【ネタバレ有り】M 愛すべき人がいて のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:小松成美 2019年7月に幻冬舎から出版
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M 愛すべき人がいての主要登場人物
浜崎 あゆみ(はまさき あゆみ)
主人公。松浦氏との出会いが契機となり、国民的歌手となる。
松浦 勝人(まつうら まさと)
エイベックスの専務。数多くの歌手を育て上げた。
メイ(めい)
浜崎あゆみの高校時代からの親友。
M 愛すべき人がいて の見どころ!
・国民的歌手浜崎あゆみの知られざる大恋愛
・名曲の誕生秘話
・「あゆ」を作り上げた浜崎あゆみと松浦勝人氏が選んだ結末
M 愛すべき人がいて の簡単なあらすじ
浜崎あゆみの恋とその終わりを描いた物語です。
国民的歌手「あゆ」を作り上げたのは、プロデューサーの松浦勝人(マサ)でした。
マサに言われるがままに歌やダンスのレッスンをこなし、徐々に有名になっていくあゆ。
次第にあゆは、マサに対する気持ちを抑えられなくなっていきます。
あゆが書き上げる歌詞はマサに対するラブレターでした。
マサはその思いに応え、二人は交際を始めます。
しかし、それは世間には知られてはいけない関係でした。
多忙を極める二人は、次第にすれ違いはじめます。
M 愛すべき人がいて の起承転結
【起】M 愛すべき人がいて のあらすじ①
物語は浜崎あゆみ(あゆ)の高校生時代までさかのぼります。
当時のあゆは、福岡でモデルにスカウトされ、華やかな生活を送っていました。
とは言え、あゆには父親がおらず、奔放な母親と祖母との三人暮らしでした。
しかし、あゆは寂しくありませんでした。
中学生のころからモデルとして家計を支えていることを誇りに思っていましたし、何よりも家族が大好きでした。
そんなあゆには、大好きな場所がありました。
ヴェルファーレというディスコです。
学校帰りには親友のメイと一緒に、連日通っていました。
当時のあゆは16歳でしたが、年齢を18歳と偽って入場します。
おそらくスタッフの人は、年齢詐称をしていることに気づいていましたが、彼らはいつもあゆのことを見逃してくれました。
ヴェルファーレに通ううちに、次第にあゆはスタッフとも打ち解けます。
ヴェルファーレにはVIPルームという部屋がありました。
あゆは、一度でいいからその部屋に入ってみたいと思っていました。
そんなある日、ヴェルファーレのスタッフがVIPルームにあゆを通してくれたのです。
そこにいたのは、松浦勝人(マサ)でした。
マサは、当時のエーベックスの専務を務めており、数多くのミュージシャンをプロモーションし、育て上げてきたことで有名でした。
あゆは、そんな憧れの人と同じ空間にいることが信じられませんでしたが、この出来事をメイに自慢したいと思い、マサに記念写真を頼みます。
これが二人の出会いでした。
【承】M 愛すべき人がいて のあらすじ②
あゆは、それからも定期的にVIPルームに通されるようになりました。
そこにはいつもマサがいました。
マサはあゆの歌を聴きたがりました。
あゆは当時、ミニアルバムを出してはいましたが、歌は素人同然で得意でも好きでもありませんでした。
しかし、マサはそんなことはお構いなしで、次々とカラオケに曲を入れてはあゆに歌わせました。
あゆは必死になってそれらの曲を歌い続けました。
あゆは、将来について考えるようになりました。
自分がどうなりたいのかを考えた結果、学校を辞め、所属していた事務所との契約も解除しました。
マサにそのことを伝えると、マサはあゆに歌手になれと命じます。
マサは、あゆをプロデュースし、日本で知らぬ人がいないくらいの歌手に育てあげると宣言します。
あゆは戸惑いましたが、マサの勢いに押され、歌手になることを約束します。
まず初めに、マサはあゆをニューヨークに留学させました。
そこでは、本格的な歌とダンスのレッスンが待っていました。
慣れない環境と厳しいレッスンに、あゆは心が折れそうになりますが、マサに喜んでほしい一心で懸命にレッスンをこなします。
留学中、一度だけマサはあゆに出張ついでに会いに来てくれました。
レッスンの報告を受けたマサは、あゆに「似合ってるから」と、高価なコートをプレゼントしてくれました。
あゆは久しぶりマサに会ったことで、彼に対する恋を自覚していきます。
留学を終えて帰国したあゆに対して、マサは作曲をするようにと命じました。
