監督:湯山邦彦 1998年7月に東宝から配給
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲の主要登場人物
サトシ(声:松本梨香)
本作の主人公。ポケモンマスターを目指し修行の旅を続ける10歳のポケモントレーナーです。
ピカチュウ(声:大谷育江)
サトシの最初のポケモンで、得意技は10万ボルトです。
ミュウツー(声:市村正親)
ミュウの遺伝子を元に、ミュウより更に強くなるよう作られた最強のポケモンです。
ミュウ(声:山寺宏一)
世界で最も珍しく最も強いと言われている幻のポケモンです。伝承によっては神とも悪魔とも言われるほどの力を持ち、作品中で唯一ミュウツーと互角に戦うことが できます。
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 の簡単なあらすじ
オリジナルを超える強いポケモンを作り出し、人間たちへ逆襲したいミュウツーは、サトシ達トレーナーと偽の招待状で誘き寄せます。
そして彼らから手持ちポケモンを奪い、オリジナルポケモンのコピーを作り出します。
手持ちポケモンを奪われたサトシ達は追い詰められますが、そこへミュウツーのオリジナルミュウが姿を現しオリジナルVSコピーの戦いが始まります。
戦いは長引きましたが、サトシが身を挺して止めます。
それによりミュウツーは人間に希望を見出し、この日の記憶を消してコピーポケモンたちと姿を消しました。
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 の起承転結
【起】劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 のあらすじ①
ロケット団の発掘隊員が南米の山脈地帯にある盗掘現場で、幻のポケモン・ミュウの体の一部の化石を発見しました。
彼らの様子を、ミュウガコッソリ覗き見しています。
彼らの目的は、最強のポケモンを作ることです。
フジ博士が構成した研究チームの遺伝子操作によって、ミュウより更に強くなるよう戦闘能力などを強化された人工的に作られたポケモン・ミュウツーが誕生しました。
しかし、中々目覚めません。
そんな中、ミュウツーは他のコピーポケモンやアイツーと交信し、自分はポケモンや人間のようなものでコピーだと聞きます。
アイツーはフジ博士の子どものコピーです。
フジ博士は、失った「アイ」と取り戻すためポケモンのコピーを作っていました。
突然、コピーポケモンアイツーが消滅します。
アイツーを失くし、ミュウツーは涙しました。
そして目覚めたミュウツーは研究所を破壊しました。
「私は誰だ?私は何のために生まれた?」その生い立ちのためにミュウツーは自らの存在意義に悩み、自問自答を繰り返しながらロケット団のボスであるサカキに利用されていました。
しかし、サカキや科学者たちのエゴに触れたことで人間に失望したミュウツーは、ロケット団を裏切ります。
そして、自分と同じようなオリジナルより優れた「コピーポケモン」の軍団を作り出し、人間やオリジナルたちに逆襲するという計画を企てます。
一方、ポケモンマスターを目指して旅を続けるサトシ達の前に一通の招待状を持ったカイリューが現れます。
内容は、優秀なトレーナーたちを最強のトレーナーがポケモン城に招待したいというものでした。
サトシたちはすぐにポケモン城へ向かうことを決め、返信用のハガキに記入します。
同じ頃、川の中で眠っていたミュウが目覚め、ミュウツーの元へ飛んで行きます。
そして、ミュウツーの能力によって大荒れの海を手持ちのポケモンたちと渡りきったサトシ達はポケモン城へ辿り着きます。
【承】劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 のあらすじ②
ポケモン城へ着くと謎の女性が出てきて、城の中へ案内されます。
同じ頃、同じくポケモン城へ着いたミュウは風車で遊んでいます。
城の中には、サトシたちと同じように招待された三人のトレーナーがいました。
謎の女性に、モンスターボールのポケモンを出して着席するよう指示されます。
しかし、それはミュウツーの仕組んだ罠でした。
突然目の前に現れたミュウツーに驚く間もなく、彼の強大な力と彼が作り出したコピーポケモンたちに圧倒されます。
サトシ達はモンスターボールごと捕獲する「ミュウツーボール」によって、手持ちのポケモンをすべて奪われてしまいます。
それと同時に、用済みとなった謎の女性の催眠が解け、行方不明のジョーイであることが判明します。
一方、サトシたちを追って来たロケット団のムサシ・コジロウ・ニャースは、下水を通って城の地下にある施設「コピーポケモンの製造所」に迷い込みます。
