映画「マリアンヌ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ロバート・ゼメキス

映画「マリアンヌ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ロバート・ゼメキス

監督:ロバート・ゼメキス 2017年2月に東和ピクチャーズから配給

マリアンヌの主要登場人物

マックス・ヴァタン(ブラッド・ピット)
主人公。英国・作戦執行部の中佐。生まれ故郷のケベックで牧場を経営するのが夢。

マリアンヌ・ボーセジュール(マリオン・コティヤール)
マックスの妻。腕利きのレジスタンスで徹底した秘密主義。

ホバー(アウグスト・ディール)
ナチス党ケルン支部の高官。お酒とギャンブルが好き。

フランク・ヘスロップ(ジャレッド・ハリス)
マックスの上司。命令に忠実で私情を挟まない。

ガイ・サングスター(マシュー・グッド)
マックスの戦友。戦争で視力を失い心を閉ざしている。

マリアンヌ の簡単なあらすじ

マックス・ヴァタンとマリアンヌ・ボーセジュールが恋に落ちたのは、第二次世界大戦下のフランス領モロッコです。

ふたりは数々の危険な任務をクリアして夫婦となりイギリスで暮らし始めますが、マリアンヌが敵国のスパイに加担していたことが判明します。

娘の身の安全と将来をマックスに託すために、マリアンヌは自らの命を絶つのでした。

マリアンヌ の起承転結

【起】マリアンヌ のあらすじ①

戦火の仮面夫婦が挑む危険なミッション

1942年、イギリスからモロッコのカサブランカに潜入したマックス・ヴァタンは、レジスタンス組織を率いるマリアンヌ・ボーセジュールと合流しました。

マックスは「モーリス・ベルヌ」で鉱山関係の仕事、マリアンヌは「クリスティーヌ」で彼の妻。

偽の名前と身分を使ってアパートで夫婦のふりを続けていくふたりの狙いは、ナチス党の大物・ホバーとの面会です。

ギャンブルには目がないホバーとトランプの勝負で打ち解けたマックスは、大使館で開かれるパーティーにゲストとして参加することになりました。

招待客の前に姿を現したドイツ大使を、あらかじめシャンパンのテーブルの下に隠しておいたステン短機関銃で射殺します。

成功確率が40パーセント以下という難関ミッションをクリアできたのは、用意周到なマリアンヌのおかげでしょう。

いつしかマックスは彼女のことを心から愛するようになっていて、戦争が終わったら祖国のカナダに連れていきのんびりと暮らすつもりです。

【承】マリアンヌ のあらすじ②

幸せな新婚生活に立ち込める暗雲

モロッコを脱出したマックスとマリアンヌは晴れて本当の夫婦となり、3週間後にはロンドンのハムステッドを新居に決めました。

戦友からも温かい祝福を受けますが、直属の上官に当たるフランク・ヘスロップだけはあまりいい顔をしません。

作戦がきっかけで付き合うようになった男女は、何かとトラブルに巻き込まれることが多かったからです。

空襲警報が鳴り響く中でマリアンヌは無事に出産を済ませて、生まれてきた女の子はアンと名付けられます。

マリアンヌは子育てをしながら亡命してきた芸術家や知識人と交流、マックスは相変わらず軍で激務。

1年が経過した頃、マックスとひそかに接触してきたのはVセクションという秘密機関です。

本物のマリアンヌ・ボーセジュールは1941年の5月に処刑されていること、その時によく似た特徴の工作員が彼女と入れ替わったこと。

この話が本当であればマックスが妻としたのは偽物ということになり、72時間以内に自らの手で始末しなければなりません。

【転】マリアンヌ のあらすじ③

青く染まれば黒

自宅に戻ったマックスが金曜日の夜をマリアンヌと過ごしていると、軍部からの電話がかかってきました。

マックスは内容をメモしてわざと目立つところに置きっぱなしにしておき、マリアンヌの反応を確かめます。

裏切り者をあぶり出す時に使う「ブルーダイ(青色色素)検査」と呼ばれる手法で、もしマリアンヌがスパイであれば隠れてドイツ側と連絡を取るでしょう。

Vセクションがマリアンヌを泳がせている間に、マックスは自分の力で妻の無実を証明するしかありません。

1941年にディエップの戦場でマリアンヌに助けられたのがガイ・サングスターで、マックスとも協力して戦った仲間です。

カサブランカ以前のマリアンヌを知る貴重な人物ですが、ディエップを脱出する歳に右目を撃ち抜かれたため証言能力はありません。

今では負傷兵の療養所で暮らしているガイから、ディエップで活動中の工作員の名前を聞き出しました。

部下のパイロットにマリアンヌの写真をディエップまで届けてもらおうとしましたが、その飛行機が墜落してしまいます。

打つ手が失くなったマックスは、ブルーダイ検査の結果が出る月曜日を待つしかありません。

【結】マリアンヌ のあらすじ④

命をかけてあの曲をもう一度

月曜日の朝早くにマリアンヌを開店前の無人のカフェへと連れ出したマックスは、ピアノの前に座らせました。

ガイから聞いた話ではマリアンヌは1941年にドイツ兵に囲まれたカフェでフランスの国家「ラ・マルセイエーズ」を弾いたそうですが、目の前にいる女性はまったく演奏ができません。

本物のマリアンヌはとても勇敢だったこと、志半ばで力つきた彼女の名前を借りたこと、アナを人質に捕られて脅されたために止むなく機密情報を渡していたこと。

マリアンヌの告白を聞いたマックスは自宅へ引き返して、子守りに変装していたドイツ人のエージェントを射殺してアナと合流します。

スイスかペルーへ亡命するつもりの3人を飛行場まで追ってきたのは、マックスを大逆罪で逮捕しにきたフランクです。

夫に着せられた汚名を返上し娘の命を守るするために、マリアンヌは自らに銃口を向けて引き金を引きます。

戦争が終わり平和が訪れた頃、異国の牧草地をマックスと母のように美しく成長したアナが寄り添いながら歩いているのでした。

マリアンヌ を観た感想

軍への忠誠心と妻への愛情のあいだで揺れ動く主人公、マックス・ヴァタンをブラッド・ピットが好演していました。

美しくもミステリアスな雰囲気を漂わせたヒロイン、マリアンヌ役のマリオン・コティヤールにも目を奪われます。

前半戦の舞台となる「カサブランカ」という地名を聞いて、ハンフリー・ボガートの名画を思い浮かべてしまうのはかなりのオールドファンでしょう。

マリアンヌの「戦争が終わったらどうするの」という問いかけに対して、マックスの「そんな先のことは分からない。」

20世紀の映画史に残る名セリフが、さりげなくリバイバルされていて心憎いです。

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