監督:永井聡 2021年6月に東宝から配給
キャラクターの主要登場人物
山城圭吾(菅田将暉)
本作の主人公。マンガ家志望だったが、のちに自ら目撃した事件をもとに描いたマンガで成功を収める。
両角(Fukase)
冷酷で大胆な天才的な殺人犯。山城が描くマンガのモデル。
川瀬夏美(高畑充希)
同棲中の山城の恋人。のちに結婚する。
清田俊介(小栗旬)
一家惨殺事件の凶悪犯を追う神奈川県警の刑事。両角と山城のマンガの共通点に気付く。
真壁孝太(中村獅童)
清田の上司。
キャラクター の簡単なあらすじ
描いたマンガも評価されず夢をあきらめようとしていた山城圭吾は、ある日殺人事件現場に遭遇し、犯人の男を目撃してしまいます。
そのことを警察には告げず、事件を題材に描いたマンガは大ヒット。
しかしそこから少しづつ山城の周りでは不穏な空気が流れ始め、ついにはその犯人が山城の前に姿を現してしまい、最悪の事態が訪れるのでした。
キャラクター の起承転結
【起】キャラクター のあらすじ①
2018年。
マンガ家を目指す山城圭吾は、徹夜でマンガを完成させました。
早速それを持って出版社へ向かいます。
しかし編集者の大村から「絵はうまいけどキャラがない。」
と突き返されてしまいました。
落胆した山城は彼女・川瀬夏美に結果を報告し、もうマンガを描くことはやめると告げ、バイト先へ向かいました。
山城は本庄というマンガ家のアシスタントの一人として働いていましたが、今日限りで辞める旨を伝えます。
夜になり「誰か、誰が見ても幸せそうな一軒家のスケッチをしてきてくれないか」と本庄が言い出しました。
みな乗り気ではない中、山城は引き受け、出かけていきました。
その後本庄は「あいつは優しすぎるから、サスペンスものの悪人が描けないんだ。
それが致命的な弱点だ」と漏らします。
閑静な住宅街でちょうどいい家を見つけた山城は、必死で外観をスケッチしていきます。
家からは大音量で音楽が流れています。
突然玄関のドアが開き山城は慌てますが、ドアはすぐに閉じられました。
直後、山城を住人と勘違いした隣人から音の苦情を受け、山城は家のインターホンを鳴らします。
しかし何の反応もありません。
仕方なく入った家の中で、山城は衝撃的な光景を目の当たりにしてしまいます。
リビングで住人4人が惨殺され、椅子に縛り付けられているのです。
さらに、包丁を持ったピンクの髪の男が庭にいるのを目撃してしまいます。
神奈川県警捜査一課警部補の真壁孝太と、巡査部長・清田俊介ら警察が到着しました。
凶器は鋭利な刃物のようで、ひきずった跡から遺体は後から椅子にしばりつけられたと判断します。
第一発見者の山城は署で事情聴取を受けます。
人を描いている山城のスケッチブックを見た清田は、「犯人の似顔絵も描けるんじゃない?」と聞きますが、山城は犯人は見ていないと否定。
その様子から清田は怪しいと感じました。
帰宅した山城は何かに取りつかれたように一心不乱に絵を描き始めました。
【承】キャラクター のあらすじ②
捜査が始まり、前科を持つ辺見敦という怪しい男が浮上。
清田たちが話を聞きに行くと辺見は犯行を認め、すぐに逮捕されました。
しかし辺見の供述は「わからない」の一点張り。
清田は納得できずにいましたが、事件は解決しました。
一方、辺見逮捕のニュースを見た山城はつぶやきます。
「違う…」そして目撃した男をモデルにしたキャラクターを作り上げました。
1年後。
ある家族が乗った車が山道を走っていました。
父親が歩いていたピンク髪の男を車に乗せてあげます。
男は「4人家族っていいですね」と話し、マンガを読んでいた息子にも話しかけます。
「そのダガーってキャラ、ぼくに似てない?」母親が不快な表情を見せると男は言いました。
「もしかして、僕のこと気味悪がってます?」数日後、山中に転がる車。
中には家族4人の刺殺体がありました。
原一家殺害事件の発生です。
清田は車の天井部分から包丁を発見。
驚く真壁に清田はあるマンガを差し出しました。
タイトルは「34(さんじゅうし)。」
家族構成から殺害方法、凶器の場所など、今回の事件と全く同じ殺人事件が描かれています。
さらにあの「船越一家殺害事件」までも。
作者は山城圭吾。
山城に会わなければいけないと2人は判断しました。
山城は「34」が大ヒットし超人気マンガ家になっていました。
結婚し高級マンションで妊娠中の夏美と暮らしています。
ある日、家具店でベビーベッドを注文した夏美は、山城と山城の実家に顔を出します。
彼らは温かく迎え入れてくれましたが、山城と母親の間には距離があるようでした。
数日後、清田と真壁は編集者の大村と共に山城のマンションを訪れ、事件のことを伝え心当たりがないか尋ねますが、山城はないと答えます。
さらに犯人・ダガーは自分が作ったキャラで、この先の展開もまだ決めていない、と話します。
