監督:林海象 1997年8月に東宝から配給
CAT’S EYE(1997)の主要登場人物
来生愛(内田有紀)
ヒロイン。大学で工学を学んでいてメカニックに強い。金庫破りのプロ。
来生瞳(稲森いずみ)
愛の下の姉。 変装の達人。
来生泪(藤原紀香)
愛の上の姉。 運動神経に優れ格闘技も得意。
内海俊夫(原田喧太)
瞳の高校時代のクラスメート。連続窃盗事件を追う刑事だが子供の頃の夢は野球選手。
黒田龍太郎(寺尾聰)
愛たちの父。「画伯」の称号を持ち現在の消息は不明。
CAT’S EYE(1997) の簡単なあらすじ
3人組の怪盗キャッツ・アイが絵画のコレクションを盗み出してきたのは、幼い頃に行方不明となった父親・黒田龍太郎を探すためです。
父の正体は紅龍団という中国系の犯罪グループ・紅龍団の首領で、後がまを狙うMISS王からキャッツ・アイにも危機が迫ります。
国際警察や幼なじみの刑事と協力して紅龍団を倒しますが、黒田は娘たちを守るために立ち去るのでした。
CAT’S EYE(1997) の起承転結
【起】CAT’S EYE(1997) のあらすじ①
神奈川県で開催されている近代美術の巨匠展に、「キャッツ・アイ」という署名入りの犯行予告状が送り届けられました。
予告時刻は今夜0時、ターゲットは黒田コレクションと呼ばれている9枚組の絵画の6枚目。
現場で警備の指揮を執るのは港町署の三課に所属する内海俊夫でしたが、日付が変わった途端に美術館は停電して非常用の電源に切り替わる頃には壁に掛けられていた絵はありません。
次に犯人を逮捕できなかった場合は辞職すると上司の前で大見得をきった後で、俊夫が向かう先は行き着けの喫茶店です。
来生家の長女でこのお店を切り盛りしている泪、俊夫とは高校生の頃から付き合っている次女・瞳、学生の三女・愛。
いつものようにコーヒーを飲みながら3人と世間話をする俊夫でしたが、彼女たちの正体がキャッツ・アイだとは夢にも思っていません。
職場に戻った俊夫に、警視庁から派遣された国際警察の浅谷光子が接触してきます。
中国王朝の血を引く国際的な犯罪グループ「紅龍団」がキャッツ・アイの命を狙っていて、近々「黒旗」というコードネームのヒットマンが送り込まれるそうです。
【承】CAT’S EYE(1997) のあらすじ②
いつものように大学の研究室にこもって秘密兵器を開発していた愛に、声をかけてきたのは李と名乗る留学生です。
日本語が苦手な李のために、愛は地元で人気の水族館を案内してあげました。
父親が絵を描いていると聞いて、愛は李に親近感を抱きます。
愛の父親も黒田龍太郎という高名な画家でしたが、彼女が生まれてすぐに何者かに誘拐されていま現在の居どころは分かっていません。
バラバラになった黒田コレクションを集めているのも、行方不明になった父の手掛かりを探すためです。
泪からのアドバイスを受けて、俊夫は久しぶりに瞳をデートへと誘います。
俊夫はキャッツ・アイを捕まえたら結婚しようと力強く宣言しますが、瞳は内心穏やかではありません。
7枚目のクロダコレクションを所有しているのは梅原という資産家で、予告状を受け取った途端に絵の側で日本刀を構えて片時も離れようとしません。
梅原邸の侵入に成功した3人でしたが、すでに梅原は黒旗に殺害された後です。
【転】CAT’S EYE(1997) のあらすじ③
梅原殺害の汚名を着せられたキャッツ・アイを助けてくれたのは浅谷で、彼女は姉妹が20年前に誘拐された黒田龍太郎の娘だということも知っていました。
浅谷によれば横浜に潜伏中の一味が黒田画伯を拘束していて、紅龍団のトップ「皇帝」の肖像画を描かせているそうです。
今すぐにでも父親を救出に行きたいと主張する愛、紅龍団に立ち向かうためには慎重な作戦を練り上げるべきだという泪と瞳。
ふたりの姉に反発した愛がひとりでオートバイに乗って手掛かりを探し回っていると、李が黒田を見たとチャイナタウンの路地裏にある中華料理屋へと案内してくれました。
店内で一瞬だけ黒田の姿を見た愛でしたが、次の瞬間には組織のナンバー2・MISS王のトラップに掛かって捕らわれの身となってしまいます。
アメリカ人の画商に変装した泪はアジトへ突入し愛と合流しますが、娘たちに危害が及ぶのを恐れた黒田はその場に残りました。
キング財団が保有している龍玉という希少な宝石を明日の午前0時にまで盗み出せば黒田を解放すると、MISS王はキャッツ・アイと取引を持ちかけてきます。
【結】CAT’S EYE(1997) のあらすじ④
皇帝の正体は黒田で、その娘である愛・瞳・泪も龍一族の末えいです。
龍玉を手に入れて4人がいなくなれば息子の黒旗が跡目を継ぐことになるために、端からMISS王は約束を守るつもりはありません。
キング財団はアラブの密輸王がバックアップしている反社会的勢力で、ガードマンは全員が現役の軍人です。
苦戦していたキャッツ・アイの一向に、援軍として黒旗が駆け付けてきました。
激しい戦いの最中黒旗が被っていたマスクが落ちて、露になった素顔は李です。
これまでにたくさんの生命を奪ってきたこと、愛と一緒にいる時だけは人間らしく優しくなれたこと。
愛を助けるために李は自らを犠牲にして、我が子の死を目の当たりにしたMISS王も逃走中のヘリコプターから身を投げます。
紅龍団の壊滅に手を貸した愛たちは、浅谷の計らいで罪には問われません。
姉妹はいつの日にか父と一緒に暮らすことを、俊夫はこれからもキャッツ・アイを追い続けることをそれぞれが誓うのでした。
CAT’S EYE(1997) を観た感想
マンガでは三姉妹の衣装と言えばレオタードのイメージが強いですが、実写版ではアメコミヒーローのようなマスクとレザースーツにアレンジされています。
撮影当時は21歳だった内田有紀を筆頭に、豪華な3人の女優さんがセクシーなコスチューム姿と華麗なアクションを披露していました。
幼なじみだと思っていた彼女が宿敵の女泥棒、生き別れになった父親が実は黒幕、キャンパスで見かけた好青年が冷酷な殺し屋。
この映画に登場するほとんどのキャラクターが、昼と夜でふたつの顔を使い分けているのが印象深かったです。
「猫の爪でも竜の目は狙える」という次女・瞳のセリフ通りに、美しき怪盗たちの危険過ぎる挑戦を見守ってあげてください。
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