映画「バッドジーニアス 危険な天才たち」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ナタウット・プーンピリヤ

映画「バッドジーニアス 危険な天才たち」

監督:ナタウット・プーンピリヤ 2017年5月(タイ上映)にGDH 559から配給

バッドジーニアス 危険な天才たちの主要登場人物

チュティモン・ジョンジャルーンスックジン(リン)
本作の主人公。父子家庭の一人娘であり天才的な学業成績を常に収める。

グレース
転校生であるリンに初めて声をかけた少女。リンのことを親友だと思っている。

パット
グレースの彼氏であり富豪の息子。リンにお金を支払う。

バンク
リンと並ぶ高校の奨学生。家は貧しく苦学生である。

バッドジーニアス 危険な天才たち の簡単なあらすじ

幼い頃から秀才なリンという少女がいました。

事情により転校することになり、そこでグレースに出会いました。

グレースにはどうしても良い成績を取る必要があり、リンは彼女を助けるために初めてテストの解答を教えてしまいました。

そのことを知ったグレースの彼氏であるパットはカンニングをビジネスにしないかとリンに提案しました。

そこから始まったカンニングの計画は大規模化し、ついには国際試験にカンニングで合格を目指すというものにまで発展してしまいました。

このカンニングビジネスを通してリンは何を目指していたのでしょうか。

終始ハラハラする物語のスリリングさに目が離せない作品となっています。

バッドジーニアス 危険な天才たち の起承転結

【起】バッドジーニアス 危険な天才たち のあらすじ①

新たな出会い

幼い頃から学業成績が優秀でかつ多くのコンテストにも優勝してきたリンは出身学校から離れて新たな高校に進学することになりました。

リンはそこで無事に奨学生として受け入れられることが決定しました。

その学校で初めて出会ったのはグレースという少女でした。

リンはすぐにグレースと打ち明けることができました。

ある日、グレースは演劇をするために優秀な成績が必要であり、しかしながら勉強ができないという最大の難点があることをリンに話しました。

初め、グレースはリンに対して自分の家庭教師になってくれるよう頼んでいたものの、リンは誤った方法でグレースに成績を取ってもらうことを選んでしまいます。

それがカンニングです。

初めてグレースに解答を渡したテストでは消しゴムに解答を書き込み、それを靴の中に入れてグレースのところまで届けるというやり方でした。

その行為こそがリンとその周りを取り巻くカンニングビジネスの始まりとなってしまったのです。

その後グレースは自分の彼氏であり富豪のパットをリンに紹介しました。

出会ってすぐにパットはリンに対してカンニングでお金を稼がないかと提案をしました。

具体的な内容としては、生徒一人につき3000バーツ渡すというものでした。

リンはあまりの高額な値段を目の前にし、目がくらみそれを承諾してしまいました。

【承】バッドジーニアス 危険な天才たち のあらすじ②

カンニングビジネスの実働

このカンニングビジネスは初め、パットの周りの友達とグレース、リンの間で始まりました。

カンニングの仕方は、A~Dをピアノの鍵盤を弾く動作によって表してテスト中に行うというものでした。

その計画はうまくいき、生徒側は優秀な成績を取る代わりに、リンは多額のお金をもらうようになっていきました。

リンの学校にはもう一人奨学生がいて、名前はバンクという少年でした。

バンクとリンはペアでクイズ番組に参加し、出会いました。

二人は片親家庭でありお金が必要だという共通点を持っていました。

二人は一校に1枠しかないシンガポールへの留学奨学金をめぐってライバル関係になりました。

そんな中でバンクの友人であるトングがある日、バンクに対してお金を払うからテストのカンニングをさせてほしいとのことを申し出ました。

しかし、真面目なバンクはそれを承諾しませんでした。

そんな中学校の試験にて友人トングがリンの解答をカンニングしていることをバンクは見つけてしまいました。

もちろんその試験会場でもリンのカンニングビジネスは行われており、トングはいわゆる顧客側でした。

何も知らなかったバンクはそれを先生に報告してしまいました。

そのことでリンがトングの代わりに問題を解いていたことがバレてしまい、リンは奨学生とシンガポール留学資格を停止されてしまいました。

