映画「パーフェクト・ストーム」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ウォルフガング・ペーターゼン

映画「パーフェクト・ストーム」

監督:ウォルフガング・ペーターゼン 2000年7月にワーナー・ブラザースから配給

パーフェクト・ストームの主要登場人物

ビリー・タイン(ジョージ・クルーニー)
メカジキ漁船アンドレア・ゲイル号の船長。最近の不漁に悩んでいる。

ボビー・シャットフォード(マーク・ウォルバーグ)
ゲイル号の船員。まだ若く、恋人のクリスとはかなりラブラブ。

デイル・マーフィー(ジョン・C・ライリー)
通称マーフ。ゲイル号の船員。バツイチで息子とは定期的に会っている。サリーとの仲は最悪。

マイク・モラン(ジョン・ホークス)
愛称バグジー。ゲイル号の船員で、女性にモテない。  

デヴィッド・サリヴァン(ウィリアム・フィクトナー)
通称サリー。ゲイル号の船員で、かなりケンカっ早い。マーフとは犬猿の仲。

パーフェクト・ストーム の簡単なあらすじ

実話をもとに書かれたノンフィクション小説を映画化した本作は、暴風雨に見舞われる海に消えた、ある漁船を巡る人々の姿を描いています。

大漁を求めて漁に出たメカジキ漁船アンドレア・ゲイル号は、史上最悪ともいわれる大嵐に飲まれてしまいました。

船員たちは必死で舵を取りながらなんとか船を立て直そうとしますが、大波が容赦なく襲いかかります。

沿岸警備隊も救助に向かいますが、その捜索、救助は想像を絶するものとなるのでした。

パーフェクト・ストーム の起承転結

【起】パーフェクト・ストーム のあらすじ①

束の間の再会

1991年9月。

アメリカ・マサチューセッツ州グロースターの漁港には、カジキ漁を終えた船団が続々と帰還していました。

漁の間会えなかった家族はその帰りを喜び、あちらこちらで再会の抱擁が見られます。

アンドレア・ゲイル号の若い船員ボビーも、恋人クリスとの再会を喜びます。

ゲイル号の船長ビリーは、最近の不漁にあえいでいました。

別の船の女性船長リンダは今回かなりの捕獲量をあげていて、ビリーは漁港の代表者であるトッドから苦言を呈されます。

ボビーもまた大した稼ぎにならなかったことに不満を抱えていました。

このような状況を打破したいビリーは、すぐにまた漁に出ることを決意します。

他の船員、マーフやバグジー、サリーらにも声をかけますが、みな帰ったばかりなのにと不満げでした。

海の男たちで賑わう酒場では、ゲイル号の船員のアルフレッドが女性にモテモテです。

一方のバグジーは女性に声をかけてはフラれ続けていました。

しかし1人のふくよかな女性に声をかけたところ、好感触を得ます。

外ではマーフが、元妻が連れてきた幼い息子との再会を楽しみました。

翌日、ゲイル号の船員たちが集まり、漁への準備が始まりました。

用意をするビリーの元へ優秀な船長のリンダが現れました。

リンダは一緒に暮らさないかとビリーに持ち掛けますが、ビリーは遠くにいる別れた妻と子供のことも考えながら、現状維持を望みます。

リンダとはこのまま、良いライバルとしての関係でいたいのです。

再びボビーと離れるのが嫌なクリスは、ボビーに漁に行かないでほしいと懇願しました。

漁には危険が伴い、先日の漁でも犠牲者が出ていることから、安全に帰って来れるか不安でもあったのです。

ボビーはクリスをなぐさめますが、漁に出るという気持ちは変えられませんでした。

また、漁に出て大金を得るのは、これからの2人の新生活のためにも必要だったのです。

【承】パーフェクト・ストーム のあらすじ②

カジキが釣れない

出航するゲイル号を見送るために船員の家族や恋人たちが港に集まりました。

その中にはバグジーが酒場で声をかけた女性・アイリーンの姿もあり、ボビーはとても喜びました。

海に出たゲイル号でしたが、いつもの漁場グランドバンクスでは最初こそは当たりが良かったものの、徐々に魚がかからなくなります。

群れを察知する船長としてのビリーの読みが当たりません。

船員たちはビリーの衰えを感じ、不満を募らせます。

そんな中元々折り合いが悪かったマーフとサリーがケンカを始め、船内はさらに暗い雰囲気が漂うようになります。

皆を代表してボビーがビリーに話をしに行きますが、ビリーは「必ず穴場を見つける。

黙ってみてろ」と言うのみでした。

その夜、仕掛けの準備をしていたマーフの手に針が引っかかってしまい、ひきずられて海に落ちてしまいます。

マーフの姿がないことに気づいて、一番に海に飛び込んだのはサリーでした。

ボビーも後に続きます。

マーフは自力で水面に上がることができず意識を失いましたが、追いついたサリーとボビーのおかげで無事船上で意識を取り戻しました。

翌日、サリーが真っ先に飛び込んだと聞いたマーフは、少し照れくさそうにサリーに礼を言います。

