監督：馬場康夫 1987年11月にフジテレビジョンから配給
私をスキーに連れてっての主要登場人物
池上優（原田知世）
本作品の主人公。矢野文男と同じ会社の秘書課に勤める真面目な女性。スキーはド初心者。
矢野文男（三上博）
スキーだけが取り柄のサラリーマン。偶然ゲレンデで出会った優に好意を寄せるが失敗ばかり。
佐藤真理子（原田貴和子）
矢野のスキー仲間で悪友でもある。呉服屋の娘で、矢野と優の恋愛に協力。
小杉正明（沖田浩之）
矢野のスキー仲間。新しい物好きで、色々な発明品を活用してスキーの楽しさを広げている。
羽田ヒロコ（高橋ひとみ）
矢野のスキー仲間。巧みに4輪駆動車を扱い、素晴らしいドライビングテクニックを披露する。
私をスキーに連れてって の簡単なあらすじ
この映画は、スキー場で出会った社会人の若い男女が、いくつかの勘違いに邪魔されながらも、恋を成就させる物語です。
舞台となるのはプリンス系のスキー場で、スキーの滑走シーンはもちろんのこと、雪道でのカーアクションなども楽しめる見応えのある映画です。
特に、大人の男女達ののスキー仲間たちの友情も心温まります。
私をスキーに連れてって の起承転結
【起】私をスキーに連れてって のあらすじ①
矢野はいつものように仕事をしているようですが、彼の頭の中はすでにこれから出かけるスキーのことでいっぱいでした。
矢野は、見積書の検算もそこそこに、上司の「検算はしたんだろうな？」という言葉をよそに、すぐにオフィスを飛び出して帰宅の道につきました。
そして、矢野の姿は彼の自宅のガレージにあります。
そこでは、矢野が愛車のカローラをジャッキアップし、タイヤをスタットレスに履き替えていました。
作業を終えると、トランクにスキー用具、ルーフのキャリアにスキーをつけていよいよ出発です。
その一方、池上優と恭世は、スキーツアーバスに乗り込んでくつろいでいました。
そんな二人の乗ったバスを、矢野のカローラは追い越していきます。
もちろん、この時、まだ二人は面識がありません。
矢野の車とツアーバスの行き先は、同じ苗場スキー場でした。
矢野は予約してあるロッジに近づきます。
毎年、悪戯を仕掛けられる矢野なので警戒してロッジのすぐ近くに車を止めて仲間に無線を入れます。
「そして、現在そちらまで5キロの地点」と嘘を言い、その直後、いたずらの準備をしている仲間の背後に忍び寄るのですが、結局足を滑らせ、結果的には罠にはまってしまった形となります。
そして、今年は、仲間たちがシングルの矢野のために、女の子を用意してくれたのです。
【承】私をスキーに連れてって のあらすじ②
翌日、矢野はご機嫌に深雪の中のゲレンデで存分に一人でスキーを楽しんでいました。
ゲレンデには、優の姿もあります。
友達の恭世から、「ぼんやりしてると、いい男捕まえられないわよ」と言われて、優は「いいのねぇ』と言いながら考え込んでいます。
ちょうどその時、優の目の前に、ものすごいスピードで矢野が滑走してきます。
優は彼がカッコ良いと思ったようで、右手でピストルの形を作って、矢野に向かって「バーン」と撃つのです。
すると、なんということでしょう、それを合図に矢野がド派手に転倒します。
体についた雪を振り払っている矢野ですが、彼の目に優の姿が目に入るのです。
なんと、矢野にとって好みのルックスだったらしく、一目惚れしてしまいます。
その直後、おじゃまな仲間たちが到着します。
そして、矢野は優の前から離れ仲間と滑り出します。
しかし、しばらくすると、ゲレンデに上半身が埋まった状態でもがいている姿があり、矢野たちは救助します。
それが、優だったのです。
優を見た時の矢野の表情に女友達の真理子とヒロコが、「ちょっと」と言いながら、矢野の恋心に気がつきます。
そして、真理子とヒロコが、優に「一緒に滑らない？」と誘い、楽しい時間を過ごすのでした。
【転】私をスキーに連れてって のあらすじ③