そこで彼らは、ミュウツーが先ほど奪ったサトシたちの手持ちのポケモンのコピーポケモンたちが作られる過程を目にし、更にミュウの存在を知ります。
そこへ、ピカチュウを追いかけてきたサトシがコピー装置を破壊し、ポケモンたちを解放します。
そして、人間への逆襲のために関係ない者を巻き込むミュウツーに憤ったサトシ達は彼の元へ向かいます。
そして、自分の仲間やポケモンを守るためミュウツーに殴り掛かりますが、サイコキネシスで飛ばされます。
【転】劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 のあらすじ③
そんな中、ミュウツーの前に彼のオリジナルである「ミュウ」が現れサトシを助けます。
ミュウは世界で最も珍しく最も強いと言われている幻のポケモンで、伝承によっては神とも悪魔とも言われるほどの力を持っていると言われています。
自分の「本物」であるミュウに対して、強いのも本物なのも自分であると敵意を露にしてミュウツーは攻撃を仕掛けます。
ミュウは自分のコピーであるミュウツーを小馬鹿にし、攻撃を躱して遊んでいます。
しかし、ミュウツーの攻撃がクリーンヒットすると自分にとって脅威であると認識を改めます。
そして、自分達だけではなく、コピーポケモン達とそのオリジナルのポケモン達を闘わせて、「本物」と「コピー」のどちらが強いか決めようと提案します。
「本物より我々は強くなるよう作られている」というミュウツーの主張と「本物は本物だ。
技などを使わず体と体でぶつかれば、本物はコピーに負けない」とミュウの主張がぶつかり合います。
そして、「コピー」VS「本物」の闘いが始まりました。
互いにぶつかり合い、殴り合います。
傷つき、悲鳴を上げながらも止まりません。
ピカチュウもまた、自分のコピーと戦っていましたがピカチューは一切反撃しません。
そんなオリジナルに対してコピーは涙ながらに頬を叩きます。
自分の存在意義のために。
【結】劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 のあらすじ④
そして彼らの戦いは長引き、ポケモンたちはボロボロとなり次々と倒れていきます。
そんな中でもミュウツーとミュウだけは激戦を続けていました。
二匹の闘いを止めない限り他のポケモンたちの闘いも止まらないと考えたサトシは、彼らを止めようとしますが彼らの攻撃の挟み撃ちに遭い石像となってしまいます。
バトルフィールドが静寂に包まれる中、ピカチュウは必死にサトシに呼び掛けたり電撃を食らわせたりしますが効果はありません。
やがて、電撃を出せないほど消耗したピカチュウは悲しみに暮れ、涙が流れます。
それに呼応するかのようにポケモン達も闘いを止め、涙を流します。
彼らの流した涙はサトシの元へ集まり、やがてサトシは石化が解け元に戻ります。
ピカチュウはサトシの胸に飛び込みました。
コピーとオリジナルが共に涙を流す様子を見たミュウとミュウツーは、自分たちは皆同じポケモンであると悟ります。
そして、コピー・オリジナル関係なくポケモン達のために自己犠牲をしたサトシの姿を見たミュウツーは、人間たちに希望を見出し、自分たちコピーポケモンの生が認められるその日までこの世界で生き続けることを誓います。
そのため、コピーポケモンを巡った悲劇が繰り返されることがないように、ミュウツーはその場にいた者たちからこの日の記憶を消します。
そして、ミュウやコピーポケモン達と共にどこかへ去っていきました。
サトシ達はいつの間にか近くのポケモンセンターに戻り、再び旅を続けるのでした。
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 を観た感想
全体的に重く、考えさせられる内容でした。
オリジナルとコピーどちらも同じ命ですが、コピーはポケモンとして生き物として扱われていないところが、現実のクローン生物を想起させられました。
また、オリジナルとコピーポケモン達の闘いが痛々しく、特にピカチュウ同士の闘いは何度見ても涙がこぼれます。
一日でも早く彼らの生が認められて、二度と争うことが無いようにと願ってしまいます。
そんな中、チョイチョイ挟まるロケット団のムサシ・コジロウ・ニャースのコミカルなやり取りや反応が面白く、シリアスな雰囲気の中でも癒されました。
ポケモン映画の中で、「命」をテーマにした作品はこれがベストだと思います。
「命」とはなにか深く考えさせられ、命の重さや仲間を思いやる大切さを再認識しました。
子どもから大人まで世代関係なくオススメの作品です。
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