【ネタバレ有り】破門 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:黒川博行 2014年1月にKADOKAWAから出版
破門の主要登場人物
二宮啓之(にのみやけいすけ)
本作の主人公。二宮企画の社長。仕事は主に建築関係のサバキを受け持っている。
桑原保彦(くわはらやすひこ)
ニ蝶会の構成員。金にがめつく、喧嘩っ早い。二宮にとって疫病神的な存在。
小清水隆夫(こしみずたかお)
映画会社フィルムアンドウェーブの代表取締役。小太りで禿げている。
破門 の簡単なあらすじ
桑原と嶋田が映画の出資金を小清水に持ち逃げされたということで二宮と桑原で小清水を探します。その道中で亥誠組や滝沢組と揉め事を起こしたため、桑原は破門という処分が下されます。桑原は小清水を使い滝沢組と交渉をします。そんなありとあらゆる手を使って桑原は処分を無くそうとしますが、その甲斐なく桑原は破門されました。
破門 の起承転結
【起】破門 のあらすじ①
二宮は桑原から映画制作の話を聞かされます。
その映画は北朝鮮が題材に入っていて二宮は北朝鮮に桑原と行ったことがあるために脚本をチェックするように命令されます。
しかもその映画制作に桑原と二宮の恩人でもある嶋田も出資していました。
二宮は渋々、脚本のチェックに協力をします。
二人は小清水の事務所に行き、映画制作について話を聞きます。
総製作費は3億円で俳優も有名どころを多く使うと小清水は説明します。
翌日に二人は脚本家の三宅に会いに京都に向かいます。
三宅のマンションで二人は北朝鮮について知っていることを教えます。
その後、桑原から小清水が失踪したと二宮は聞かされます。
嶋田と桑原が金を持ち逃げされたことに特に二宮は興味を持ちませんでしたが、嶋田が二宮のために配当が回るように二宮名義で出資をしてくれていたと聞かされます。
嶋田の思いを知った二宮も小清水探しに参加します。
二宮たちは小清水が住んでいたという家に向かいますが、当然誰もいません。
そこで桑原と同じ極道に絡まれて何とか逃げ出します。
【承】破門 のあらすじ②
二人に因縁をかけた極道が同じ系列の亥誠組だと分かります。
亥誠組は桑原を不問にする代わりに小清水が不渡りにした手形を決済しろとニ蝶会に迫ります。
そきで桑原は小清水が住んでいるマンションに向かいますが、そこで同じ亥誠組と揉め、刺されてしまいます。
桑原が入院している間、二宮は小清水の愛人を調べます。
愛人の証言から小清水がマカオにいると知り、二人はマカオに飛びました。
そこで無事に小清水を捉え、銀行の通帳のありかを聞き出します。
しかし小清水は詐取した金をほとんど持っていませんでした。
そこで小清水を更に尋問し、隠していたお金を奪うことができました。
残りの金はマンションに貸し金庫の鍵を隠しているということでした。
そこで鍵を見つけ、お金の存在も確認するが出金するための暗証番号がわかりません。
そこで小清水の居場所を知る初見組に電話をかけ、小清水の居所を聞き出します。
小清水からは株でお金を回収し、順調でしたが、滝沢組が桑原を揉めた罰として絶縁するようにと要求します。
しかもニ蝶会の組長には了承を得ているとまで言い放ちました。
【転】破門 のあらすじ③
再び逃げ出した小清水の行方を捜している時に桑原は組長に呼び出されます。
そこで滝沢と話をつけないと破門だと言い渡されます。
桑原は刑事の中川に金を払い、小清水の居所を突き止めます。
小清水は温泉旅館に宿泊していました。
桑原は夜に宿に侵入し、小清水を捕まえます。
小清水を監禁して、桑原は話をつけるために滝沢組へと向かいました。
滝沢組とは小清水の身柄と引き換えに桑原のことを手打ちにするように交渉して、成功しました。
結果、組の親分たちで話し合いの場が設けられ、桑原の処分は保留ということで落ち着きました。
滝沢組に小清水を引き渡す際に桑原はまだ小清水から金を絞れると踏んで策略を使い、身柄は渡しませんでした。
そして小清水が最後に残していた銀行預金を出金したところで再び滝沢組の人間とかち合います。
そこで乱闘になりますが、二人はなんとか逃げ出しました。
しかしその隙に小清水はまた逃げ出しました。
しかしお金が手に入ったために用済みだと探すこともしませんでした。
【結】破門 のあらすじ④
二宮は木下とチンチロリンをキャンディーズしていました。
負けが一万円を超えた頃に電話が鳴ります。
相手は嶋田でした。
電話の内容は桑原を連れてニ蝶会の事務所に来てくれというものでした。
保留になっていた桑原の処分について話があるからと呼び出しの電話を嶋田はしたのでした。
二宮はチンチロリンを引き上げて、コーヒーを飲みながら桑原を待ちます。
30分後に現れた桑原に事情を説明し、嶋田の下へ向かいました。
そこで嶋田に今治で滝沢組と乱闘になった経緯を説明しました。
その上で小清水から取り返したお金の分配を嶋田と話し合います。
その中で300万円を親分に渡すよう桑原に進言します。
当然、桑原は疑問を持ちます。
実は会合の後、滝沢組の親分とニ蝶会の親分同士が話し合いをして揉め事を起こした両組の人間を絶縁すると勝手に決めていました。
嶋田も納得はしていなく、絶縁ではなく破門にするようにと親分に頼み込みました。
そこで桑原にも処分が軽くなるように親分に金を渡して頼み込めと助言します。
桑原は嶋田の言いつけを聞き、300万円を持って親分の家に向かいました。
しかし呆気なく破門になり、桑原はそれ以来姿を消してしまいました。
破門 を読んだ読書感想
出資金詐欺に嶋田と桑原が騙されたところから話が始まりますが、途中からはヤクザ同士のしがらみや争いの話になっていきました。
最後に桑原が破門になった時は驚きました。
常に偉そうでなんでも思い通りになっている桑原がついに負けたような気がしました。
もちろんこれで終わるような人ではありませんが、それでも衝撃でした。
話の本筋とは関係ありませんが、マカオでギャンブルをする描写がとても詳細で分かりやすかったです。
これは作者が大分やってるなと思いました。
確実に続編があると思いますので、この窮地を桑原がどう立ち回るのかを楽しみにしています。
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