サリーもはにかみながら「当然のことをしただけだ」と答えるのでした。

この時、この付近の海域には大きな嵐が接近していました。

その影響を受け始めていた違う船のリンダは、ビリーを心配して注意するようビリーに無線を入れます。

その後もゲイル号には当たりが来ず、狂暴なサメが釣れたり大波が襲ってきたりと散々です。

船員たちの苛々も限界に達し、ビリーと話し合いが持たれました。

ビリーはここからもっと東へ向かうと皆に告げます。

【転】パーフェクト・ストーム のあらすじ③

近づく嵐

ビリーが向かおうとしているフレミッシュ・キャップは、魚の宝庫と呼ばれているものの、天候が不安定で難所とも言われている場所でした。

「手ぶらで帰るか、行くか」と、とにかく大漁にこだわるビリーは、船員たちに問いかけます。

船員たちも了承し、船はフレミッシュ・キャップへと向かいました。

フレミッシュ・キャップでは面白いぐらいにカジキが獲れ、船底にどんどんカジキが溜まっていきます。

船員たちは上機嫌でした。

しかしここでアクシデントが起きてしまいます。

魚の鮮度を保つための氷を作る製氷機が壊れてしまったのです。

このままでは漁は続けられません。

今すぐ引き返せばなんとかなるかもしれませんが、その途中には大きな嵐が立ち塞がっています。

このまま嵐を避けてここにとどまるか、港に戻るか、船員たちは苦渋の決断を迫られました。

そしてこの大漁を無駄にはできないと、港に引き返すことを決めたのです。

その頃、嵐にハリケーンが接近し「、パーフェクトストーム」と呼ばれるとても稀な大嵐が発生しつつありました。

それを知ったリンダがそこにとどまるようビリーに無線を入れますが、ゲイル号ではアンテナが途切れていて届きません。

その後も嵐はどんどん激しくなり、大波が容赦なくゲイル号に襲いかかります。

留め金が外れたクレーンを押さえたり、操舵室の窓を塞ごうとしたり、船員たちは大揺れの船の上で必死で対応していました。

そして船はなんとか嵐を抜け、晴れ間が広がる海に出ました。

ほっとしたのも束の間、さらなる大嵐が目の前に出現します。

それは今までとは比べ物にならないくらいに強力で、港に戻るのはさすがに無理だとビリーは判断しました。

そしてボビーと力を合わせて、船を方向転換させます。

【結】パーフェクト・ストーム のあらすじ④

波にのまれるゲイル号

ヨットで海に出ていた家族が、沿岸警備隊に救助されました。

連絡が取れないゲイル号を心配したリンダは、沿岸警備隊にゲイル号の救助を要請します。

ヨットの家族を救助したヘリは家族を船に下ろし、続けてゲイル号の捜索へと向かいました。

しかしヘリの残り燃料がわずかとなり、嵐の中での空中給油も失敗となったことで、ヘリの乗務員は荒れ狂う海への不時着を覚悟します。

そして乗務員たちは海へと飛び込み、警備隊の船に救助されました。

港のボビーの母親の酒場には、連絡がつかないゲイル号を心配してクリスやアイリーン、マーフの元妻らが集まっていました。

そこに代表のトッドがやって来て、救助に出たヘリの不時着をみんなに伝えます。

それはゲイル号の生還が絶望的であることを意味していました。

クリスはやり場のない怒りをトッドにぶつけます。

嵐と闘うゲイル号の前に、巨大な大波が迫っていました。

直撃を受け船は転覆し、船員たちは船の中に閉じ込められてしまいます。

ビリーとボビーは操舵室にいましたが、ビリーは中に残り、ボビーが先に脱出しました。

しかし外に出れてもそこは荒波の水中です。

ボビーは必死で泳いで海面に出ますが、もはや助かることは不可能だとわかっていました。

「別れは言わない。

愛してるよ」クリスに向かって心の中でそうつぶやいたボビーは、そのまま波にのまれていきました。

嵐が去って一週間。

ゲイル号の捜索は打ち切られ、教会では船員の合同葬儀が行われていました。

リンダは「みんな勇敢でした」と涙を流します。

葬儀の後、クリスはボビーの母親と一緒に海を見つめていました。

母親の手を取りながら、夢に出てくるというボビーの話をします。

「『別れは言わない。

愛してるよ』ってあたしに微笑むのよ」と。

パーフェクト・ストーム を観た感想

巨大な嵐が合体してできた「パーフェクトストーム」が、迫力あるCG映像で見事に描かれていて、見てるこちらも大揺れの船の上にいるような臨場感を味わえます。

その映像だけでなく、熱い男たちの友情にも心を動かされます。

食べていくために、生きていくために、まさに命を張って戦った男たちは、みんなとても素敵でした。

これは実話を基にしているとのことですが、きっと同じようなドラマが繰り広げられたのでしょう。

誰か一人くらい生き残ってほしかったとも思いつつ、同じ船に乗る仲間たちは運命共同体ということなのかなと、考えてしまいました。

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