監督:ジョン・マッデン 1999年5月にUIPから配給
恋におちたシェイクスピアの主要登場人物
ヴィオラ・デ・レセップス(グウィネス・パルトロー)
資産家の娘
ウィリアム・シェイクスピア(ジョセフ・ファインズ)
作家
ウェセックス卿(コリン・ファース)
貴族
恋におちたシェイクスピア の簡単なあらすじ
若かりしシェイクスピアと富豪の娘とのロマンスストーリーシェイクスピアの名作であるロミオとジュリエットの物語が盛り込まれており、巧みに交差させながら描かれています。
フィクションですが豪華なセットや衣装など、時代背景が丁寧に演出されている作品です。
実在の人物も盛り込まれており、現実味のある話に仕上がっています。
恋におちたシェイクスピア の起承転結
【起】恋におちたシェイクスピア のあらすじ①
1593年エリザベス朝ロンドンには、2つの劇場がありました。
イギリスで最も人気のある役者バーベッジがいるカーテン座では、劇作家のマーロウをかかえています。
疫病で劇場などが閉鎖される中、宮廷劇場での上演が許されており人気を博していました。
これに対してヘンズローが設立するローズ座は、長い閉鎖で資金難になっています。
借金取りのフェニマンから返済を迫られているヘンズローは、思い付きでウィリアム・シェイクスピアの新作喜劇があると言います。
フェニマンからは2週間後に上演した上がりをよこせと言われてしまい、ヘンズローは慌ててウィリアムの元へと走ります。
しかしウィリアムはスランプになっており、ただの一文字も書けていません。
ローズ座がお抱え役者として活躍するアドミナル一座は、地方巡業をしており新しく役者を雇う金がありません。
そこでオーディションによって役者を集めようとしますが、演技力のある者もいませんでした。
そこで際立って演技力のある者が現れ、若者はトマス・ケントと名乗ります。
トマスはウィリアムの追及に驚いて逃げてしまい、ウィリアムが後を追うと裕福な商家のデ・レセップス家に到着しました。
レセップス家の令嬢ヴァイオラは芝居を愛しており、役者になることが夢でした。
しかし当時は風紀を乱すとして、女性が舞台に立つことが許されなかったのです。
ヴァイオラは男装してトマス・ケントと名乗り、憧れのシェイクスピア作品を演じたい想いでローズ座のオーディションに参加しました。
【承】恋におちたシェイクスピア のあらすじ②
ウィリアムは館で開かれた舞踏会に入り、ヴァイオラに出会います。
二人は恋におちますが、ヴァイオラに目をつけている貴族のウェセックス卿が割って入りました。
ウェセックスはヴァイオラを自分のものだと言い、ウィリアムは追い返されます。
ヴァイオラに出会ったことによって、ウィリアムの創作意欲には火が付きました。
台本を書き進めながら、彼女へ愛情を込めた手紙を書いていきます。
ヴァイオラはウィリアムからの手紙を受け取り夢中になりますが、父親からはウェセックス卿と結婚するよう告げられます。
ヴァイオラは涙ながらに手紙を書き、結婚してアメリカへ行くので会えないと伝えました。
手紙を受け取ったウィリアムは諦めきれず、館まで行くとトマスがヴァイオラだいうことを知ります。
その夜二人を愛を交わすことになります。
愛の日々を送る二人の関係から、ウィリアムの台本は喜劇から結ばれぬ愛を描く悲恋になっていきました。
そしてロミオとジュリエットへと変わり、ヴァイオラは昼間トマスとしてロミオを演じるようになり、夜はウィリアムと愛を交わす毎日が続きます。
ヴァイオラはウェセックス卿と共に、エリザベス女王陛下に謁見しました。
離れがたいウィリアムは侍女に変装し宮廷について行きます。
エリザベス女王はヴァイオラに劇作家は恋に無知だと言うと、ヴァイオラは女王に反論してしまいました。
ウェセックス卿とは、芝居は真実の恋を描けるのかという賭けになってしまいます。
【転】恋におちたシェイクスピア のあらすじ③
ウィリアムはロミオとジュリエットを書き上げ、台本をヴァイオラに捧げます。
二人は夜はもちろん稽古中も、視線を絡ませたり舞台裏で愛し合うようになりました。
しかしトマス姿でのヴァイオラとウィリアムとの関係を見た少年が、宮廷長官に密告してしまい女性が舞台に立つことが発覚します。
ローズ座は閉鎖されるようになり、トマスは去ってしまいました。
ローズ座のメンバーが酒場で落ち込んでいるところに、バーベッジがやってきます。
バーベッジは日頃役者をゴミ扱いする宮廷長官の鼻を明かそうと、カーテン座をヘンズローに提供しました。
カーテン座ではロミオとジュリエットが上演されるようになりましたが、その日ヴァイオラとウェセックス卿の結婚式の日になりました。
結婚式が終わり教会から出たところで、ヴァイオラはロミオとジュリエットが上演されるチラシを目にします。
ヴァイオラは乳母の協力によって馬車から抜け出し、カーテン座へ向かうのです。
カーテン座ではトマスに代わってウィリアムがロミオを演じる予定になっていましたが、ジュリエット役であるサムがその日の朝声変わりしてしまいました。
【結】恋におちたシェイクスピア のあらすじ④
バーベッジに危機を告げたヘンズローは、ヴァイオラの姿を見つけます。
急いでヴァイオラをジュリエット役にし、目の前にいる彼女に驚くウィリアムでしたが、自分たちの恋をそのままにしたストーリーを二人は演じ切ることになりました。
二人の様子をヴァイオラの後を追ってきたウェセックス卿も見ていました。
舞台は終わり満場の喝采で幕を閉じましたが、宮廷長官が現れて風紀紊乱で逮捕すると言います。
しかしエリザベス女王がお忍びで観覧していて、ヴァイオラをトマス・ケントと呼んでここに女はいないと言い切りました。
賭けについてはウェセックス卿の負けとして、賭金をヴァイオラに支払うように言います。
ウィリアムには次は変装せずに城を訪問するよう伝え、エリザベスは温情を見せるのです。
しかし結婚については神前での婚姻の誓いを立てたので、ヴァイオラにはウィリアムと別れてウェセックス卿に戻るよう言いました。
ウィリアムは書く気力がないと言いますが、ヴァイオラは賭け金を渡し作品を書き続けてほしいと告げます。
ヴァイオラは別れを告げ、彼女が去った後ウィリアムはヴァイオラの人生を思いながら、彼女を主人公にした「十二夜」の台本を書き始めるのでした。
恋におちたシェイクスピア を観た感想
豪華な俳優陣が集結しており、主役のロミオを演じるため男装するグウィネス・パルトローが印象的で、ジュディ・デンチは圧倒的な存在感を出しています。
コリン・ファースなどの名優たちの競演を見ることができ、当時アカデミー賞作品賞など多数の賞を受賞しました。
当時女性は舞台に立つことができなかったので、ヴァイオラは男装してロミオを演じますが、グウィネスが爽やかに演じています。
彼女はこの作品でアカデミー主演女優賞をとり、今後の活躍が期待されるようになります。
最後はシェイクスピアの作品の十二夜に続く展開になっていて、作品をうまくアレンジした脚本が光る作品です。
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