【ネタバレ有り】ちょっと今から仕事やめてくる のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:北川恵海 2015年2月にKADOKAWA アスキー・メディアワークスから出版
ちょっと今から仕事やめてくるの主要登場人物
青山隆(あおやまたかし)
本編の主人公。入社一年目でブラック企業でこき使われ疲弊しきってしまい、自殺を考える毎日。
ヤマモト(やまもと)
線路に飛び込もうとした寸前声をかけてきた小学校の同級生?
五十嵐先輩(いがらしせんぱい)
フォローを良くしてもらい隆が尊敬している会社の先輩。
部長(ぶちょう)
日常パワハラ・モラハラな隆の悩みの種の会社の上司。
ちょっと今から仕事やめてくる の簡単なあらすじ
中堅の印刷企業に勤めて1年。しかしそこはブラック企業だった。部長に責められ罵倒される毎日に嫌気がさしうんざりな青山隆はある日ふっと線路に飛び込もうとする。そこへ小学校の同級生ヤマモトが助けてくれそこから交流が始まり、日々の憂鬱が軽減され前へ向こうとする隆だがヤマモトは同級生の山本とは別人だった…。
ちょっと今から仕事やめてくる の起承転結
【起】ちょっと今から仕事やめてくる のあらすじ①
就職難のご時世ようやく採用になり浮かれたのもつかの間そこはブラック企業でした。
日々部長に罵倒され休日もなく出勤させられ何も喜びや楽しみを感じず生きているだけの毎日に嫌気がさす隆はとうとう線路に飛び込もうとします。
そこを引っ張り上げてくれたのが小学校の同級生ヤマモトでした。
思い出せない隆だったけどそのまま居酒屋へ駄弁り、その後も会社帰りに夕飯を共にして話す内に仕事の悩みや鬱憤が軽減され、先輩へ相談したり息抜きをしたりと前へ向こうとします。
そんなヤマモトへ感謝しかない隆ですが他の同級生から山本は外国で活躍していると聞き、ネットで検索すると確かに顔写真を見てもヤマモトとは別人の姿が映っていました。
はたしてヤマモトとは一体誰なんでしょう?
【承】ちょっと今から仕事やめてくる のあらすじ②
じゃぁこのヤマモトは一体誰?ずっと考えてしまう隆は本人に直接聞いてみる事にしました。
そしたら返ってきた答えはあっさり違うと。
話が盛り上がってる最中に気が付いたけど言い出しにくくてそのままにしてしまったらしい。
彼は山本純。
免許証を見せられ確かに本人でした。
色々突っ込みどころはあるもののまあいいかと納得した隆に仕事での大失敗が発生!取引先への紙の指定が間違っていて取引先をかんかんに怒らせてしまい、上司には罵声を浴びせられて先輩と共に謝罪へ。
なんとか許してもらえたものの担当からは外されてしまうし、先輩には迷惑をかけてしまい折角浮上していた最近の気分も一気になくなり、自信を無くしてしまう隆。
もう営業なんて俺には向いていない…。
【転】ちょっと今から仕事やめてくる のあらすじ③
だが仕事の失敗の原因は意外な所に…
仕事の大失敗をヤマモトに相談する隆。
ヤマモトはそんな会社を辞めて強く転職を勧めだしてきます。
しかしその声もイマイチ入らずただ先輩や会社に対して申し訳ない、ここで仕事を辞めてもどこへも務められないと自分に全く自信が持てずそのまま会社へ通勤する毎日を送る隆。
そんな日々の中大失敗となった発注ミスの原因はなんと先輩が隆の発注内容を変更して送っていた事が分かります。
問いただす隆に先輩は営業職という過酷な仕事を隆はなめきっている、自分の時にはお昼休みなど取れなかった、後輩にあっさり業績を上げられては先輩の自分が大変なんだと先輩の心情を全て知らされます。
そしてこんな優しい先輩をこんな思いをさせてしまった隆はもう生きている資格はないと思い今度こそ命を絶とうと決心します。
【結】ちょっと今から仕事やめてくる のあらすじ④
新たな道へ旅立つ
会社の屋上に上りフェンスを越えて空を見上げ気持ちの良い隆。
そこへ山本が現れ隆と会話をします。
人生の意味は誰の為?それは自分の為と自分を幼少から見守ってくれてきた家族の為だと諭し残された人の事を考えろと言います。
思いとどまった隆は久しぶりに実家へ電話をかけます。
そこで自分を本当に心配して大切にしてくれる両親の気持ちを痛切に感じるのでした。
そしてヤマモトの実家を訪問し母親と話します。
ヤマモトは3年前に自殺した山本純の兄弟でした。
ヤマモトは会社から逃げられずに自殺した純を思い、隆を助けてきたのでした。
そんなヤマモトや両親の思いを受け止めた隆はついに上司に今迄の事をぶつけ会社を退職します。
それから数年、隆はヤマモトを助ける為にヤマモトと同じ道臨床心理士をめざし再会します。
ちょっと今から仕事やめてくる を読んだ読書感想
この作品を読んだ時ここまでではないけどブラック企業で人間関係に悩み苦しんでいた時期でした。
なのでタイトルから即買いしたのですが読んだ後涙がほろりとこぼれました。
主人公の隆のブラック企業での頑張りやこの会社を辞めたらどこにも行けないという逃げ場のなさからの自分への追い込みが物凄く共感しました。
そしてヤマモトや隆のお母さんの会社なんてどこにでもあるし生きていればなんとでもなるという言葉は一見そんな軽いもんじゃないよ!とひねくれた自分には最初から素直には受け止めなかったりもしますが、やはりじ〜んときました!こんな事言ってくれる人が一人でもいれば全然違うんだなぁと。
退職する時に隆が上司へ言い放ったセリフの数々がまさに今底辺の立場から共感するものばかりでこんな事言ってスッキリ辞めたい!!と思いました。
隆だけではなくヤマモトも辛い傷を負いながらも進み、現実感ありつつ希望がある読後感でとても良かったです。
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