映画「スリーピー・ホロウ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ティム・バートン

スリーピー・ホロウ

監督:ティム・バートン 2000年2月に日本ヘラルド映画から配給

スリーピー・ホロウの主要登場人物

イカボッド・クレーン(ジョニー・デップ)
本作の主人公。ニューヨーク勤務の捜査官で、ある理由から非科学的なものを信じることができずにいる。

カトリーナ・ヴァン・タッセル(クリスティーナ・リッチ)
本作のヒロイン。スリーピー・ホロウに住む地主の娘。

ジュニア(マーク・ピッカーリング)
事件の被害者の息子。父親の仇をうつためにクレーンに共に捜査をしたいと頼み込む。

首なし騎士(クリストファー・ウォーケン)
スリーピー・ホロウに伝わる伝説で語られる人物。残忍な性格。

スリーピー・ホロウ の簡単なあらすじ

ニューヨーク勤務の捜査官クレーンはある事件の捜査のためにスリーピー・ホロウという村に派遣されます。

その村では二週間のうちに三人が首を切り落とされて殺害されるという不気味な事件が発生していました。

クレーンは被害者の息子ジュニアや地主の娘カトリーナと共に科学的な手法を用いて事件を解決しようと奮闘しますが、一連の事件には村に伝わる首なし騎士にまつわる伝説が関係しているらしいことが分かってきます。

スリーピー・ホロウ の起承転結

【起】スリーピー・ホロウ のあらすじ①

奇妙な事件と首なし騎士の伝説

1799年、クレーン捜査官は川で発見された死体の解剖を要請するも断られてしまいます。

もうすぐ19世紀になるというのに古臭い拷問という手法で自白を強要していることにクレーンは不満を持っていました。

彼は科学に基づいた事件解決を望んでいたのです。

そんなクレーンを見かねた上司が、スリーピー・ホロウという村で二週間のうちに三人が首を切り落とされて殺害された事件の解決をクレーンに依頼します。

実力を試せる機会を得たクレーンはすぐさま村へ向かいました。

村に到着すると大きな屋敷に案内されます。

中に通されるとクレーンをゲームの参加者と勘違いした女性に挨拶のキスをされます。

彼女はヴァン・タッセル氏の娘カトリーナでした。

奥の部屋でクレーンは医師のランカスター、牧師のスティーンウィック、判事のフィリップス、公証人のハーデンブルックを紹介され、そこで事件の詳細を聞くことになります。

殺害されたのはピーター・ヴァン・ギャレットと息子のダーク、ウィンシップ夫人の三人で、いずれも首が刎ねられていましたが、三人の首は未だ見つかっていません。

村人たちは犠牲者の首は首なし騎士に地獄へ持っていかれたのだと噂していました。

それは殺戮を好んだ騎士が敵に追われ森の中に逃げ込んだ際に、偶然出会った二人の少女が木の枝を折り音を立てたことで敵に居場所が知られてしまい、その騎士は首を刎ねられて死んだという伝説に基づいたものでした。

