監督:八嶋哲生 2020年12月に東宝から配給
劇場版ポケットモンスター ココの主要登場人物
サトシ(松本梨香)?
本作の主人公。ポケモンマスターを目指し旅をしている少年。?
ピカチュウ(大谷育江)?
サトシが旅を始めた時から一緒にいる相棒のポケモン。?
ココ(上白石萌音)?
映画オリジナルの本映画の準主人公。ザルードに育てられ、自身をポケモンだと信じて生きてきた少年。?
ザルード(中村勘九郎)?
オコヤの森で暮らしている幻のポケモン。群れで生活していたが、赤ん坊のココを発見し、育てる決意をするが、『余所者を入れてはいけない』という森の掟に反するとして、仲間と離れて生活している。
劇場版ポケットモンスター ココ の簡単なあらすじ
森の奥で、同種族のみで暮らし、外界と接触を持たないポケモン・ザルード。
その中の一匹はある日川辺で1人の赤ん坊を発見します。
『余所者を入れてはいけない』という掟よりも人間の子供を優先し、群れを離れ人間の父親として生きることになります。
成長した赤ん坊・ココは、ポケモンマスターを目指す同い年の少年・サトシと出会います。
劇場版ポケットモンスター ココ の起承転結
【起】劇場版ポケットモンスター ココ のあらすじ①
人間の干渉が無い、森の奥に住んでいるポケモン・ザルード。
彼らは同種族のみの群れで暮らしています。
ある日、一匹のザルードが人間の赤ん坊が川から流されてきたのを発見します。
赤ん坊はザルードに懐き、最初は見捨てようとしていたザルードも、このままでは赤ん坊は生きていけないと感じ、群れに連れていきます。
ですが、『余所者を入れてはいけない』という群れの掟があり、責められた末に、仲間を離れ赤ん坊と暮らす決意をします。
ザルードは1人で人間の子供を育てながら、人間の親を探しますが、見つかりません。
月日が経ち、赤ん坊だった人間・ココは大きく成長します。
ザルードを「父ちゃん」と呼び、人間の言葉ではなく、ポケモンの言葉を喋ります。
ココは森のポケモンたちと仲が良く、自身もポケモンだと信じながら生きています。
ですが、成長しても父親のザルードと全く似ていない自分の姿に疑問を持ち始めていました。
そんなある日、ポケモンマスターを目指して旅をしている同い年の少年・サトシに出会います。
【承】劇場版ポケットモンスター ココ のあらすじ②
ココとザルードは仲良く暮らしていますが、かつて仲間だったザルードは、ココたちを『裏切り者』扱いし、意地悪をします。
ある日ココたちが食糧の木の実を取りに行くと、その場所はザルード達に食い荒らされていました。
落胆したココですが、木の実を植えて育てることを思いつきます。
早速住処の近くに実を植え、ザルードが腕の蔦の力で、木の実の生長を促進させます。
そうしていると、森のポケモンの一匹が、ココを呼びに来ます。
向かうと、2匹のポケモンが喧嘩をしていました。
ココは仲裁をし、羽を怪我したフライゴンを『治癒の泉』へ連れて行きます。
泉の水に浸かると、みるみるうちに傷が回復して行きます。
無事、フライゴンの怪我を治すことができましたが、本来『治癒の泉』はザルードの縄張りだったため、見つかってしまったココはザルードに追いかけられてしまいます。
逃げている途中、ココは川に落ちて流されてしまいます。
その頃、ポケモンマスターを目指して旅をしている少年・サトシと相棒ピカチュウは、ミリーファタウンにやってきました。
珍しいポケモンに出会うため、ジャングルに入ったサトシとピカチュウは、研究員のカレンと出会います。
彼女は『ビオトープ・カンパニー』のゼット博士の助手をしていると言います。
そして、『ビオトープ・カンパニー』は『治癒の泉』を探していると話します。
サトシとピカチュウを追ってきたロケット団は、それを聞いてビオトープ・カンパニーに研究員として忍び込みます。
【転】劇場版ポケットモンスター ココ のあらすじ③
ジャングルの中で、川に流されていたココを見つけたサトシは、川に飛び込みココを助け、人間としてポケモンセンターに連れて行き、回復を待ちます。
目を覚ましたココは、初めて見る人間たちに驚きます。
