「パシフィック・リム」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ギレルモ・デル・トロ

パシフィックリム

監督:ギレルモ・デル・トロ 2013年8月9日(日本)にワーナー・ブラザースから配給

パシフィック・リムの主要登場人物

ローリー・ベケット(チャーリー・ハナム)
イェーガー『ジプシー・デンジャー』を操縦する本作の主人公。怪獣との闘いで兄を亡くしている。

森マコ(菊地凛子、幼少期:芦田真菜)
適性と熱意を認められイェーガーのパイロットになりローリーとコンビを組む本作のヒロイン。

スタッカー・ペントコスト(イドリス・エルバ)
防衛軍司令官。怪獣の襲撃で家族を亡くしたマコの養父でもある。

ニュートン・ガイズラー(チャーリー・デイ)
怪獣オタクの生物学者で防衛軍士官。強い個人的興味と地球防衛の為に怪獣とリンクしてしまう。

ハーマン・ゴットリーブ(バーン・ゴーマン)
数理学者、防衛軍士官。怪獣の出現傾向などを研究、ニュートンとは意見の合わないことが多い。

パシフィック・リム の簡単なあらすじ

2013年、太平洋の深海に発生した裂け目から現れた巨大生物(KAIJU 怪獣)によりアメリカ西海岸は壊滅状態になります。

米軍が連日抵抗した末に怪獣を撃退するも、新たな怪獣が出現し続けます。

人類は主義主張などを超越して団結、怪獣に対抗する大型人型兵器イェーガーを開発しました。

2人のパイロットが搭乗するイェーガーにより一旦は怪獣を凌駕できたものの、更に強力な怪獣が出現してきたことで人類は窮地に追い込まれるのです。

パシフィック・リム の起承転結

【起】パシフィック・リム のあらすじ①

人類の危機

グアム沖の深海に突如として発生した『裂け目』は、異世界と地球とをつなぐゲートのようなものでした。

そこから出現した怪獣に対して当時の現有武力では十分に対抗できなかった世界は、国という枠組みや主義主張を超越して一つにまとまります。

そして、人類は科学と情熱の全てを注ぎ大型ロボット『イェーガー』を開発しました。

初期こそ単独操縦でしたがそれはパイロットに多大な負担をかけていました。

そこでパイロット2人体制となりますが、それぞれが左脳と右脳にあたる役割を果たす為に神経同調(ドリフト)が可能なコンビでなければなりません。

2020年、アラスカ沖で怪獣『ナイフヘッド』との戦闘となったジプシー・デンジャーを操縦するのは、ヤンシーとローリーのベケット兄弟でした。

2013年初出現を『1』とする怪獣カテゴリーは、このナイフヘッドでは『3』になっていました。

敵の強力な一撃に兄・ヤンシーが犠牲となります。

単独となったローリーは満身創痍になりながらも何とか怪獣を撃退しますが、その後パイロットを辞めるのです。

2024年、怪獣出現頻度増加に対してイェーガー生産が追いつかなくなった世界は方針を転換していました。

『命の壁』と呼ばれる超巨大な防壁が各地沿岸部に建設されており、それをもって怪獣侵攻阻止につなげていたのです。

当初こそ怪獣の推定能力を超えていた防壁でしたが、カテゴリー4が現れると無用の長物と化していきます。

【承】パシフィック・リム のあらすじ②

ローリーとマコ

防壁建設現場の作業員となっていたローリーは、防衛軍司令官・ペントコストに説得されてパイロット復帰を決意します。

香港にある基地に到着したローリーを出迎えたのはイェーガー研究者であるマコでした。

ローリーとコンビを組む候補選定が行われますが、最適任はマコだったのです。

マコの養父でもあるペントコストが反対を唱えるも、ローリーとマコそれぞれの熱意でテスト操縦を実施することになります。

良好な同調を見せた2人でしたが、どちらも怪獣により肉親を亡くしたトラウマが影響した為にジプシー・デンジャーが暴走状態へと陥ります。

大事故寸前のイェーガー強制停止という結果を受けてペントコストはローリーとマコのコンビを凍結しました。

2025年、香港沖に怪獣『オオタチ』と『レザーバック』が襲来します。

2体同時出現は初のことです。

防衛軍は3体のイェーガーで迎撃しますが、金属をもすぐに溶解させる液を吐くオオタチと、電磁パルス攻撃能力を有するレザーバックの前にイェーガー群は沈黙してしまいます。

