類や写真から、キントが語った言葉や名前の端々を見つけます。
そして、思わず落としたコーヒーカップの裏には、「コバヤシ」というメーカー名が刻まれていたのです。
クイヤンはキントを追いますが、すでに去った後でした。
自由の身になったキントの引きずっていた足は、次第にテンポよく歩き出します。
そして、不自由なはずの左手でライターの火をつけタバコを吸い、キントは、コバヤシの運転する車に乗り込んで去っていきました。
ユージュアル・サスペクツ を読んだ読書感想
初めて見た時はあまり前知識なく見たので、すっかり騙されました。
そして、伏線回収に何度見たか知れません。
時系列が交錯する構成に混乱させられながら、見事に巻き込まれます。
さらに、捜査によって事実が明らかになっていくシーンが随所に盛り込まれ、こちらはしっかり捜査官の目線になってしまいます。
ケビン・スペイシーは、文句なくはまり役だと思います。
物語のほとんどが、彼の独白か回想シーンで進みますが、狭い部屋で捜査官と2人向き合った数時間の、彼の表情や言動の変化が、見れば見るほど恐ろしくなります。
どんでん返しを知った後からこそが楽しめる映画です。
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