映画「オオカミ狩り」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|キム・ホンソン

映画「オオカミ狩り」

監督:キム・ホンソン 2023年4月にクロックワークスから配給

オオカミ狩りの主要登場人物

パク・ジョンドゥ(ソ・イングク)
第一級殺人罪などで国際手配された極悪非道な犯罪者。全身刺青で覆われており、フロンティア・タイタン号の中で虎視眈々と脱走を企てている。

イ・ドイル(チャン・ドンユン)
特殊暴行17件で赤手配されている男。凶悪犯とは思えないほど落ち着いている。

イ・ソグ(パク・ホサン)
犯罪者護送計画を現場で指揮する刑事班長。犯罪者たちの暴動を許してしまい、命を懸けて事態を鎮静化させようと奮闘する。

オ・デウン(ソン・ドンイル)
海洋特殊救助団のチーム長。  

怪人アルファ(チェ・グイファ)
フロンティア・タイタン号の底で眠る、謎の男。突如目を覚まし、目に入る者を手当たり次第に惨殺する。

オオカミ狩り の簡単なあらすじ

容赦ない暴力描写と想像を裏切る展開で見る者を圧倒する、韓国製サバイバルアクション作品。

韓国人犯罪者集団をフィリピンから韓国へ運ぶ中で起きた、壮絶な抗争を描いています。

船に乗せられていたジョンドゥら凶悪な犯罪者たちは、刑事として紛れ込んだ仲間とともに反乱を起こし、船内を血の海へと変えてしまいます。

しかしその流された血は目覚めさせてはいけないモノまで目覚めさせてしまい、船内は阿鼻叫喚の地獄へと化していくのでした。

オオカミ狩り の起承転結

【起】オオカミ狩り のあらすじ①

オオカミ狩り、始動

2017年韓国。

フィリピンで逮捕された犯罪者たちが航空機で送還されたその日、空港に殺到した報道陣や野次馬の中にいた犯罪被害者遺族の手によって爆発事件が起こります。

それを教訓として、2022年の犯罪者護送は貨物船によって行われることになりました。

海の上で逃げ場はないとはいえ、相手は凶悪犯罪者47人。

ベテラン刑事20名に医師、看護師らが同乗し、海洋監視システムも置かれて万全の対策の上、“オオカミ狩り”は始まりました。

フロンティア・タイタン号へと乗せられる犯罪者たちの中でも特に異彩を放っている、全身刺青の男、パク・ジョンドゥは第一級殺人罪などで国際手配されていた凶悪犯です。

刑事班長のイ・ソグが声を掛けますが、いまだ挑発的な態度を取り、ソグに殴られてしまいました。

凶悪犯が全て乗船し、船は韓国へと向かって出航しました。

決して快適とは言えない居室で、凶悪犯たちはみな手錠をはめられたまま大人しく過ごしています。

そんな中、同乗している医師の男が、持ち込んだ医薬品を紙袋に入れ、周囲の目を盗むように船の底部へと向かいます。

そこには謎の男たちがおり、その中に管に繋がれて横たわっている大男がいました。

体からは蛆がわき、目は縫われているようで、見た目はどう見ても生きているようには見えません。

医師はそこにいたギャングの男に脅されているのか、震える手でその男に注射をして、その場を後にします。

ある程度緊張もとれ、監視の刑事たちにも余裕が生まれていました。

しかし乗組員の中で不穏な動きをするものがいました。

それは船員のふりをしたジョンドゥの一味であり、ジョンドゥは護送船を乗っ取って逃亡することを画策していたのです。

【承】オオカミ狩り のあらすじ②

逃げ場のない地獄

大人しくしていたジョンドゥが口から針金を出し、自分の手錠をはずします。

それを同室の男にも手渡し、ジョンドゥら犯罪者は少しずつ自由になっていきました。

そしてついに暴動は起こり、刑事たちは次々と無残に殺されていきます。

元が凶悪な殺人犯たちだからか、その暴力には容赦がありません。

ジョンドゥも刑事たちを嘲笑うかのように、笑みを浮かべながら胸にゆっくりとナイフを突き刺し、その死体に小便をかける有様です。

犯罪者らは操舵室を制圧し、船の通信機器を破壊。

本国の管制室との通信を遮断しました。

そんな中、手錠をはずしてもらったものの、1人浮かない顔をしている犯罪者がいました。

名前はイ・ドイル。

特殊暴行17件で赤手配されているとは思えないほど、大人しく聡明そうな男でした。

ドイルはこのまま韓国に向かうべきだと主張しますが、ジョンドゥたちはそれを無視し、さらに暴動は激化していきます。

船内は阿鼻叫喚のまさに地獄と化し、至る所が血の海になっていました。

イ・ソグら生き残った刑事たちはなんとかジョンドゥたちの暴走を食い止めようとしますが、刑事たちの死体が山積みになっていくばかりです。