【転】パシフィック・リム のあらすじ③

崩せぬ『裂け目』

地球人が電子精密機器を使用していることを理解していたかのようなレザーバックに対抗できるのは原子炉で動くジプシー・デンジャーだけです。

ペントコストはローリーとマコの出撃を許可しました。

順調なドリフトを遂げたローリーたちは香港沿岸でレザーバックをまずは倒します。

つづいて、都市中心部で暴れていたオオタチにその飛行能力で絶対不利の空中戦に持ち込まれるもこれの撃退に成功しました。

息つく間もなく防衛軍は本来遂行するはずだった作戦に入ります。

それは、グアム沖深海にある『裂け目』の破壊でした。

入り口を塞ぐことで怪獣出現を阻止しようというのです。

電磁パルスにより沈黙していた現状最強イェーガーの『ストライカー・エウレカ』は修理が済んで、裂け目爆破用の核を搭載します。

そのストライカー・エウレカには負傷欠員の補充でペントコストが搭乗していました。

ローリーとマコはジプシー・デンジャーで護衛役として同行します。

2体のイェーガーが最終作戦に入るその頃、厄災状態の香港には上空から落下したオオタチが倒れていました。

まだ死んで間もないオオタチは妊娠していたので子が誕生しますがその幼少オオタチも息絶えます。

科学的見地から怪獣対策に尽力するニュートンとハーマンは幼少オオタチの脳とのドリフトを試みました。

裂け目近くに到達したイェーガーの前にカテゴリー5の1体を含む計3体の怪獣が現れます。

強力な敵に翻弄されてイェーガーは激しく損傷していきます。

それと同時に、幼少オオタチとのドリフトに成功したニュートンとハーマンによって、裂け目が怪獣以外の存在を通過させない仕組みになっていることが判明したのです。

【結】パシフィック・リム のあらすじ④

最終作戦決行

核爆弾投下だけでは作戦失敗が目に見えており、頼みのイェーガー達は深く傷ついている状況です。

ペントコストが最後の決断を下して、ローリーたちは行動にでました。

怪獣撃退の為に、ペントコストらが搭乗しているストライカー・エウレカが犠牲となって核を爆発させたのです。

大爆発による強い海流の中で怪獣の体組織を手中にしているジプシー・デンジャーが裂け目に飛び込みました。

それは、原子炉を動力源に持つジプシー・デンジャー自体が核爆弾の代わりになるからです。

生き残っていたカテゴリー5・『スラターン』を辛くも撃破したジプシー・デンジャーが裂け目通過に成功します。

マコが機体損傷の為に酸素僅少となって失神してしまいますが、ローリーが脱出装置を作動させて彼女をこの場から離脱させました。

裂け目の先はまったくの異世界であり、そこにいる地球人とは違う生命体が、怪獣ではないものが降下してきたことに驚いているようです。

自身も弱っている中でローリーはジプシー・デンジャーを自爆させます。

強烈な爆発で裂け目破壊が成功し、人類は未曽有の危機から脱することができたのです。

海面に浮上していたマコが息を吹き返します。

その後を追うようにまた脱出ポッドが浮き上がってきました。

ローリーとマコを救出すべく飛来していたヘリの轟音の下で、2人は互いの無事を喜びあうのです。

パシフィック・リム を読んだ読書感想

操縦桿とペダルで大型ロボットを自由自在に動かすことなんて実現しないだろうと個人的にそう思いつつSFモノを愛好している身としては、本作が見せたパイロットの動作をそのままロボットに表現させる操縦方法こそ、巨大人型兵器に人間のような動きをさせる術だろうと思います。

そこにドリフトを持ち込んだことは、イェーガー技術の高度感を醸し出すことと、人間の心情のドラマ性を強めることにつながったと思います。

怪獣の造形も生物らしさと狂暴らしさに溢れていました。

そして何よりも日本ウケする要素がふんだんに盛り込まれていたのが良かったです。

ジプシー・デンジャーが第一の注目メカです。

鉄人28号のようなフォルム、そして『エルボーロケット』がマジンガーZのロケットパンチを彷彿とさせましたし、香港市街戦でタンカーを片手に歩くジプシーの姿は野武士のようです。

ヒロインの設定を日本人とし、菊地凛子と芦田愛菜に配役され、2人とも堂々たる演技だったことも喜ばしく感じました。

ハリウッドの規模と、日本の特撮や漫画のファンであるギレルモ・デル・トロの指揮があって成し得た、日本のオタクも納得する作品になったと思います。

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