監督:ブルース・リー 1975年1月 にコンコルド・プロダクションズ 東洋映画 共同配給 から配給
ドラゴンへの道の主要登場人物
タン・ロン(ブルース・リー)
本作の主人公。カンフーの達人であり弁護士の急病のため代理でローマに来たユーモアある男性。
チェン(ノラ・ミャオ)
弁護士の代理で来たタン・ロンに戸惑いながらも中華料理店を経営する女性で気配りがある女性。
ワン伯父(ウォン・チュンスン)
中華料理店で働く男で神経質な面がある人物。
コルト(チャック・ノリス)
ギャングに雇われタン・ロンと対決する空手のチャンピオン。
ドラゴンへの道 の簡単なあらすじ
ローマで中華料理店を経営する女性に対して立ち退きを要求するギャングに悩んだ女性経営者は解決を香港の弁護士に依頼する。
急病で弁護士が来れずに代理で来たのが男性のタン・ロン。
タン・ロンは空手の達人であり暴力的な行為を繰り返すギャングの部下を続々と倒していく。
困ったギャングは空手の達人のゴードンを米国から呼びよせタン・ロンを倒そうと考える。
そしてクライマックスでタン・ロンとゴードンは対決する。
ドラゴンへの道 の起承転結
【起】ドラゴンへの道 のあらすじ①
ローマの中華料理店「上海」を経営する女性チェンは土地明け渡しを強く要求する地元のギャングの嫌がらせに悩みを抱えていた。
チャンはこのままでは客は安心して店を利用できずに中華料理店の経営が継続できないと判断する。
チェンは問題解決を香港の弁護士に依頼する事になる。
弁護士を迎えにローマの空港に出向くとやってきたのはイタリア語が理解できない中国拳法の達人であるタン・ロン。
弁護士は急病のため弁護士の縁戚であるタン・ロンがやってくる頃になります。
現地の言葉が充分理解できないタン・ロン。
彼のどこか拍子抜けした性格に少し戸惑うチェンではあったが少しでも解決の糸口になればとタン・ロンを自分が経営する中華料理店に案内する事となる。
チェンは父から受け継いだ中華料理屋も守り抜くため叔父のワンの協力も得ながら料理店を行うもののギャングの嫌がらせに神経もすり減らされ、客も来なくなり危機的な状況下である事をタン・ロンに伝え店への協力を依頼する事にした。
【承】ドラゴンへの道 のあらすじ②
タン・ロンはローマに空港に着くまで料理の注文ができずに、レストランのメニューも読めずたくさんのスープをチェンに空港で出会う直前に飲んでいました。
何度もトイレに行くタン・ロン。
チェンはこうした少し頼りないタン・ロンに少しがっかりしながらも銀行に案内してお金の引き出し方を丁寧に教えたり、ローマの人たちとの接し方を教えるなど、世話をしながら店を守ってほしいと考える。
タン・ロンを出迎えた中華料理店で働く従業員はいささか冷やかな対応をタン・ロンに対してとります。
というのも従業員は日ごろからギャングへの対策として中国拳法の習得する訓練をしていたからです。
このためタン・ロンが自分がギャングたちの暴力から店を守ると主張しても、タン・ロンの実力を知らない従業員たちは、それほど頼りになる存在だとは考えていませんでした。
特にタン・ロンがトイレで不在にしていた時にギャングが店に来て店の明け渡しの最終期限を告げて店を去ろうとした際、事情を知らないタン・ロンはギャングたちと店で出会い、ギャングたちにわざわざ挨拶をする状況となってしまう。
事情を知らない状況下であったとはいえ中華料理店の店員たちからはタン・ロンは頼りになる人物ではないと思われてしまいます。
【転】ドラゴンへの道 のあらすじ③
タン・ロンがいる中華料理店にギャングたちが訪れ、嫌がらせを始めます。
ついに最初は従業員たちも我慢していましたがとうとう決着をつけようとお互いが対決状態に至ります。
店が壊れる事を心配するワン伯父はどうする事もできないでいます。
結局店の外でお互いが決着をつける事となり店の外に出る事になります。
ギャングたちは意外に強く、従業員たちは苦戦します。
しかし今まで対決に参加していなかったタン・ロンが中国拳法でギャングたちに立ち向かうやたちまち決着がつき、タン・ロンが極めて技能の高い中国拳法の達人であることが分かり中華料理店の従業員たちは驚きます。
武器を持ちながら続々と襲いかかるギャングたち。
そのギャングたちを一人で倒していくタン・ロンの鮮やかな技の数々。
この戦いでチェンもタン・ロンが卓越したカンフーの使い手である事を知ります。
従業員は続々とタン・ロンに弟子入りし技を磨き、なんとか中華料理店をギャングから守りぬこうと考え始めました。
【結】ドラゴンへの道 のあらすじ④
ギャングはこのままでは中華料理店の明け渡しが不可能になるかもしれないと危機感を持ち、米国から空手のチャンピオンであるゴードンを呼び寄せる。
ギャングはゴードンの弟子2名も加えてタン・ロンをおびき寄せて倒す計画を考え倒そうとします。
ホーというギャングの一味から巧みに呼びよされたタン・ロンと中華料理店の従業員たち。
ホ—は事態を解決したいからボスと話をしようという提案を受け入れ店を出る事になります。
しかしこれは罠であり待っていたのはゴードンの弟子2名の武道家。
タン・ロンと中華料理店の従業員たちは待っていた2名の格闘家と戦う事になります。
戦いの中で、その場を逃げるホーを追うタン・ロン。
ホーはタン・ロンをうまく挑発しながらおびきよせコロッセオで待ち受けるゴードンと対決させようとする。
激闘にすえゴードンを倒すタン・ロン。
土壇場で従業員を裏切り店を売り自分は優雅な生活を考えていたワン伯父とホーはボスに撃たれて命を失います。
ボスは警察に逮捕され、やがてタン・ロンはローマを去る事となる。
ドラゴンへの道 を観た感想
映画の前半でタン・ロンというキャラクターが少しコミカルで頼りない雰囲気で描かれているからこそ、空手の実力がさらに見ている人たちに新鮮な驚きを与えてくれる映画製作のうまさを感じます。
タン・ロン演じるブルース・リーにとりこの映画は監督まで担当した力作でもあり、イタリアロケを行った意欲作であることがよく伝わってくる作品です。
最後のクライマックスである古代ローマの遺跡であるコロセッオでの対決は、セリフなしで男と男が真剣勝負する名場面として今でも語り継がれるアクションシーンです。
2名の激しい戦いに自然と引き込まれていきます。
アクションシーンの中に人間の欲も随所に描かれてお手脚本の良さも感じる映画です。
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