監督:細川徹 2019年10月に東急レクリエーションから配給
ヒキタさん!ご懐妊ですよの主要登場人物
ヒキタクニオ(松重豊)
本作の主人公。49歳小説家。
ヒキタサチ(北川景子)
ヒキタの年の離れた妻。子どもは要らないと思っていたけれど、突然ヒキタとの子どもの顔が見たいと思い立つ。
杉浦(濱田岳)
ヒキタの担当。妻の他にも浮気相手まで妊娠させヒキタから受精大臣と呼ばれる。
桑島医師(山中崇)
ヒキタの不妊治療をしてくれる医師。
ヒキタさん!ご懐妊ですよ の簡単なあらすじ
子どもが居なくて共働きのヒキタ夫妻。
妻・サチが言ったヒキタさんの子どもの顔が見たいという一言から不妊治療を開始しました。
検査をしたところ、サチには異常がなく、ヒキタの精子の運動量が少ないのが原因だとわかります。
それに納得いかないヒキタは、セカンドオピニオンをしますが、精子の運動量は変わりませんでした。
しかし、新しい産婦人科は精子の運動量を挙げるためにアドバイスをくれて、ヒキタの精子の運動量は少しづつ上がって行きます。
それにより、人工授精で妊娠したサチですが…。
ヒキタさん!ご懐妊ですよ の起承転結
【起】ヒキタさん!ご懐妊ですよ のあらすじ①
歳の離れた夫婦のヒキタとサチ。
ヒキタは小説家ですが、締め切りギリギリまでのらりくらりとし、いつもサチに発破をかけられていました。
サチと同じ会社で働いていたマコは、子どもは要らないと言っていたのに「子どもって面白いよ。」
と仕事復帰をせず、さらにサチに子どもを産む選択を勧めてきます。
ある日、サチから「ヒキタさんの子どもの顔が見たい。」
と言われヒキタは子どもは要らないという考えを改めました。
サチの父親に考えが変わったことを話に行きますが、子どものことに関して無視され、さらにヒキタの小説をテーブルの足場にしていたことにヒキタは怒りを覚えます。
サチは、妊娠しやすいタイミングを勝負デーと呼び、ヒキタに早く帰ってくるよう促します。
そのため、ヒキタは編集の誘いを断り家に帰り、時にケンカをしながら、ヒキタとサチは妊活を続けました。
タイミング法は、1年の内に10組の夫婦のうち8組は妊娠する確率でしたが、サチは妊娠せずに一年が過ぎて行きました。
【承】ヒキタさん!ご懐妊ですよ のあらすじ②
様々な人に聞いた妊娠する方法は、妊婦さんが握ったおにぎりを食べると妊娠するなど都市伝説的なものばかりでした。
ヒキタはサチに自分は問題なかったから検査してきてと言われて、精子を入れる容器を渡されます。
小さな容器に入るのか疑問を持つヒキタは、サチに手伝ってもらう約束をしましたが、疲れているサチは先に寝てしまうのでした。
一人で産婦人科にやってきたヒキタは、受付で精子を渡しますが、受付の人が何となく汚いものを扱うように触っているように感じてしまいます。
そして、検査結果は精子が20%しか活動していないということでした。
49歳だけれどジムにも通っているヒキタは、検査結果に納得できず、セカンドオピニオンを受けることにします。
新しい医師は男性で、前の産婦人科の女医よりも丁寧な説明で精子の取り扱いを教えてくれます。
ヒキタは、精子は人肌の体温を保つのがいいと聞き、サチのブラジャーを身に着けてそこに精子を入れる容器を忍ばせて産婦人科に行くのでした。
結局、ヒキタの精子は20%しか活動していないことがわかり、人工受精を勧められます。
ヒキタは、人工授精と聞くと試験管ベビーを連想してしまいますが、医師の話によると動いている精子を選定し、卵子に入れるというものだとわかります。
産婦人科で、妊娠に成功した歳の差夫婦と6年も不妊治療し気落ちしている夫に出会い、ヒキタは、絶対に人工授精を成功させようと意気込みました。
【転】ヒキタさん!ご懐妊ですよ のあらすじ③