あゆは作曲なんてしたことがありませんでしたが、マサをがっかりさせたくなかったので、自分なりに詩を書きました。
それは、マサに対するラブレターでした。
マサはその詩を読んで驚きます。
あゆの詩は、マサが予想していたよりも心に響くものだったからです。
あゆは、伝えられない思いを詩にして、マサに手渡すようになりました。
詩が増えれば増えるほど、あゆの気持ちは大きくなっていきます。
ついに、自分の気持ちに耐えられなくなったあゆは、FAXでマサに告白文を送ります。
それを読んだマサは、あゆの気持ちに応じてくれました。
あゆの実家に出向いたマサは、あゆの家族に自分があゆと付き合っていることを告げ、ふたりは一緒に暮らすことになりました。
【転】M 愛すべき人がいて のあらすじ③
あゆとマサの幸せな時間は、長くは続きませんでした。
歌手とプロデューサーが交際し、同棲までしているという事実は、マスコミに知られるわけにはいきません。
あゆはまだ駆け出しの歌手でしたが、それでもマサのプロデュースによってじわじわと人気を集めていました。
そんなときにスキャンダルが発覚すれば、浜崎あゆみの歌手人生は狂ってしまいます。
ふたりは堂々とデートをすることすらままならないような状態でした。
ふたりが付き合っていることを知っている関係者たちは、ふたりに大ごとにならないうちに別れるようにと迫ります。
そんな日がしばらく続きました。
あゆはどんどん有名になり、メディアの露出も増えていきました。
あゆに休日はなくなり、分刻みのスケジュールをこなします。
あゆはマサと一緒にいるのが一番幸せなのに、そんな余裕はどこにもありませんでした。
マサはあゆをもっと有名にすることに夢中で、そんなあゆの気持ちには気付きません。
そして、二人の心はどんどんすれ違っていきました。
【結】M 愛すべき人がいて のあらすじ④
マサは、自分が作り上げた「浜崎あゆみ」という歌手が、コントロールできないくらいに大きな存在へと成長したこと、そしてそんな「浜崎あゆみ」と自分が交際していることに重圧を感じるようになります。
もはや国民的ともなった「浜崎あゆみ」を、自分の存在が邪魔をしているような気がしていたのです。
次第にマサはあゆと二人で暮らす部屋には寄り付かなくなります。
あゆはマサの心が離れていくのを感じ、悲しみました。
あゆにとって、歌手を続けている理由は「マサのため」だけだったのです。
自分が歌えば歌う程マサは苦しみ、マサの心はあゆから離れていくのには耐えきれませんでした。
しかし、あゆにとってマサは、恋人である前に自分のプロデューサーでした。
あゆがどんなにわがままを言っても、マサは怒りません。
プロデューサーとして、あゆを慰めたり、励ましたりするのです。
マサも苦しんでいました。
マサは次第に飲酒量が増え、あゆも心配します。
そんな時、あゆはマサがヴェルファーレに入り浸って毎日のように酒を飲み、女の子を連れまわしているということを知ってしまいます。
あゆはショックを受け、仕事から逃亡してしまいます。
メイや、あゆのマネージャーは心配して、懸命にあゆのことを探してくれました。
数日後、戻ってきたあゆは自分の立場を考え、この悲しみを歌にしようと決意します。
そこで生まれたのが、名曲「M」です。
あゆは、曲の制作をほとんど自分でできるようになっていました。
これは、マサが今まであゆを育て上げてきた賜物でした。
しばらくすると、マサは海外に拠点を移すことになりました。
あゆとマサの別れの時が近づいていました。
あゆは、今後の人生に、マサ以上に愛すべき人が現れないだろうという気がしていました。
マサとの別れはつらいものでしたが、笑顔で見送ります。
数年の時が流れ、2019年。
あゆは、自分の力で「浜崎あゆみ」を作り上げていました。
平成から令和へ、時代をまたくライブツアーが開催され、日々忙しく過ごしていました。
するとそこに、現れたのはマサ。
久しぶりの再会です。
あゆとマサは、もう愛し合う者同士ではありませんでしたが、二人の間には今も強いつながりが存在しています。
M 愛すべき人がいて を読んだ読書感想
誰もが知る歌姫・浜崎あゆみの半生や、名曲の背景が惜しげもなく描かれた一冊です。
一人の少女があるプロデューサーと出会い、歌姫になるまでの過程はまるでシンデレラストーリーですが、その成功の裏にはたくさんの努力や苦しみが隠されています。
愛する人と決別してまでも歌い続けた浜崎あゆみのリアルな気持ちに心が揺さぶられました。
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