映画「サニー 永遠の仲間たち」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|カン・ヒョンチョル

映画「サニー 永遠の仲間たち」

監督:カン・ヒョンチョル 日本公開2012年5月19日にCJエンタテインメントから配給

サニー 永遠の仲間たちの主要登場人物

イム・ナミ(ユ・ホジョン)
田舎からソウルへ引っ越してきた内気な女子高生。

ハ・チュナ(チン・ヒギョン)
“サニー”のリーダー。仲間思いで喧嘩も強い。

キム・チャンミ(コ・スヒ)
グループのムードメーカー。アイプチメイクを授業中にも施すなど、二重に対する憧れが異常に強い。

ファン・ジニ(ホン・ジニ)
“サニー”のメンバーで最も口が悪い。喧嘩の際も、口喧嘩で先陣を切る。

チョン・スジ(ユン・ジョン)
“サニー”のメンバー中、最もクールで大人びた雰囲気を纏う少女。

サニー 永遠の仲間たち の簡単なあらすじ

専業主婦のナミは母親のお見舞いをきっかけに、かつての旧友・チュナと再会します。

思い出話に花咲かせ、再会を喜び合う二人ですが、末期ガン患者のチュナは余命2ヶ月と宣告されていました。

彼女の最期の願いである、高校時代の仲良しグループ“サニー”の捜索を開始する過程で、ナミは過去と現実とのギャップに直面し、自分の人生の主役を演じていた「あの頃」の記憶が鮮明に甦っていきます。

サニー 永遠の仲間たち の起承転結

【起】サニー 永遠の仲間たち のあらすじ①

ナミとチュナの再会

韓国の大都会・ソウルに住む専業主婦のイム・ナミは、多忙な毎日を過ごす会社員の夫と反抗期の娘・イェビンに囲まれながら、不自由の無い生活を送っていました。

ある日、母親が入院する病院にお見舞いに行くと、別室の入院患者があまりの病気の苦痛でもがいているのを数名の看護師によって押さえられている姿を目撃します。

ナミはその病室のネームプレートに「ハ・チュナ」という名前を確認し、高校時代の同級生を思い出します。

翌日、ナミは恐る恐るチュナの病室を訪れ、高校時代の頃のように人懐っこく歓迎してくれるチュナとナミは25年ぶりの再会を喜び合います。

チュナはガンで後余命2ヶ月しか生きられない身であることを知ったナミはショックを受けますが、「最後にもう一度“サニー”のメンバーに会いたい。

」という彼女の願いを叶えるべく、母校のかつての担任の元を訪ね、そこから“サニー”のメンバー達と連絡を取ろうと動き出します。

“サニー”は、ナミやチュナを含む7人のメンバーから成る仲良しグループで、ナミやチュナにとっても正に青春そのものでした。

【承】サニー 永遠の仲間たち のあらすじ②

過去と現在の“サニー”

ここからナミの青春時代のパートが始まります。

高校からソウルの女子高に転校してきたナミは、方言による訛りが強く、内気な性格もあって転校初日からクラスのいじめっ子から目を付けられていましたが、チュナから助けられたことで彼女と打ち解けるきっかけを得ます。

ある日、“サニー”の敵対グループの“少女時代”と縄張り争いになり、人数合わせで参加したナミが祖母の口癖を真似したところ、“少女時代”のメンバー達はビビってその場から引き上げてしまいます。

この件でメンバーから認められたナミは“サニー”の一員として迎えられ、彼女らと行動を共にします。

“サニー”のメンバーは、姉御肌で男勝りの腕っぷしを誇るチュナ、二重まぶたへの願望を抱くチャンミ、口の悪さが際立つジニ、普段は文学少女だが武器を持つと凶暴性を発揮するキムオク、ミス・コリアになることが夢のポッキ、クールな美少女スジ、そこに引っ込み思案のナミが加わり、7人構成の強い団結力を誇るグループです。