韓国本土とも連絡が取れず、事態は悪化の一途をたどります。

そんな中、船で流された血液が、底で眠っている大男の顔へと滴り落ちました。

それが刺激になったのかは定かではありませんが、とうとうその大男、怪人アルファが目を覚ましてしまいます。

【転】オオカミ狩り のあらすじ③

目覚めさせてはいけないもの

アルファは歩くたびに重い金属音のような足音を出し、船内を徘徊していきます。

そして刑事であろうが犯罪者であろうが、目に入る者は全てひねりつぶすかのように殺していきます。

ジョンドゥも銃を持ってアルファに立ち向かいますが、あっさりと頭をハンマーで潰されて殺されてしまいました。

生き残ったドイルとソグら数人の刑事たちはなんとかアルファから逃げ切ることに成功します。

そこに医師が現れ、共に行動をとることになりました。

その後もアルファは船内を徘徊しながら、残っている囚人たちを次々に惨殺していき、再びドイルたちの前に現れます。

アルファは地下でアルファを監視していたギャングたちを殺していきますが、なぜかドイルを襲うことはなく、その場を去って行きます。

ドイルたちがその場にあった資料を確認すると、アルファは1911年の日本の植民地時代に捕虜となり、日本兵の人体実験によって作り上げられた不老の怪人だったことがわかりました。

オオカミのDNAがくわえられており、血と音に敏感に反応し、その身体能力は人間の5倍もあるというのです。

すでに人間の心はなく、無秩序な暴力行為を抑えるために、薬によって眠らされていたのでした。

その頃、韓国の海上交通管制センターにいる海洋特殊救助団のチーム長、オ・デウンは、フロンティア・タイタン号と連絡が取れなくなったことに気づいていました。

実はデウンはある製薬会社の人間で、そこのCEOから、船にいるアルファの回収を命じられていたのです。

この製薬会社によって密かに研究は続いており、今現在も犯罪者などを対象に実験が行われているようでした。

【結】オオカミ狩り のあらすじ④

ドイルの過去

デウンは早速アルファ回収へと向かいました。

船上に現れたヘリコプターに、生き残った囚人らは救助が来たと喜びますが、デウンや傭兵部隊の目は青く光り、集まった女刑事や囚人たちを次々と殺していきます。

デウンもまたアルファと同じ怪人だったのです。

当然アルファと同程度の殺戮能力があり、凶悪な犯罪者たちも歯が立ちませんでした。

その様子を見ていたドイルは、デウンに立ち向かっていきます。

その胸にはアルファやデウンと同じ刻印がありました。

実は製薬会社は実験で失敗して死んだ実験体を廃棄していましたが、その中で蘇った一体がドイルだったのです。

目を覚ましたドイルはそのまま逃亡しましたが、企業に殺された妻と息子の復讐のため、アルファのいるこの船に乗り込んでいたのでした。

しかしデウンの強さはアルファ以上でした。

あのアルファが殺されてしまい、デウンはドイルと対峙します。

しかしドイルも怯むことはありません。

2人は死闘を繰り広げ、ドイルはデウンに致命傷を負わせます。

そしてそのまま2人揃って海へと落ちて行きました。

—製薬会社のCEOがフィリピンの地下牢を歩いています。

そしてある牢屋の前で立ち止まり、中にいる子供を見て微笑みます。

そこにいた子供、ドイルの息子の目もまた、青く光っていました。

—浜辺に流れ着いたドイルは、CEOへの復讐のため、収容所へ向かって一人歩き出します。

オオカミ狩り を観た感想

見渡す限り血、血、血…ここまでの残虐描写のオンパレード映画もなかなかないだろうと、ただただ圧倒される、苦手な人は絶対に鑑賞注意の作品です。

グロさはさておき、スピード感あふれる展開で、あっという間にエンディングまでたどり着いた印象です。

前半はジョンドゥたち犯罪者VS刑事の血まみれの闘いが繰り広げられ、韓国映画容赦ないなぁと感心してしまいました。

そしてアルファが目覚めてからはテイストがガラッと変わり、まさかのモンスター映画の様相を呈していきます。

生き残りフラグが立っていたあの人もこの人もどんどん死んでいき、観てるこっちも混乱していく有様。

圧倒されたまま終わってしまいました。

かなり観る人を選ぶ作品ではありますが、ハードボイルドものが好きな人、グロ系大丈夫なアクション映画好きな人には、ぜひ一度挑戦していただきたい作品です。

ジョンドゥを演じたソ・イングクさんの目力と演技は一見の価値あり!

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