【ネタバレ有り】姑の遺品整理は、迷惑です のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:垣谷美雨 2019年2月に双葉社から出版
姑の遺品整理は、迷惑ですの主要登場人物
堀内望登子(ほりうちもとこ)
本作の主人公。姑の多喜が亡くなったため、彼女が住んでいた3DKの部屋を片付けることになります。
堀内多喜(ほりうちたき)
望登子の姑。夫が亡くなった後は、一軒家を売り3DKの団地で1人暮らしをしていました。
丹野(たんの)
多喜の住んでいた地域の自治会の副会長をしています。多喜が倒れた時に偶然居合わせて救急車を呼んだのは彼女でした。
沙菜江(さなえ)
多喜の部屋の隣人。生活保護を受けています。一人娘がいます。
美紀(みき)
望登子の弟の嫁。
姑の遺品整理は、迷惑です の簡単なあらすじ
姑が亡くなり、望登子が部屋の片づけをすることになりました。3DKの部屋だと侮っていると、次から次へとたくさんの荷物が出てきます。望登子は「お義母さん」と愚痴をこぼしながらも片付けていきます。しかし部屋を訪れた際に感じた違和感が望登子を襲います。誰もいないのにこたつがぬくもっていることや部屋にあったはずの物が無くなっているのです。望登子は無事に遺品整理を終えることができるのでしょうか?
姑の遺品整理は、迷惑です の起承転結
【起】姑の遺品整理は、迷惑です のあらすじ①
姑が亡くなり、彼女が1人で暮らしていた部屋を片付けることになった望登子。
初めて訪れる姑の部屋は、3DKにも関わらずたくさんの物で溢れかえっていました。
何となく亡くなった姑の部屋に入ることに抵抗を感じる望登子ですが、部屋の中に入って望登子は違和感を覚えます。
誰もいないはずのこたつは妙に温かいのです。
この日は怖くなってすぐに帰りました。
後日友人の冬美から遺品整理するには、まずは全体の荷物の量を確認することや業者に頼んでしまうことも手であるというアドバイスを受け、部屋の中の荷物を確認していきます。
しかし今度は冷蔵庫の中に入ってあった腐りかけの野菜が無くなっていました。
誰かがこの部屋に出入りしていることを確信した望登子は、防犯のため隣人の沙菜江と顔見知りになるため声をかけます。
そこで逆に沙菜江から、姑の多喜から預かったというウサギを返したいと言われてしまいます。
ウサギはとても大きくてずんぐりと太っていて可愛くありません。
望登子は引き取りたくないと考えます。
また本当にこのウサギは姑のものなのかと疑います。
【承】姑の遺品整理は、迷惑です のあらすじ②
実家へ帰省した望登子。
父の十三回忌のため、久しぶりに帰郷した望登子。
現在の実家には弟夫婦が住んでいました。
望登子は癌で亡くなった母について思い出します。
母は人に迷惑をかけないように気を配れる素敵な女性であったと回想します。
母は亡くなる前に自分の身の回りの物は処分していました。
それにひきかえ、姑は急に亡くなったのもありますが、物が溢れかえり不要な物まで部屋に置いていて片付けるのがとても大変と心の中で思っていました。
母が使っていた部屋に泊まった望登子は、ふと母が恋しくなりました。
部屋にはたくさんの見覚えのある家具が置いてあります。
望登子はタンスを開けてみますが、中には何もありませんでした。
そして次々に部屋の収納を開けてみますが、どこにも母が生きていた痕跡を示す物がありませんでした。
望登子は自分の母がどんな人だったのか分からなくなってしまいました。
翌日友人と会うと、その友人は実家を処分したいという話をします。
しかしなかなか買い手がつかないと言っていました。
その後実家に帰ると、弟から実家を手放して東京に移住することを聞きました。
望登子は生まれ育った実家が人手に渡ってしまうことに拒否感を示しますが、かといって自分が引き取れないため弟夫婦の意見を尊重します。
【転】姑の遺品整理は、迷惑です のあらすじ③
望登子は姑の部屋で片付けをしています。
しかし1人でやるとちっとも進みませんでした。
そして夫が休みの日に一緒に片付けることになります。
しかし夫は次から次へと出てくる遺品をどれも懐かしがり、手放そうとしません。
望登子は夫と遺品整理をするのは間違いであったことに気付きます。
望登子は友人の冬美から連絡が来て夕飯に誘われます。
そこで、冬美から母を引き取ろうという話を聞かされました。
