監督:宮崎五朗 2021年8月に東宝から配給
アーヤと魔女の主要登場人物
アーヤ(平澤宏々路)
孤児院で育った少女。人の言いなりになる事を嫌う。
ベラ・ヤーガ(寺島しのぶ)
アーヤを引き取り、召使のようにこき使う意地悪な魔女。
マンドレーク(豊川悦司)
ベラ・ヤーガと同居している長身の小説家。怒るととても怖い。
トーマス(濱田岳)
ベラ・ヤーガが使役する猫。人間と話す事ができる。
アーヤと魔女 の簡単なあらすじ
孤児院で育ったアーヤは、ある日妙な男女に引き取られます。
魔女の手伝いをする事になったアーヤは、交換条件として魔法を教えて貰う事になりました。
しかし一向に魔法は教われずこき使われます。
「わたしはダレの言いなりにもならない」と、アーヤはトーマスと手を組みベラ・ヤーガに反抗します。
激怒したベラ・ヤーガはアーヤにミミズの罰を与えますが、アーヤはミミズをマンドレークの元に送ります。
マンドレークは憤怒し、ベラ・ヤーガにアーヤに魔法を教える様言いました。
その後和解した三人は、まるで家族の様に暮らします。
そこにアーヤの母親で、ベラ・ヤーガとマンドレークと旧知の仲の魔女がやって来るのでした。
アーヤと魔女 の起承転結
【起】アーヤと魔女 のあらすじ①
アヤツルは赤ん坊の頃に、赤い髪の魔女の母親に孤児院の前に置き去りにされました。
母親は仲間の魔女から逃げていて、逃げ切れたら迎えに来るとアヤツルに約束します。
アヤツルを孤児院に迎えた園長は、この名前では人を操る様だからとアーヤ・ツールと名付けました。
時が経ち、10歳になったアーヤは孤児院の人達を意のままに操る生活をしていました。
とても愛想が良く人懐っこいアーヤに、皆骨抜きにされているのです。
現状に満足していたアーヤの元に、横柄な態度の肥満女性と背が高く怖そうな男がやって来ます。
孤児院に来た二人は子供たちを品定めし、これで良いとアーヤを選びました。
居心地の良い孤児院を離れたくなくて抵抗するアーヤでしたが、引き取られる事が決まってしまいます。
二人の暮らす家に連れて行かれたアーヤでしたが、実は養子として貰われたのではなく、魔女の手伝いをするために連れて来られたと知らされます。
魔法を教えてくれるならとアーヤは快諾します。
魔女のベラ・ヤーガを手伝いながら魔法についてアーヤは質問しますが、答えては貰えず次々と働かされます。
【承】アーヤと魔女 のあらすじ②
夜にこっそり家の中を物色するアーヤは、不愛想な男マンドレークが小説家だという事を知りました。
ラジカセとレコードを発見して拝借したアーヤは、母親が残していったカセットテープをラジカセで聞こうとします。
気に入らなければ出て行こうとしていたアーヤでしたが、玄関の扉がなくなっている事に気づきした。
窓も開かず、アーヤは自分が閉じ込められた事を知ります。
怒鳴り声と共にアーヤを起こしたベラ・ヤーガは、いずれは家事もアーヤに押し付け様としています。
にこやかに承諾してベラ・ヤーガの懐に入ろうとしますが、全く効果はありません。
孤児院を思い出してホームシックになるアーヤの元に、ベラ・ヤーガの使い魔の猫トーマスがやって来ます。
トーマスは今まで何度もベラ・ヤーガに罰を与えられおり、辟易としていました。
二人はベラ・ヤーガから身を守るため、協力して魔法を防御する薬を作ります。
翌日も、アーヤはベラ・ヤーガに追い立てられながら仕事を手伝います。
どれだけ頑張って働いても、ベラ・ヤーガはアーヤの粗を見つけては責め立てます。
【転】アーヤと魔女 のあらすじ③
魔法を教える気はないと、約束を破ったベラ・ヤーガにアーヤは反抗します。
防御の魔法薬を塗っているので強気のアーヤは、ベラ・ヤーガを問い詰めます。
怒ったベラ・ヤーガが手を上げ、魔法の攻撃ではなかったので防げず叩かれてしまいます。
堪忍袋の緒が切れたアーヤは、身を守る魔法が効いている内にベラ・ヤーガに反撃する事を決心します。
