監督:原恵一 2001年4月に東宝から配給
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲の主要登場人物
野原しんのすけ(矢島晶子)
主人公。野原一家の長男。おバカな5歳児でオトナや周りの友達を困らせるが、本作では一家の兄としてしっかりとした一面も見せている。
野原ひろし(藤原啓治)
しんのすけの父。強烈に臭い足を持つも、その匂いが作品後半で活躍を見せる。
野原みさえ(ならはしみき)
しんのすけの母。一般的な主婦だが、いざという時に頼りになる力強さがある。
ケン(津嘉山正種)
イエスタデイワンスモアの首謀者。20世紀の再来を夢見る。
チャコ(小林愛)
ケンの恋人。ケンの思想に肩入れしている。
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 の簡単なあらすじ
野原一家の住む春日部に新設された20世紀博。
そこは、20世紀に子供時代を過ごした大人たちを虜にする、アニメやおもちゃ、お菓子などであふれていました。
あまりにも過激に熱中する大人たちにしんのすけたちは異変を感じます。
この異変は「イエスタデイワンスモア」という組織によるものでした。
組織は、開発した「昔のにおい」によって大人たちを洗脳し、20世紀の再来を目論んでいました。
しんのすけは父ひろしの強烈な足の匂いを利用し何とか両親を正気に戻しました。
野原一家はイエスタデイワンスモアの首謀者ケンとチャコに挑み、20世紀再来の計画の阻止に成功し、21世紀を取り戻します。
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 の起承転結
【起】映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 のあらすじ①
野原一家は、春日部に新設された20世紀博へ頻繁に足を運んでいました。
20世紀博ではしんのすけの両親である、父ひろしや母みさえが子供のころに熱中していた、アニメやおもちゃなどがたくさんあり、同世代の大人たちを虜にしていました。
その日野原一家は20世紀博の体験型アトラクションである、特撮映画の撮影をしていました。
ひろしは巨大ヒーローとなって敵と戦い、みさえは魔法少女となり、各々撮影を楽しんでいました。
その他にも縄跳び、めんこ、こまなどの昔の遊びや、昔の給食を味わえるレストランなどもあり、大人たちは子供をほったらかしにして万博を楽しんでいました。
街中でも一昔前のテレビ、レコード、ファッションなどが出回るようになったり、家では昔のアニメを大人たちが夢中で見ていたりと、町全体の様相が少しずつ変わっていきました。
大人に連れてこられた子供たちは「なつかしい」という気持ちがわからず、大人たちの熱中ぶりやあまりの変化に戸惑っていました。
【承】映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 のあらすじ②
とある日の夜20時、20世紀博からのおしらせがテレビで流れました。
「明日の朝お迎えに上がります。
みなさんご一緒に愉快に過ごしましょう」このお知らせをきっかけにひろしとみさえの様子が一変しました。
ひろし「明日に備えて早く寝なきゃ」 みさえ「そうね」 と言い、晩御飯も作らずに寝ようとした両親。
しんのすけは必死に声をかけるますが、みさえが子供たちに与えたのは長ネギ一本でした。
翌朝も両親の様子が変わることはなく、朝食をお菓子やジュースで済ませ、仕事にもいかず、「どっかいっちまえ」と子供二人を家から追い出してしまいました。
やむを得ず自らの足で幼稚園に向かったしんのすけとひまわりは道中で、缶蹴りや縄跳び、めんこなどで遊ぶ、まるで童心に帰った大人たちを見たのでした。
そしてテレビでのおしらせの通り、迎えのトラックがやってきました。
町中の大人たちは次々とトラックへと乗り込み20世紀博へと運ばれていきました。
そして子供たちだけが町に取り残されてしまいました。
【転】映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 のあらすじ③
大人たちがいなくなり子供だけが取り残された町で、しんのすけはかすかべ防衛隊(しんのすけ、トオル、ネネ、マサオ、ボーちゃんの五人で構成された幼稚園の仲良しグループ)に合流し、この異変について話しうことになりました。
途方に暮れるかすかべ防衛隊でしたが、ラジオ放送でこの一連の事件を引き起こしたのが、イエスタデイワンスモアという組織であることを知ります。
イエスタデイワンスモアの首謀者であるケンは、ラジオ放送で、20世紀を取り戻すという組織の計画を暴露し、両親に会いたければ迎えのトラックに乗るようにと子供たちに伝えます。
彼らの罠だと判断したしんのすけたちはトラックに乗りませんでした。
翌朝、イエスタデイワンスモアの洗脳にかかった大人たちが、トラックに乗らなかった子供たちを捕まえに町へとやってきました。
大人たちに追い込まれ幼稚園のバスの中へと隠れたしんのすけ達はバスを運転して逃げることを決意します。
園長先生の運転をいつも見ていたというボーちゃんの指示のもとかすかべ防衛隊は代わる代わるバスを運転し、なんとか逃げ切ります。
しかし、逃げ切った先は20世紀博の万博会場でした。
【結】映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 のあらすじ④
万博会場へと着いたかすかべ防衛隊でしたが、油断して事故を起こしイエスタデイワンスモアの隊員にあっさりとつかまってしまいました。
そこで子供たちはケンとチャコに会い、大人たちがケンの開発した「昔のにおい」によって洗脳され子供に戻っている事を知ります。
上手く隠れていたしんのすけは引き続き逃亡を図り、逃げ切った先で子供のひろしに遭遇します。
しんのすけに声をかけられ、変な人に声をかけられたとひろしは戸惑いました。
しかし、しんのすけはひろしの強烈に臭い靴のにおいは今も昔も変わらないと思い、その匂いを嗅がせることでひろしの正気を取り戻すことに成功します。
同じ方法でみさえの正気を取り戻し元に戻った野原一家は、組織が「昔のにおい」を全国へと拡散し洗脳を試みていることを知ります。
東京タワーの展望台に、においの拡散を開始するボタンがあることを知った野原一家はとにかくその機械をなんとかしようと展望台へと急ぎます。
エレベーターが使えない中、自らの足で必死に展望台へと向かい奮闘する野原一家の様子はテレビに生中継されていました。
その野原一家の姿に洗脳されていた人々は感化され、未来を生きたくなり、拡散されるはずの「昔のにおい」はにおいのレベルが低下し、その効果を失ってしまいました。
ケンとチャコは計画をあきらめ、野原一家は見事21世紀を取り戻すことに成功しました。
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 を観た感想
私は昭和生まれではありませんが、この映画が醸し出す、懐かしさや切なさにとても感慨深い気持ちになりました。
特に、ひろしのこれまでの生涯を回想するシーンは涙なしには見られませんでした。
昔に戻りたいというケンとチャコの気持ちもよくわかりますが、過去に別れを告げなければ、今を、そして未来を生きることはできない。
「なんだってここはこんなに懐かしいんだ!」ひろしのこのセリフはこの矛盾する気持ちをとてもストレートに表現していてとても心に残りました。
またアニメーションとしてのレベルが非常に高いのも印象的でした。
後世に語り継がれる名作と世間で評される所以がよくわかりました。
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