もちろん父親にもこのことがバレてしまい、リンはこのビジネスから離れることを決断しました。

【転】バッドジーニアス 危険な天才たち のあらすじ③

STICの受験への挑戦

事件から時間はたち、高校三年生になったリンはある日グレースからSTICの受験を手伝ってほしい言われました。

なぜならパットの両親がグレースのおかげでパットの成績が向上したためともにアメリカ大学への進学をしてほしいと頼まれたからです。

初め、リンはその案件を断りましたが、時差を使う方法を思いついてしまいました。

この壮大な計画の内容は、まずリンがオーストラリアまで行き先に試験を受け、トイレのタンク裏に携帯を隠しておき、休憩時間に解答を送信するというものでした。

その計画は30人規模であり、解答は鉛筆のバーコードの太さを使ってA~Dまで表すのと、バーコードの横にある商品番号を使用して問題番号を表すというものでした。

解答はリンが暗記し、それをメッセージ機能でパットとグレースに送信するのです。

しかし、全ての問題を暗記することができないとリンは悟りました。

そこでもう一人の奨学生であるバンクとともにやるべきだいう結論に至りましたが、バンクがこれに協力してくれないだろうと思いました。

しかし、バンクは留学試験の前日にボコボコに殴られ、ゴミ山に連れていかれ病院に搬送され、試験を受けることができなくなったのです。

それを聞いたリンはSTIC受験の話をバンクに持ちかけました。

それに承認したバンクは100万バーツ、リンは200万バーツというお金を手にいれ、計画を実行することに至りました。

当日の想定をしながら練習を重ねました。

そして、リンとバンクの渡航当日事件は起こってしまいました。

なんとバンクの留学試験前日の事件はバットが意図的に仕組んだものだったのです。

そのことに怒り狂ったバンクは出ていってしまいました。

もちろんパットが仕組んでいたことをリンは知るはずもなく、起こったリンはこの事業から手をひこうとしましたが、バンクの「自分で始めたことに責任を持て」という言葉を聞き、受験することを決断しました。

【結】バッドジーニアス 危険な天才たち のあらすじ④

STICとそれぞれに待ち受ける末路

試験当日を迎えた二人は予定通りトイレのタンクにスマホを隠しました。

そして迎えた試験の休憩時間でなんとバンクが、追加で100万バーツを払ってくれないと解答を送らないと言い始めたのです。

リンの柔軟な対応によりなんとかその場は落ち着きましたがまたしても次の休憩時間に事件は起こってしまいます。

バンクはあまりにも長い時間個室を使っていると他の受験生に試験監督に訴えられてしまうのです。

そこでバンクは取り調べを受けることになり、リンはたった一人で問題の答えを暗記しタイにいる二人に送るという使命を果たさなければいけなくなりました。

なんとか暗記に成功し、体調不良を名乗って退室したところ、ちょうどバンクの携帯所持が幹部に知られてしまいリンは追われる身となってしまいました。

その後結局リンは試験会場まで行き取り調べをうけることになり試験の無効が受け渡され、バンクは受験資格を完全に失ってしまい、かつ大使館からの命により学校も退学を余儀なくされてしまいました。

リンはこの一連の自分がやってきたことを振り返り更生することを心に決めました。

しかし何もかもがめちゃくちゃになったバンクは再びリンに壮大な金儲けをしないかと提案してきました。

断ったリンは、STICの主犯者だということをバラすと脅されましたがそれでも自分の信念を曲げず、自らSTICに関する一連の事件についてのインタビューで解答をするシーンで映画は幕を閉じます。

バッドジーニアス 危険な天才たち を観た感想

この作品は終始スリリングで緊張感を味わえるようなシーンが多く初めてのタイ映画でしたが、とても楽しんでみることができました。

また、作品の背景にある学歴社会や、貧困の差によって生じる心理的な余裕などが見えてとても現実を映し出している作品だと感じました。

改めて、このような問題は日本だけでなく他の世界の地域にもあることを実感させられました。

リンやバンクのように賢くても貧しい家庭の子たちが這い上がりたいという気持ちが描写されていて心に響きました。

また同時に、主人公のリンほどの天才になってしまうと、巧妙に練り込まれた悪事を犯すことができてしまうのだなと恐ろしい気持ちにもなりました。

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