監督:鈴木雅之 2017年1月に東宝から配給
本能寺ホテルの主要登場人物
繭子(綾瀬はるか)
本作の主人公。ごく平凡なOL。
織田信長(堤真一)
戦国の武将。厳しくも優しい男。
森蘭丸(濱田岳)
信長の家臣。繭子と打ち解ける気さくな男。
本能寺ホテル支配人(風間杜夫)
淡々としている。謎の多い人物。
本能寺ホテル の簡単なあらすじ
繭子は婚約者の両親を訪ねるため、京都へやってきましたが、手違いで予約していたホテルに泊まれず、行き当たった「本能寺ホテル」に宿泊することとなります。
ところが、ホテルのエレベーターで、繭子は、戦国時代の本能寺へタイムスリップしてしまいます。
そしてそこで、森蘭丸や織田信長と知り合います。
信長と交流するうち、繭子は、その魅力に引き込まれていきます。
ところが、今日がまさに本能寺の変の当日と分かり、信長らを助けようと、繭子は、現代と1582年を行き来し、翻弄するのです。
本能寺ホテル の起承転結
【起】本能寺ホテル のあらすじ①
繭子は、勤めていた会社が倒産し、将来を迷っているところに、恋人の恭一からプロポーズされました。
恭一の両親に会うため、一人で先に京都へやってきた繭子ですが、手違いで予約したホテルに泊まれず、困った末行き当たった「本能寺ホテル」にチェックインします。
繭子がホテルのエレベーターに乗ると、ロビーにあった不思議な置物の歯車が動き出しオルゴールが鳴り始めました。
エレベーターの中で、繭子は何げなく、昼間買った金平糖を一粒噛み砕きました。
エレベーターが止まり降りた先は、どう見てもホテルではなく、お寺の境内のようです。
繭子は、そこで和服の青年と出会います。
青年は気さくな人柄で、今は天正10年6月1日であると教えられます。
繭子は、青年の親方様の茶会の場へ口を出してしまい、怒りを買ってしまいます。
家臣のような男たちに追われて一室へ逃げ込むと、ちょうどその時、ホテルにやってきたマッサージ師がフロントのベルを鳴らします。
その瞬間、繭子はエレベーター内へと戻り、逃げ込んだ部屋はもぬけの殻に。
親方様は、繭子が落とした縁結びスポットのチラシを見つけます。
繭子は、支配人と一緒にエレベーターに乗り込みますが、もう何も起こりませんでした。
【承】本能寺ホテル のあらすじ②
繭子は京都へやってきた恭一とともに、恭一の父親を訪ねます。
恭一はすでに式のことなどを一人で決めてしまっていましたが、繭子は「私は何の取り柄もないから」と全てを恭一に委ねるのでした。
ホテルに戻った繭子は、支配人から、ロビーにあったオルゴールの置物が信長の持ち物であったかもしれないと聞きます。
そして、エレベーターで、金平糖をかじった繭子は、再度タイムスリップし、先ほどの境内に現れました。
捕らえられ、親方様の元へ連れて行かれた繭子は、「親方様」と呼ばれる人物が織田信長であると知ります。
先ほどの青年は森蘭丸だったのです。
そして、拘束された部屋で、ここが城ではなく本能寺であることを知らされます。
慌てた繭子は、蘭丸を探して廊下をかけ回りますが、その時ホテルで、宿泊客がフロントベルを鳴らし、再び現代へ戻されてしまいました。
繭子は、これまでのことを支配人に打ち明け、信長に本能寺の変を知らせようと、タイムスリップの秘密を探り始めます。
ところが、支配人は、「歴史が変わってしまうから危険だ」と、繭子に忠告します。
【転】本能寺ホテル のあらすじ③
繭子は、恭一とその同級生たちと食事の席で、流されるままの自分を改めて思い知らされることとなり、自分自身に疑問を持ち始めます。
ホテルに戻りエレベーターに乗った時、やはり繭子が金平糖をかじると、再び1582年の本能寺へとタイムスリップしていきました。
信長と繭子は再会し、ともに町へ下り、平和ににぎわう町を歩きます。
信長は、泰平の世への夢や野望を語り、繭子は信長の魅力に惹かれていきます。
本能寺に戻った2人は、蘭丸ら家臣たちとともに町で流行っている遊びをして、子供のように楽しくひと時を過ごします。
しかし、その頃、明智は軍を率いて本能寺へ向かってきていたのです。
繭子は、意を決して、明智の謀反を信長に伝えます。
信長は、繭子が落としたチラシや繭子の言動で、彼女が未来から来たということを感づいていました。
そして、自身の行く末を知らされると、「承知した」と言ってその場を去っていくのでした。
夜になり、蘭丸は、信長の身を案じますが、信長は、「どうもせん」と笑います。
そして、天下統一をなすよう書いた手紙を、秀吉に届けるよう託します。
「天下泰平の世が来るなら誰でもよい」と。
【結】本能寺ホテル のあらすじ④
恭一の両親の金婚式パーティーの後、ホテルへ戻り支配人と話した繭子は、歴史が変わっていないことを知ります。
繭子が何とか再び本能寺へとタイムスリップすると、そこは、まさに戦いの真っ只中でした。
火の手が回る中、蘭丸とともに信長の元へ行くと、信長は、すでに覚悟を決めていました。
繭子が落としたチラシに印刷されたたくさんの笑顔の写真を見て、信長は「良い写真だ」と言い、大切に懐にしまいました。
信長と蘭丸に促され逃げる繭子ですが、現代への帰り方がわかりません。
辺りは火の海になっています。
繭子を火の手が襲うその時、ホテルのフロントで、支配人が磨いていたベルを落とした拍子にベルが鳴り、間一髪で繭子はエレベーターに引き戻されたのです。
業火の中、信長は自害し、本能寺は焼き尽くされました。
翌朝、繭子は、支配人に残りの金平糖をあげて、晴れ晴れとホテルを後にします。
河原に腰掛けて、繭子は、歴史の教員としての職の希望を電話で伝えます。
一方、ホテルでは、支配人が、いぶかしげに置物のねじを回し、エレベーターに乗り込み、金平糖を一粒かじりました。
そして、エレベーターが止まり開いた扉の先を見て、支配人は驚くのでした。
本能寺ホテル を観た感想
繭子、織田信長、森蘭丸、ホテルの支配人など、主要のキャラクターがしっかりと描かれていて、それぞれがとても個性的で魅力的でした。
繭子を取り囲む人たちが皆いい人で、気持ちよく見ていられます。
堤真一は、表情で信長の強さと優しさを表現していて、流石の演技力です。
綾瀬はるかも、等身大の女性を伸び伸びと演じていて好感が持てます。
登場シーンは少ないですが、明智光秀を演じた高嶋政宏も、鬼気迫る迫力の演技でした。
テンポよく現代と戦国時代を切り替え、スムーズにストーリーが流れるので、飽きることなく見られます。
信長ゆかりのアイテムを使ったタイムスリップの秘密もよく練られています。
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