【ネタバレ有り】野良女 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:宮木あや子 2009年7月に光文社から出版
野良女の主要登場人物
鑓水(やりみず)
二十八歳、独身、派遣社員。なかなかの美人だが二年間彼氏がおらず、性行為をしない間に子宮内膜症に罹る。
鈴木大輔(すずき だいすけ)
鑓水が狙っている営業マン。派遣先の喫煙所で出会い、行きつけの居酒屋が同じこともあり親密になる。
朝日(あさひ)
三十歳、独身、役員秘書。中年のステイタスが高いおじさんばかりと付き合っている。自身も地方の名士のお嬢様で、美貌もあり恵まれた人生を送っている。
壷井(つぼい)
遠距離恋愛中、独身、転職を繰り返す二十八歳。
横山(よこやま)
不倫に溺れる二十八歳、独身、派遣社員。結婚を夢見るが、現在恋愛中の相手は既婚者の子持ち。
桶川(おけがわ)
保険営業レディ。美人で仕事もできるが、DV男が好きという特殊な性癖を持つ二十九歳。
野良女 の簡単なあらすじ
アラサー女性五人の日常をコミカルに描いた本作。各話毎に登場人物がクローズアップされ、明るく前向きな彼女たちの悩みや苦しみが吐露されていきます。二年間彼氏がいない間に内膜症にかかってしまった派遣社員の鑓水、ステイタスが高い中年男性しか相手にしない役員秘書の朝日、転職を繰り返しながら遠距離恋愛を続ける壷井、やり手の保険レディでありながらDV男にはまる桶川、結婚を夢見ながら不倫に溺れる横山。結婚、仕事、人生の壁にぶつかりながら、たくましく歩いていく彼女たちの姿をとくとご覧下さい!
野良女 の起承転結
【起】野良女 のあらすじ①
二十八歳、独身、派遣社員。
彼氏いない歴二年で、性行為も同じく二年間およんでいない鑓水は、生理でもないのに股間から出血していることに気がつき、産婦人科を受診します。
そこで子宮内膜症と診断され、なかなかのひどい状態ということが発覚します。
ここまで進行するのに痛みもともなっていたはずだと医者から指摘されますが、痛まなかったのでこれまで気かつかずに過ごしてきたのです。
三十歳まであと二年と迫る妙齢で、痛み止めの座薬を処方された鑓水は、これまでの人生を振り返ります。
それなりの美人として扱われてきた自覚があり、プロポーズを受けたこともあります。
新卒の就職活動がうまくいかなかった為、新卒派遣に登録し、現在まで大手の会社を派遣社員として渡り歩いてきました。
大学時は、パチンコ屋店員とコンパニオンのアルバイトを掛け持ちし、結構な額の給料を稼いでいましたが、社会人になり手取りは半分に。
それでも若さと美貌があった頃は、誘いも多く、派遣された会社の社員から結婚を前提に付き合って欲しいと言われたこともありました。
しかし、それも数年前の話で、二十八歳の現在、すっかり年下が増え、誘いもめっきりなくなりました。
週末は安い居酒屋で、同じく派遣社員の横山や、転職を繰り返す壷井と飲み明かす日々を送っています。
【承】野良女 のあらすじ②
派遣された会社の社員と恋仲になり、破局した鑓水はその後契約終了を余儀なくされ、新たな職場にまわされます。
教訓として派遣先では恋愛しないと決めてから、すっかり恋愛とも縁遠くなり、結局今日までの二年間彼氏もできないまま過ごしてきました。
そんなある日、職場の喫煙所で、リース機器の営業に来ていた男性と知り合います。
ライターを忘れた彼から火をお願いされた鑓水は、恥ずかしさを飲み込みつつ、行きつけの居酒屋のライターを貸します。
偶然、相手もそのお店を知っており、彼の打ち解けた笑顔に心を鷲掴みにされた鑓水は、それから何日もその居酒屋に通い、彼が現れるのを待ちます。
新たな恋の予感に胸をときめかす鑓水。
友人たちも張り込みを応援します。
そして週末の金曜日ついに彼が一人で店にやって来ます。
偶然を装い、一緒に飲むことにした鑓水たちは、彼が「鈴木大輔」という名の就職三年目の二十五歳で独身、彼女なしという情報を入手します。
事前の打ち合わせ通り、二人きりにしてもらった鑓水は、鈴木大輔とお酒を楽しみます。
【転】野良女 のあらすじ③
鈴木大輔はまだ二十五歳というだけあって食欲旺盛でした。
このままベッドインまで持って行きたい鑓水でしたが、色っぽい雰囲気にはならず、その日はそのままアイスを食べて別れます。
後日、女同士の飲み会で何もなく帰った話をしたところ、友人の横山や壷井から笑われてしまいます。
早く恋愛市場に戻りたい鑓水は、今度こそ鈴木大輔と一晩共にしようと企てます。
何かと忙しく、次に鈴木大輔と居酒屋で再会したのは一か月経ってのことでした。
事情を知っている友人と居酒屋で飲んでいるところに鈴木大輔がやって来ます。
事情を知っている友人は気を利かせ、早々に退席し、二人きりのシチュエーションに。
酔わせてベッドインまで持って行きたい鑓水は、浴びせるように鈴木大輔に酒をつぎます。
案の定飲み過ぎた鈴木大輔はつぶれ、鑓水は介抱する振りをして、免許証にある鈴木大輔の家まで送っていきます。
部屋に着き、身に着けているものを脱がしていく鑓水。
鈴木大輔はまったく起きる気配はありません。
そして、鈴木大輔のいちもつに手を触れた時、鑓水は衝撃が走ります。
【結】野良女 のあらすじ④
鈴木大輔のそれは今まで付き合った男たちとは比べ物にならないくらい立派でした。
寝る男寝る男、全員が全員短小だった鑓水にとって鈴木大輔のそれは異次元レベルでした。
初めてのことに沸き立つ鑓水は、その夜、テアソビだけして、部屋を後にします。
そして憑き物が落ちたような気がしていました。
鈴木大輔とのことを壷井に報告しながら、鑓水は、自分は恋愛に逃げていたのだと気づきます。
そして、派遣社員からの脱却を目指し、正社員として働く道を模索してみようと決意します。
迫るクリスマスを前に、もしお互いまだ予定がなかったら、綺麗に着飾って、青山あたりで食事をしようと誘います。
不吉なことを言わないでと怒りながらも、壷井も楽しそうです。
既婚者と不倫している横山も、ここ三年毎年明石家サンタを観て一人クリスマスしているから誘ってあげようと盛り上がり、こうしてアラサー女たちの夜は更けていきます。
野良女 を読んだ読書感想
アラサー女性五人の恋愛・仕事・悩みが軽快なガールズトークで展開される『野良女』。
今回は、二十八歳、派遣社員で子宮内膜症に罹った鑓水が主人公の『尻の上に座薬』をご紹介しました。
あけすけな内容と、鋭い切り口で男性には聞かせられないガールズトークがここにあります。
コメント