【ネタバレ有り】スイッチを押すとき のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:山田悠介 2005年8月に文芸社から出版
スイッチを押すときの主要登場人物
南洋平(みなみようへい)
YSC横須賀新しく赴任した看守。洋平自身もYSCに選ばれ、心臓に爆弾が埋め込まれている。
高宮真沙美(たかみやまさみ)
YSCに監禁されている16歳の女の子。明るくて優しい真沙美は、実は看守である洋平の実の妹であった。
甲坂直斗(こうさかさおと)
YSCに監禁されている16歳の男の子。気が弱く、誰にも逆らえない性格をしている。
池田尋(いけだひろ)
YSCに監禁されている16歳の男の子。別の施設に7年前一緒にYSCに連れて行かれた友人がいる。
小暮君明(こぐれきみあき)
YSCに監禁されている16歳の男の子。足が不自由で、車いすで生活をしている。
スイッチを押すとき の簡単なあらすじ
2011年に発足された青少年自殺制御プロジェクトと略してYSCは、10代の子供たちの自殺を止めるべく立ち上げられたプロジェクトであった。心臓に爆弾を埋め込まれ、起爆装置を自らの手で待たされていた。殆どの子供たちは1?2年でスイッチを押してしまうが、横須賀施設には6人の子供たちが7年間も生き延びていた。そんな時、1人の男が赴任し、押さずにいたスイッチが次々と押されていく。
スイッチを押すとき の起承転結
【起】スイッチを押すとき のあらすじ①
南洋介は真夜中にあるところへ向かっていた。
そこは「青少年自殺制御プロジェクト(YSC)」の横須賀施設だった。
YSCとは、10代の青少年の自殺を抑制するために発足されたプロジェクトである。
10歳になる子供を全国からランダムに選び、心臓に爆弾を埋め込み、子供たちに起爆装置のスイッチを持たせ、監禁し、24時間監視する。
そして、自殺に至るまでの経緯を政府の人間たちが観察するといった内容のプロジェクトだった。
ほとんどの子供たちが、親から引き離され、耐えられなくなり1~2年で自らスイッチを押して死んでいった。
そして、プロジェクトを発足して15年経った今、横須賀施設には当初40人いた子供たちは6人になっていた。
南は明日からそこに赴任することになったのだ。
そこにいる子供たちは全員16歳で、7年間スイッチを押さずにこの施設でくらしてきた。
横須賀施設には直斗、尋、君明、亮太の男の子4人と、真沙美、愛子の女の子の計6人が暮らしていた。
【承】スイッチを押すとき のあらすじ②
洋介は子供たち全員に優しく振る舞った。
しかし、真沙美だけは南を警戒していた。
ある日の夜、南は愛子に両親からの手紙を渡した。
愛子はずっと両親に会いたいと願って、施設から出られる日を待っていた。
そんな愛子の両親からの手紙は、妹が誕生したという内容であった。
妹が生まれたことによって、自分は忘れられてしまうのではないかと思った愛子は、とうとうスイッチを押して命を絶ってしまった。
また、尋には会いたいと願う女の子がいた。
その子は7年前尋と一緒にYSCに連れていかれ、今も厚木施設にいた。
その子にまた会える日が来るという希望を頼りにスイッチを押さずに今まで施設で暮らしていたが、ある晩、南からその子がスイッチを押して亡くなったことを聞かされた。
希望を失った尋もまた、自らスイッチを押して死んでしまった。
7年間6人で励ましあって生き延びてきたというのに、南が赴任して2人も続けて亡くなったことを不審に思った真沙美は南を問い詰めた。
【転】スイッチを押すとき のあらすじ③
南はプロジェクトが発足されて、初めての被験者だったのだ。
15年という一定の成果が得られた被験者は施設から出ることができるが、スイッチを埋め込まれた状態でそのまま世間に出すわけにも行かなく、施設の看守として働かされていた。
南が今まで転々としてきた施設は、南が赴任されると子供たち全員スイッチを押して亡くなっていた。
南はこんな呪縛から子供たちを救うため、愛子や尋のように希望と絶望を与え、スイッチを押すよう仕向けていたのだ。
話を聞いた亮太はある希望が芽生えた。
それは「最後の一人になれば生き残るかもしれない」ということだった。
亮太は全員のスイッチを奪い押そうとした。
その時、互いにスイッチを押さないように予め交換し、亮太のスイッチを持っていた真沙美が亮太を止めるべくスイッチを押して殺してしまった。
しかし、残された真沙美、君明、直斗は生き残ることができた。
そして、南はこの子供達をどうにかして生かそうと考えた。
【結】スイッチを押すとき のあらすじ④
南は残りの3人を助け出そうと施設から逃亡しようとするが、その途中、見つかった直斗は銃で撃たれて死んでしまった。
何とか逃げ切れた君明は母親に合うことができ、いずれ見つかると分かっていたのか君明ら親子は心中した。
残された南と真沙美はある場所に向かった。
それは真沙美が育った家だった。
そこには今も真沙美の母親が住んでいた。
しかし、真沙美の母親は南も自分の息子だと言う。
母親は子育てを放棄し、施設の前に捨てたのだった。
そして、真沙美は、何年もスイッチを押さない南を精神的に追い込む為、YSCに監禁されることになったのであった。
SYCの職員が追ってき2人は逃亡するが、スイッチにはGPSが付いており逃げ切ることができず、また施設に監禁されてしまった。
別の個室に監禁された2人は互いに励ましあって生きるが、とうとう真沙美はスイッチを押してしまう。
それを知った南も真沙美を追うかのようにスイッチを押して死んでしまった。
スイッチを押すとき を読んだ読書感想
自殺を止めるべく、子供たちを自殺に追い込むとは何て非道なプロジェクトだろうと思いました。
10歳で親から離され、刑務所のような施設に監禁されれば誰だって耐えれなくなり、死を選んでしまうと、私は思います。
こんなプロジェクト自殺の原因を突き止められるはずがない。
また、生き延びてしまった子供たちを死なせる為、精神的に追い込むなんて、よく酷い事を思いつくなと思いました。
流石、ホラー作家の山田悠介さんです。
希望が見えると仲間のスイッチを奪おうとする亮太は、自分が生きる為なら誰だって裏切るという、人間の本来の姿を描いたようでした。
コメント
現代の日本では、できない青年自殺抑制プロジョクトをやるということを思いつくという発想流石山田様!!!!!!!!!!!!!
これは映画版の話なのに何故小説を読んだ体で書いているんですか?冒涜か?