ベラ・ヤーガ出かけている隙に、アーヤは魔女によく似た人形を作製します。
手が足りないと口癖の様に言うベラ・ヤーガへの腹いせに、実際に何本も手を付けてやろうとします。
音楽を聴きながらベラ・ヤーガへ反抗を企てるアーヤの元に、マンドレークがやって来ます。
お菓子を差し入れてくれたマンドレークに、ここぞとばかりに彼の小説を褒めて関係を深めます。
魔法を完成させる事ができるベラ・ヤーガの髪手に入れたアーヤは、虎視眈々と反撃の機会を伺います。
ベラ・ヤーガに朝食作りを強要されたアーヤは、見事に失敗してしまいます。
マンドレークは、ちゃんと教えなかったとベラ・ヤーガを叱ります。
どうやらマンドレークには、アーヤのよいしょ作戦の効果が出ている様です。
【結】アーヤと魔女 のあらすじ④
アーヤはついに魔法を発動させます。
ベラ・ヤーガのおでことお尻に手が生え、その手はベラ・ヤーガをつねったりして攻撃します。
激怒したベラ・ヤーガが魔法を使い、程なくしてアーヤの元にミミズが降ってきます。
しかし防御の魔法の効果でアーヤには近づいて来ません。
このままでは防御の魔法がバレると思ったアーヤは、ミミズをマンドレークの元に移動させます。
激しく憤ったマンドレークは魔物に変身し、ベラ・ヤーガとアーヤに襲い掛かろうとします。
アーヤはベラ・ヤーガにマンドレークを押し付けて一人逃げます。
逃げた先はマンドレークの部屋でした。
そこでレコードの写真を目にして、アーヤが聞いていた歌はマンドレークとベラ・ヤーガと赤い髪の女性が、かつてバンドを組んでいた時の曲だと知ります。
気づくとマンドレークがアーヤの後ろに立っていて、アーヤはすかさずミミズの件は故意ではなかったと誤魔化します。
マンドレークは、アーヤに魔法を教えるようベラ・ヤーガに言ってくれました。
過去に思いを馳せるマンドレークは、赤い髪の女性は魔女の掟に逆らい去っていった事を話します。
アーヤは学校に行かせて欲しい、孤児院の友達に会いたいと懇願し、マンドレークはそれを聞き入れます。
その後ベラ・ヤーガとバンドの話になり、魔法の技術とドラマーとして腕を褒められて気を良くしたベラ・ヤーガと和解しました。
その後は三人仲良くお出かけしたり、まるで本当の家族の様になりました。
二人を操る事に成功し、マンドレークはアーヤちゃんと呼びとても可愛がってくれます。
クリスマスの日、アーヤのボーイフレンドのカスタードが三人の住む家の前に立っていました。
カスタードはマンドレークの事が怖くて、呼び鈴を押せずにいました。
そんな少年の後ろに、赤い髪の女性が現れます。
ベルを聞いて扉を開けたアーヤに、女性は孤児院の先生と母親しか知らない本名でアーヤの事を呼び、微笑むのでした。
アーヤと魔女 を観た感想
ジブリには珍しくしたたかな主人公で、ベラ・ヤーガをぎゃふんと言わせるのがとてもスカッとしました。
全てCGで描かれていて、薬品作りの描写がとてもキレイでした。
最期は母親の登場で終わってしまったので、マンドレークとベラ・ヤーガとも再会し、アーヤがバンド仲間の娘だと分かって驚く所が見たかったです。
是非続編を作って欲しいと期待しています。
ベラ・ヤーガに意地悪される場面が続きますが、アーヤが強気でタフなおかげで見ていて辛いという事はありませんでした。
最初から最後まで計算高かったアーヤでしたが、あざとさに厭らしい感じはなく要領のいい子だなあと感じました。
とっさに上手く立ち回れるアーヤの頭の良さは、自分も見習いたい所です。
アーヤの賢さだと大抵の環境で生きていけると思います。
人を操るのは、アーヤの才能なのか無意識に魔法を使っているのか気になります。
母親がつけたアヤツルという名前に、魔女の言霊が入っているのかもしれません。
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