事件解決に闘志を燃やすクレーンでしたが、翌日マスバスという男が首を刎ねられた状態で死んでいるのが発見されます。

【承】スリーピー・ホロウ のあらすじ②

騎士の墓とクレーンの過去

クレーンはマスバスの息子・ジュニアと共に事件の捜査に当たることにしました。

判事の「マスバスは五人目の犠牲者であり四人目ではない」という言葉が引っかかっていたクレーンはウィンシップ夫人の死体を解剖します。

その結果、ウィンシップ夫人は妊娠していたことが分かりました。

その夜クレーンは幼少期の夢を見ます。

目が覚めてしまい物音がした部屋へ向かうと、そこにはカトリーナの姿がありました。

彼女の母親は亡くなっており、その母親を看病していたのが今のタッセル夫人でした。

クレーンはお守りだというまじないの本をカトリーナから受け取りました。

翌日、クレーンが判事と話しているとそこに首なし騎士が現れて判事の首を刎ね、首を剣で突き刺して持ち去ってしまいます。

そんな凄惨な場面を目撃してしまったクレーンは混乱状態に陥り、また幼いころの夢を見ました。

なんとか回復したクレーンはジュニアと共に首なし騎士の墓があるという西の森へと向かいます。

クレーンとジュニアは森の洞窟に住んでいた謎の女性のお告げの通りに死人の木を探しました。

すると根元に大量の人の首が置かれているそれらしき木が見つかります。

その近くにあった騎士の墓には頭蓋骨が入っていませんでした。

騎士の頭蓋骨は何者かによって盗まれており、頭を取り戻すまで殺人は続くのではないかとクレーンは推測します。

次の瞬間、木の根元から騎士が飛び出してきて、クレーンは追いかけますが見失います。

騎士は村で四人を殺害していました。

クレーンは騎士の頭蓋骨を盗み出した人物が騎士に指示を出しているのではないかと考えます。

ある日、また小さいころの夢を見たクレーン。

飛び起きるとそこにはカトリーナがいました。

クレーンは自分の母親が魔女だと疑われ、キリスト教徒だった父親に殺されたことを彼女に話します。

クレーンはそのことがきっかけで神や非科学的なことが信じられなくなっていたのでした。

【転】スリーピー・ホロウ のあらすじ③

首なし騎士の襲来

ある日、クレーンは公証人の元を訪れます。

そこで同行していたジュニアが父親の鞄を発見します。

中に入っていたのはピーターの遺言状と婚姻届けでした。

その遺言状からピーターが財産をウィンシップ夫人とお腹の子供に残そうとしていたことが明らかになります。

この一連の事件は遺産がらみであることが見えてきたクレーンはピーターと親戚関係のバルタス・ヴァン・タッセルが犯人ではないかと疑いました。

その夜、クレーンはタッセル夫人が牧師と愛し合っている姿を目撃します。

夫人は自分の手のひらを刃物で傷つけていました。

翌朝、クレーンがかき集めた証拠が綺麗さっぱりなくなっていました。

証拠を持ち出したのはカトリーナで、彼女は古い家の暖炉で証拠を燃やしていました。

カトリーナを追っていたクレーンが村に戻ると公証人が首を吊って死んだという連絡が入ります。

その頃森にいたタッセル夫妻。

夫人の背後から首なし騎士が近づいてくるのを見たタッセル氏は夫人を置いて逃げました。

首なし騎士がタッセル氏を追って村に来ました。

村人たちは慌てて教会へと逃げ込みます。

騎士の狙いはタッセル氏であるとして彼を教会から追い出そうともみあいになった医師と牧師が死亡、その時外から杭が投げ込まれ、それは窓を突き破ってタッセル氏の体に突き刺さりました。

そのまま外に引きずり出されたタッセル氏は首を刎ねられます。

その様子を見て気絶したカトリーナの手は赤いチョークで汚れていました。

その赤は教会の床やクレーンの部屋に描かれていた悪魔の目と同じでした。

クレーンはそれを見てカトリーナが黒幕だと思い、これで事件解決だとばかりにニューヨークに帰ろうと馬車に乗り込みました。

クレーンはなんとなくカトリーナにもらったまじないの本を取り出して悪魔の目の意味を調べると、そこには愛する者を悪霊から守る術と書かれていました。

彼女はクレーンを守ろうとしていたのです。

【結】スリーピー・ホロウ のあらすじ④

黒幕の正体

村へ引き返して夫人の死体を調べてみると、手のひらの傷は後からつけられたもので、この死体は夫人のものではないことが判明します。

その頃カトリーナの元に死んだはずのタッセル夫人が現れ、カトリーナは驚きのあまり気絶、夫人は騎士を呼び出してカトリーナを殺すように命じました。

頭蓋骨を盗んだのは夫人だったのです。

偽物の死体の正体は婦人の召使のサラでした。

タッセル夫人の旧姓はアーチャーといって、幼い頃からこの近くに住んでいました。

しかし父親が死ぬと地主に追い出されてしまい、夫人は妹と共に森の中で暮らしていました。

ある日薪集めの最中に生前の首なし騎士と出くわし持っていた枝を折って騎士の居場所を知らせると騎士は処刑されてしましました。

アーチャー家を追い出した地主というのはタッセルとギャレットの両家で、夫人は復讐するために魂を売ったのでした。

カトリーナの母親を殺したのもタッセル夫人でした。

さらにクレーンに死人の木のことを教えてくれた洞窟の魔女は夫人の妹で、あの後夫人はその妹までも手にかけていました。

カトリーナが攫われるのを目撃したジュニアはこっそり後をつけてカトリーナを救い出そうとします。

クレーンも追いつき、三人は風車小屋の中に逃げ込みました。

屋根から脱出し迫りくる騎士を爆発に巻き込むことに成功しますが、騎士は何事もなかったかのように三人を再び追いかけてきます。

馬車に乗った三人が辿り着いたのは死人の木のある場所でした。

そこへ現れた夫人に銃で撃たれ倒れ込むクレーン。

しかし生きていたクレーンは夫人から頭蓋骨を取り上げ、騎士に返します。

頭蓋骨を取り戻した騎士は夫人を抱えて木の根元を通り、地獄へと帰っていきました。

胸を撃たれたクレーンが無事だったのはカトリーナがくれたまじないの本を胸元にしまっていたからでした。

無事に事件を解決したクレーンはカトリーナとジュニアを連れてニューヨークへと帰還したのでした。

スリーピー・ホロウ を観た感想

ティム・バートンとジョニー・デップのタッグによるホラー・ファンタジーにはずれはないだろうと思い視聴しました。

殺人事件とさびれた村の伝説が絶妙に絡みあっていくのが面白かったです。

事件の解決がメインストーリーですが、そこに主人公のクレーンの過去や田舎町らしい遺産がらみのいざこざなどが交錯し、厚みのある物語に仕上がっていました。

暗くてじめじめした雰囲気のスリーピー・ホロウが魅力的で、いかにもこれから何かが始まるぞ、という予感に満ちていたのが良かったです。

登場人物たちの服装や、クレーンが持っている奇天烈な小道具の数々、幻想的な森など視覚的に楽しめる部分も多かったです。

ホラー寄りのファンタジーが好きな人におすすめの作品です。

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