矢野の仲間達と一緒にスキーを楽しんだ優。
オクテの矢野ですが、夕方に勇気を振り絞って、優に「教えてくれないかな？番号・電話」とぎこちなく聞きます。
優は手渡されたメモに電話番号を書きます。
しかし、それは、嘘の電話番号でした。
優は矢野にはゆり江という彼女がいると勘違いしていて、嘘の電話番号を教えたのです。
舞台は東京に戻ります。
矢野は、役員室で怒られていました。
前に、検算せずに書いた見積もりが間違っていたからです。
そこに、お茶を持ってきた女性がいました。
それが、なんと優だったのです。
矢野は、友人の力を借りながらも、優にアプローチしますが、勘違いしている優はよそよそしいのです。
そんな時、優は恭世から、矢野には彼女がいないことを聞かされます。
これで、誤解も溶けて、二人はめでたく付き合うことになるのです。
二人の交際は順調でした。
矢野は、会社で一番尊敬している田山雄一郎にも彼女を紹介します。
この、田山は、スキー用品を開発しているセクションの部長さんで、矢野は、自分の部とは関係ないのに、田山の仕事をいつも手伝っていました。
【結】私をスキーに連れてって のあらすじ④
順調に虹彩を続けていた二人ですが、矢野が連日の残業で、なかなか会えなくなってしまいます。
優はいつもすっぽかされっぱなしです。
矢野が今している仕事は、田山の仕事でバレンタインデーに開催される新商品発表会のイベントの企画と準備でした。
そのため、当日の出席は辞退しました。
バレンタイン当日には、矢野と優は仲間と共に、志賀高原のゲレンデで楽しくデート中です。
一足早く、麓のホテルに戻った優のところに1本の電話が。
それは、会社の人からでした。
なんと、発表会場に届いたウェアが全て他のブランドだというのです。
これは、田山の部下の嫌がらせでした。
そして、矢野とその仲間達、優は、田山のブランドのウェアを着ていて、それを届けてくれというのです。
会場は万座。
優がいる志賀からは車で5時間の距離。
真理子とヒロコは、「私たちが届ける」と車を飛ばします。
一人、ホテルに残った優は、「志賀高原から万座までは、ツアーコースを使えば、直線2キロ」であることに気が付きます。
優は単身で万座を目指します。
スキーを満喫した矢野がホテルのロッカーに入ると、優からの「ツアーコースで万座に向かいます」という手紙を見つけ、彼女の跡を追うのです。
そう、ツアーコースは真冬は険し過ぎて滑走禁止なのです。
案の定、優はコース途中で転倒していました。
そこに、矢野が到着です。
二人で、先を目指すもコースを間違え、ビバークすることに。
そこに、無線が入るのです。
それは、矢野の仲間達でした。
背中に大きなライトを背負って追いかけてきたのです。
そして、一行は、ライトの明かりで万座に到着。
すると、真理子とヒロコが到着していてモデルになっていました。
その傍らには、ボロボロになったセリカが。
そして、記者たちに「アベックのモデルもいるじゃないか』と言われて、矢野と優もステージへ。
そして、フラッシュを浴びる中、優は矢野にバレンタインのチョコを渡すのでした。
私をスキーに連れてって を観た感想
この映画は、昭和のバブル時代の古き良き雰囲気を存分に感じさせてくれる作品だったと思います。
社会人が本気で趣味を楽しんだらこうなるというのを目をもって見せてくれたと感じています。
特に、携帯電話のない時代に、ゲレンデで無線機で連絡を取り合う様子や、当時としては高級車だったセリカGT4という4輪駆動車をひっくり返らせるなど贅沢な演出が、とてもカッコよかったです。
そして、矢野と優の二人の性格が、真面目でオクテであるという設定も清々しさを感じさせてくれました。
また、職種の異なる人たちが友人関係になると、こんな楽しい生活になるんだとも教えてくれました。
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