そして物語は再び現代に戻り、ナミはキム・チャンミとファン・ジニと再開します。

チャンミは現在では保険会社に勤めていますが業務成績はワーストクラス、ジニはお金持ちと結婚したものの旦那の浮気に頭を悩ませている毎日です。

そして、3人はソ・キムオクの居場所と突き止めますが、彼女は口うるさい姑と同居し心身ともに疲れ果てた毎日で、チュナを訪ねる余裕も無い様子でした。

【転】サニー 永遠の仲間たち のあらすじ③

“サニー”のメンバー達の捜索と淡い恋心との決別

ある日、娘のイェビンが同級生達からいじめられている現場を目撃したナミは、チュナ達を引き連れ、いじめッ子達の下へと報復に向かいます。

警察が出動する事態に発展しますが、実に25年ぶりの喧嘩にナミ達は興奮気味です。

そして、高校時代にいつも小綺麗な格好をしてミス・コリアになることを夢見ていたポッキの居場所を突き止めます。

現在のポッキは、親が経営していた美容院が抱えた借金返済のために、大学を中退し水商売を始めており、哀れなその姿を見たチャンミは「会わずに帰ろう。

」とナミに告げますが、放っておけない気持ちに駆られたナミは、彼女と面会します。

ナミは、そのお店で一番高いお酒を注文し指名料も払い、ポッキの売り上げに貢献すると、彼女に転職することを薦めます。

一方で、ナミは“サニー”の最後のメンバーであるチョン・スジと、高校時代に片想いだった男子学生・ジュノの存在を思い出していました。

スジは学校一の美少女でしたがどこか影のある存在で、高校時代のナミともなかなか打ち解けていませんでした。

スジは、継母がナミと同じような方言を語ることに嫌悪感を示しており、ナミの姿と継母をダブらせて一方的に毛嫌いしていました。

しかし、“サニー”のメンバーと交流を深める毎日で積極性が増したナミはスジの自宅を訪れ、夜の屋台でお酒を酌み交わし、お互い本音を吐露することでわだかまりが解け仲良くなりますが、依然行方は分からないままです。

ナミは探偵を通じて“サニー”のメンバーの消息依頼をする傍ら、かつての片想いで憧れの存在であったジュノの消息を辿り、青春時代に渡すことが出来なかったジュノを描いたスケッチを手渡すことで、淡い失恋の思い出と決別します。

そして物語は“サニー”解散に繋がる出来事と、クライマックスへと向かいます。

【結】サニー 永遠の仲間たち のあらすじ④

不変の友情

舞台は再び高校時代、文化祭の催しでダンスを披露するため緊張感が走る“サニー”のメンバー達の所へ、ナミがイ・サンミに食堂で絡まれている報せが入ります。

駆けつけたメンバー達の前には、シンナーで情緒不安定になったサンミの姿があり、“サニー”のメンバーと日に日に仲を深めるナミの姿に嫉妬している様子でした。

もともとチュナとサンミは仲が良かったのですが、シンナーの常習犯であることから、チュナはサンミに見切りを付けていました。

チュナがサンミを突き飛ばし、逆上したサンミは近くにいたスジの顔を割れた瓶で切りつけ、辺りは騒然とします。

その様子に激昂したチュナはサンミを徹底的に痛め付け、救急車で病院に搬送されたスジは、顔のキズを悲観し自殺未遂を謀ります。

“サニー”解散のきっかけとなるこの事件を思い出していたナミの元へ、チュナが亡くなったとの一報が入ります。

本葬儀を終え、“サニー”のメンバー達だけによる別葬儀が始まりますが、メンバーはナミ以下、チャンミとジニしか居ません。

そこに、口うるさい姑の所から半ば強引に会場を訪れたキムオクと、水商売から足を洗いすっかり見違える姿をしたポッキが現れます。

生前、会社社長であったチュナは自らの資産を“サニー”のメンバー達に分け与える旨を綴った遺言書を遺しており、顧問弁護士を通じてそのことが伝えられます。

そして、高校時代の文化祭で披露出来なかったダンスをチュナの遺影の前で踊り、一仕切り踊り終えたところで、新聞の広告掲載でチュナの葬儀を知ったスジが合流し、青春時代の頃のような笑顔を浮かべ物語は幕を閉じます。

サニー 永遠の仲間たち を観た感想

王道作品にカテゴリーされるかも知れませんが、過去と現在を行ったり来たりするシナリオ展開、登場人物達の複雑な心情が綴られた描写など、安っぽい青春映画には無い独特の輝きに胸を鷲掴みにされました。

誰でもそうですが過去があるから現在があり、理想の姿と現実にギャップに直面する“サニー”のメンバー達ですが、誰一人として理想的でない現在を粗末にしない姿に好感が持て、時代や環境に隔たれることのない友情は感涙必至です。

劇中の選曲も良く、当時を彩ったポップスに乗り、青春時代を大暴れする“サニー”が可愛らしく、男顔負けのヤンチャっぷりをブチかます様は笑えます。

感動のラスト、演技力の高さ、女優さん達のルックスの良さなど、観るものの感心を惹き付ける要素が多いのも流石です。

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