清田たちが帰った後、山城は大村に連載を中止すべきか尋ねますが、大村は続けろと答えました。
【転】キャラクター のあらすじ③
飲み屋にいる山城の前に、さも偶然かのように清田が姿を現します。
清田は笑顔で山城の作品を褒め、連絡先を渡してきました。
そして電話に出るため中座します。
そこにピンク髪の男が現れ、山城に話しかけてきました。
その男は完全にあの時の「犯人」でした。
「両角(もろずみ)」と名乗る男は「先生が描いたもの、僕、リアルに再現しときましたから」と言います。
さらに「いいストーリー思いついちゃったんです」と、山城の耳元で何かを囁きます。
そして姿を消しました。
我に返った山城は店の店主に「両角」の絵を描いて見せ、「よく来るのか」と質問しますが、店主は知らず、その絵を欲しがるのでした。
清田が電話を終えて戻るとすでに山城の姿はありませんでした。
帰宅した山城は、両角から聞いた話をすぐさま絵に描いていきます。
捜査には驚きの進展がありました。
原一家殺害事件で見つかった凶器が、解決しているはずの船越一家殺害事件の凶器と同一だと判明。
そしてそれは「34」の最新作にも描かれていました。
警察はすぐに辺見を釈放しました。
数日後、キャンプ中の家族4人が惨殺されるという第三の殺害事件が発生。
やはりマンガにも描かれています。
山城の行方を捜す清田は、あの飲み屋で山城が描いた両角の絵を見せてもらい、2人が接触したことに気付きました。
山城は夏美の妊婦検診に付き合って病院に来ていました。
そこへ両角が姿を現します。
そしてマンガは2人の共作なのだと夏美に話しかけます。
山城は急いでその場を離れました。
そして夏美、清田にすべてを白状したのです。
その後連載は休載されることになりました。
しかしそれを知った両角は三度山城の前に現れ不満をぶつけます。
そして山城が作品の中で殺人を楽しんでいると指摘。
「最終回はしようよ」と言います。
清田は捜査を続ける中で「両角修一」という男にはたどり着きましたがあの男とは別人で、両角を名乗る男の正体がわからず頭を抱えます。
【結】キャラクター のあらすじ④
第2の事件現場を決めた理由を質問した清田に、山城は、以前収集した過去の事件の資料の中に「4人家族こそ幸福の象徴」とする信念を持つある宗教団体が暮らしていたコミュニティがあって、そこをたまたま題材にしたと伝えます。
清田は両角がこの団体出身かもしれないと考え、真壁に電話をかけました。
しかし電話で報告中両角が姿を見せ、不意に横にいた辺見に刺された清田は命を落としてしまいます。
清田の死に責任を感じた山城はこの事件に決着をつけようと、最終回を描くことを決意しました。
最終話はダガーがマンガ家一家を襲うという話です。
山城の家族も協力し、警察が配置されました。
しかし両角から電話があり「先生の家は幸せな4人家族じゃないでしょ」と告げられます。
実は山城の母は父の後妻で、山城とは血のつながりがないのです。
「本物のほうを選んでおいたから」と言って電話は切れました。
山城が慌てて夏美に電話をかけると、お腹の子が実は双子だと明かされます。
ベビーベッドを選んでいる夏美を見て、両角はそれに気づいていたのです。
山城は急いでマンションに向かいますが、エントランスで両角が襲いかかり、そのまま部屋へと引きずられます。
そこで両角は夏美を襲いますが、山城は「まず俺を殺せ」とあおります。
しかしストーリーは守らないといけないと両角は告げ、2人はもみ合いになってしまいました。
山城は包丁を奪い、両角を刺しました。
到着した真壁の説得を無視してとどめを刺そうと包丁を振りかざした時、山城の顔には笑みが…真壁は山城を止めるべく発砲します。
折り重なって倒れる2人の姿はマンガの再現のようでした。
数か月後、両角は裁判にかけられます。
もともとは辺見のファンで、関わるうちに辺見が自分のファンとなったこと、そして何かをやりとげるためにはアシスタントが必要だと語りだしました。
裁判官に名前を聞かれた両角は答えました。
「逆に聞きたいです。
僕は誰なんだ」
キャラクター を観た感想
SEKAI NO OWARIのFukaseさんの演技がとにかく狂気じみていて凄まじいものがありました。
まるで何本も映画に出てきたベテランの俳優のようです。
さらに菅田将暉さん、小栗旬さんという素晴らしいキャストが脇を固めているので、しっかりと濃厚なサスペンスを見せつけられたなと感じます。
とにかくキャスト陣の演技力に圧倒されました。
題材も面白いですし、物語が進むにつれ謎も深まりどんどん盛り上がっていく展開に最後まで全く気が緩みません。
少しグロめではありますが、終始ハラハラドキドキ楽しめる作品でした。
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