ヒキタは、担当・杉浦の妻が3人目を妊娠した話を聞いて恨めしく思いながら帰宅します。
すると人工授精をすると聞いたサチの両親が家に来ていて、「試験管ベビーは考え直せ」といい、ヒキタは義父を「無知」だと罵りますが、考え直せという父にサチは頷いてしまうのでした。
そんなことがあった後ヒキタは、「たった一匹」の精子だと気合いを入れ直し、自分のやれることだけやろうと頑張り始めるのでした。
サチには短期決戦でと発破をかけます。
しかし、サチに生理が来てしまい1回目の人工授精は失敗。
男のヒキタに出来ることは、金玉を冷やしたり、禁酒したり、さらには、都市伝説だと思っていた桃の缶詰を食べたり、ざくろの写真を貼ったり、妊婦の握ったおにぎりを食べたりとすることでした。
その甲斐もありヒキタの精子の運動量は70%までアップしました。
その精子で人工授精したあと、サチの生理は来なくなり病院で妊娠したということが判明し、夫婦で大喜びするのでした。
今までのうっぷんを晴らすように、部屋にはっていた目標やザクロの写真などを破り捨て大喜びするヒキタです。
しかし、その後あっけなくサチのお腹の子の心臓は止まってしまうのでした。
【結】ヒキタさん!ご懐妊ですよ のあらすじ④
涙するヒキタとは逆に気丈に振る舞うサチでしたが、ある日ヒキタが家に帰るとサチの姿がありません。
慌てて探すヒキタでしたが、サチは桜並木をボーっと歩いていました。
ヒキタに呼び止められたサチは泣き崩れるのでした。
産婦人科医は次の治療に移った方がいいと顕微受精を勧めます。
しかし、顕微受精は費用が高くて1回40万円かかるのでした。
ある日ヒキタは、次の日が人工受精の日だというのに酔っぱらって帰り寝坊します。
そんなヒキタにサチはキレ、ついケンカになってしまうのでした。
顕微受精をすると聞きつけたサチの両親が家にきて、サチには問題が無いのだから年相応の人とやり直せばいいと言いますが、サチはヒキタが好きだからヒキタの子どもが欲しいというのでした。
けれど、結局サチばかり大変な思いをすることに自分を責めるヒキタです。
しかし、諦めたくないヒキタでしたが1回目の顕微受精に失敗し、サチが辞めたかったら辞めてもいいと思い始めます。
ある日、サチの父だけが訪ねてきます。
サチの父はヒキタのことは嫌いだし、嫌々だけどといいながら、通帳を置いていってくれました。
ヒキタは、利子をつけて返すと今まで以上に仕事に打ち込みます。
そうしているうちに2回目の顕微受精をし、成功するのでした。
不妊治療を開始してから3年目の春でした。
けれど、安定期を迎えようとする頃、赤ちゃんのエコー写真で頭に空洞があることが判明します。
これは、染色体異常かもしれないと言われてしまい、泣きじゃくるサチ。
ですが、次の検診で異常はなくなり、ヒキタとサチは桜並木で抱き合い喜ぶのでした。
ヒキタさん!ご懐妊ですよ を観た感想
原作のヒキタは、45歳だけれど映画では松重豊さん演じるヒキタは、49歳でした。
タイトルがネタバレになっているので安心してみれますが、デリケートな問題を取り扱った作品。
けれど、ヒキタ夫妻はサバサバしていて、コメディタッチな作風です。
音楽もオシャレでライフスタイル系の映画のようでした。
一番グッときたのは、いつもそばで寄り添ってくれていた杉浦が、ヒキタより先にご懐妊の報告後泣いてしまうところです。
ヒキタの妊活を程よい距離感で応援してきた受精大臣杉浦は浮気ものだけどいい奴でした。
映画はハッピーエンドでしたが、結局子どもが生まれたのかどうかまで描かれていません。
気になってしまい原作者のインタビューを読んだところ、その後長女が誕生したと書いてありホッと一安心しました。
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