ココは人間の言葉を話せませんでした。
代わりにピカチュウと会話をすることができ、信頼関係を築いていたピカチュウとなら意思疎通のできるサトシは、ピカチュウの翻訳を通してココの考えを理解していきます。
2人は仲良くなり、そのうちココは自分がポケモンではなく人間なのではないかと思い始めます。
サトシと共に森に帰ったココは、ザルードに疑問をぶつけます。
町では自分とそっくりな人間という存在が生活していること、ポケモンとして、ザルードの実の子どもとして育てられた自分は何者なのかということを話すと、ザルードもココが人間であることを認めます。
そしてザルードは、ココたちを廃墟となった研究所に連れて行きます。
ザルードは赤ん坊のココとその両親が写った写真を見せ、赤ん坊のココが持っていたペンダントを渡します。
サトシは、研究所のマークに見覚えを感じ、研究員のカレンがつけていたものと同じものだと気付きます。
サトシは、ビオトープ・カンパニーに行けば、両親の手掛かりが掴めるのではないかと話し、ココと研究所に向かいます。
ゼット博士は、ココを見て驚きます。
ビオトープ・カンパニーは、10年前に事故があり、凍結されていました。
研究の第一人者は、ココの両親であるモリブデン夫妻でした。
ですが、既に2人は生きていないことを伝えられます。
カレンは、ペンダントの情報をスキャンしました。
中には研究所が探し求めている『治癒の泉』の画像データが入っていました。
【結】劇場版ポケットモンスター ココ のあらすじ④
ゼット博士はココに画像の治癒の泉の場所を聞きますが、ココは警戒して、答えることなくその場を立ち去ります。
ゼット博士はココの肩に発信機を付け、ココの後を追います。
森に帰ったココですがゼット博士と研究員たちは後をつけ、治癒の泉の場所をつきとめます。
研究員たちはサンプルを採取する中で、泉ではなく、そこに生えている御神木がエネルギーの源だと知ります。
博士は巨木を手に入れようとしますが、ザルードたちは縄張りに立ち入り、神聖な御神木に傷をつけることを許しません。
ポケモンとビオトープ・カンパニーの人間との戦いが起きます。
10年前、ココの両親であるモリブデン夫妻は、この泉の場所に辿り着いていました。
ですが、ザルードたちポケモンの大事な住処だと知り、そこに入るわけにはいかないと、研究から手を引いていました。
夫妻の助手をしていたゼット博士はそんなことで諦められないと、夫妻の車を追いかけ、崖から突き落としました。
せめて子供を助けようと、ゆりかごを川に流しました。
ココの父親のザルードは、戦いの中で瀕死の傷を負います。
ココはかつてのザルードとの会話を思い出しながら、治癒の泉へ連れて行きます。
サトシたちとザルードは、ゼット博士の乗った重機にダメージを与えます。
研究員たちは反省し、荒らされた森の復活の手伝いをします。
森には平和が戻り、ザルードは「群れへ帰ってきても良い」と長老に言われます。
ココは「人間とポケモンの架け橋になりたい。
そのために旅に出たい」とザルードに伝えます。
引き止めるザルードですが、最後には無言でココのバッグに木の実を入れて、旅立ちを応援します。
劇場版ポケットモンスター ココ を観た感想
親子とは何か、という深いテーマに触れた作品です。
ポケモンでありながら、人間の命の責任を負い、実の親として振る舞うザルード。
ザルードには真実を隠す罪悪感と、知らないまま、本当の子供としてずっとそばにいてほしいという想いがあります。
一方のココにも、ザルードの子供と信じて疑わない気持ちと、森での生活を愛し、絶対的な信頼と家族愛があります。
そんな中で、信じたくない現実が明らかになっていき、目を背けたくなるような真実と向き合うことになります。
実の親の死と、育ての親の真実を知り、その中で『父ちゃん』の命が脅かされ、自分がザルードの子供であるという結論に至ります。
ポケモンという作品で、親子のテーマを美しく描き切った、感動の映画です。
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