以前の冬美は母のことをとても憎んでおり、それを知っている望登子は冬美の心の変化に戸惑います。
今日も望登子は部屋の片づけに追われています。
2人ではなかなか片付かないため、望登子は業者に見積もりをお願いします。
すると96万もかかるといいます。
途方にくれる望登子でしたが、そこへ丹野と名乗る高齢の女性が訪ねてきました。
すると丹野は多喜にはとてもお世話になったと言い、片付けを手伝ってくれることになります。
その際丹野からウサギは隣人から預かっていると聞きました。
望登子は沙菜江に腹を立て、沙菜江に文句を言いに行きますが、逆に沙菜江から多喜の手書きの飼育方法のメモを見せられ沙菜江の言っていることは本当であると認めました。
そして後日ウサギは反対隣に住む日菜子のものだったことが分かりました。
しかし日菜子は飼えないので望登子が飼うことになりました。
【結】姑の遺品整理は、迷惑です のあらすじ④
望登子は遠慮してなかなか丹野に連絡できませんでしたが、ついに電話します。
そして丹野が部屋の片づけを助けてくれました。
片付けをしているときに、丹野から多喜の生前に多喜からお金を貸してもらったことを話します。
望登子は姑の意外な一面を知りました。
弟から実家が売れたという連絡が来て、望登子は実家に帰省します。
そして義理の妹の美紀に出迎えられます。
美紀から実家の家具はほとんど処分することを聞かされ、食い下がります。
しかしふと自分も夫と同じだと気づきました。
望登子はふと美紀に母はどんな人だったか尋ねます。
てっきり素敵な義母と褒められると思っていましたが、美紀の表情は一瞬曇りました。
そこで望登子は自分にとって素敵だった母は、義理の妹にとってはそうではなかったことに気付きます。
また形見分けしたものは既に換金してあることを知ります。
本当は残しておいて欲しかった望登子でしたが、美紀を責めることはできないと自分に言い聞かせました。
後日部屋の片づけをしていると、沙菜江が訪ねてきました。
すると沙菜江は以前多喜から助けてもらったことを話しました。
シングルマザーとなった沙菜江親子の元に元夫がお金をせびりに来るようになった際に、逃げ道を作ろうと多喜に言われました。
そしてベランダの仕切り板に穴を空けて元夫が来た際には多喜の部屋に逃げ込めるようにしてくれた話を聞かされます。
望登子は自分の母と姑を比べます。
以前までは姑のことをバカにしていましたが、次第に考え方が変わっていきます。
我儘に生きて人情味が溢れていた姑だったと思うのでした。
その後無事に部屋の片づけを終えて、部屋の鍵を返した望登子。
家には美紀から母の手帳が届いていました。
そして望登子はページをめくり、母らしい文章から母がどんな人だったのか読み取ろうと思うのでした。
姑の遺品整理は、迷惑です を読んだ読書感想
この小説はかなりリアリティがあります。
だからこそ自分が両親たちの遺品整理をしないといけない時にどうすればいいのかの予行練習をさせてくれている気がしました。
物を無くせば無くすほど、故人のことまで捨ててしまう気がします。
遺品の片付けはとても難しいと思いました。
望登子の考え方が冒頭と変わり、成長しているのが素敵に思える作品でした。
ストーリーの後半で見つけた多喜の日記から、多喜の人情味あふれる人柄が伝わってきました。
また多喜が生きていた時に良くしてもらったという沙菜江や丹野の話から多喜に対してこれまでの考え方が改まります。
ラストシーンの望登子の母が遺した手帳が望登子の元に届くシーンはとても感動しました。
実家に帰省した時には母の私物が全くなく、母の痕跡を少しでも探していた望登子にとっては何よりの宝物だろうと思います。
自分の両親ともいつかはお別れがやってきます。
そんな時に果たして自分は両親の遺した物をうまく整理できるのでしょうか。
ずっと大事にしていきたい気持ちと、でもすべてを活かしきれない自分自身に耐えられるのでしょうか。
両親が亡くなった時に、きちんと両親がどんな人だったのか思い出せるようにしたいです。
今からでもたくさん両親と話しておきたいと思える話でした。
人は死んだときに初めてどんな人だったのか分かる気がしました。
多喜のように死んだ後も慕われるような人になりたいと思えました。
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