監督:デイミアンチャゼル 2015年4月にソニーピクチャーズクラシックスから配給
セッションの主要登場人物
アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)
本作の主人公。音楽学校に入学したばかり。伝説的なドラマーに憧れ、日々ドラムの練習をしている。控え目な性格。
テレンス・フレッチャー(JK・シモンズ)
音楽学校の教師。バンドの指揮者
ジム・ニーマン(ポール・ライザー)
アンドニューの父親。ドラムに夢中な息子のことを応援しながらも将来のことを心配している。
ニコル(メリッサ・ブノワ)
アンドリューがよく行く映画館の軽食コーナーの受け付けの女の子。のちにアンドリューと交際することになる。
ライアン・コノリー(オースティン・ストウェル)
アンドリューの同級生。同じドラムポジションでライバル。
セッション の簡単なあらすじ
偉大なドラマーに憧れ、アメリカの最高峰の音楽学校に入学をした19歳のアンドリュー。
日々ドラムの練習をしているが、なかなか前に進めていない自分がいました。
ある日一人で練習しているところに音楽学校の教師フレッチャーが現れます。
後日、フレッチャーに呼び出され、自分のバンドチームに入るように言われました。
やっと自分の思うようなドラムがたたけると希望をもちます。
しかし、想像を絶するつらい練習の日々が待ち受けています。
アンドリューは負けずにドラムとフレッチャーと向き合っていきます。
セッション の起承転結
【起】セッション のあらすじ①
アンドリューは偉大なドラマーに憧れ、アメリカの最高峰のシェイファー音楽院に入学します。
ある日一人で練習しているところに教師のフレッチャーが現れました。
ドラムをただいてみろと促され、披露しますがとくに何も言われずに立ち去ります。
後日、フレッチャーに呼び出され音楽院のなかでも上位クラスのバンドチームに入るように言われました。
アンドリューは希望を持ち、バンドチームに入ります。
初めてのバンド練習の日。
フレッチャーが入室するなり、バンドの空気が張り詰めます。
アンドリューを快く、皆に紹介してくれました。
曲の練習が始まりました。
しかし、すぐに練習は中断され、フレッチャーはこの中に下手くそがいると指摘します。
何度も同じところを繰り返し演奏させます。
一人のトランペット奏者がずれていることを指摘しました。
さらに罵声を浴びせ、人格を否定するようなことばかり言い、奏者を部屋から追い出します。
フレッチャーは自分の追い求める音楽を追求するあまりバンド奏者に対し、度が過ぎる、罵声、怒号、人格否定をする狂気的な指揮者でした。
【承】セッション のあらすじ②
アンドリューはフレッチャーの練習に耐えながら学校生活を過ごしていました。
ある日、よく通う映画館の軽食コーナーの受けつけの女の子に勇気を出して、デートに誘ってみました。
彼女はニコルという、とてもかわいい女の子です。
ニコルと後日ハンバーガーショップにデートに行くことになりました。
話が合い、付き合うことになりました。
アンドリューは練習はつらいけど、充実した日々を過ごしていました。
ある練習の日、アンドリューと同級生のコノリーがバンドの練習に参加することになりました。
コノリーも同じくフレッチャーに声をかけられたようでした。
おなじドラムポジションなので、交代しながらドラムをたたくように指示されます。
テンポが違うと何度も何度も止められ、交代します。
罵声、怒号、椅子を投げつけるなどフレッチャーは大暴れしてます。
それでも練習はやめられず、深夜まで練習は続きます。
何時間も延々とドラムを叩き続け、手のマメはつぶれ、血が出てもなおアンドリューは止めません。
コノリーと交代しながらドラムを叩き続けます。
やっとフレッチャーはアンドリューがメインドラマーだといいました。
【転】セッション のあらすじ③
アンドリューはメインドラマーになってからはさらに練習に没頭しました。
手からは血が出ていようが、氷水で手が止血しながら、ドラムをたたき続けます。
もっとうまくなりたい、もっとフレッチャーに認められたいと自分で自分を追い込んでいきます。
ある日、彼女のニコルに別れたいこと告げます。
もっと追い込んで練習したい、ほかのことは考えられないと伝えるとニコルは怒ってしまいます。
バンドは大会に向けて猛特訓をしていました。
フレッチャーは大会のメインドラマーはコノリーにすると告げます。
怒ったアンドリューはフレッチャーに激しく抗議します。
大会当日、アンドリューが乗っていたバスが故障で止まってしまいます。
もちろん大会に遅刻することはドラムを叩けなくなることです。
アンドリューは必死に大会の会場へ向かいます。
レンタカーを借り、大急ぎで向かいました。
なんとか間に合いましたが、肝心の譜面をレンタカー屋の椅子の上に置いてきてしまったことに気づきます。
また車で大急ぎで向かい、会場へと戻りますが、その途中でトラックと衝突事故にあい、大けがを負います。
それでもアンドリューはなんとか会場へたどりつき、全身血だらけのまま壇上へと上がりドラムを叩きます。
意識が朦朧としながらも叩き続けますが、手が止まってしまいます。
その姿を見てもなおフレッチャーはアンドリューへ否定的な言葉を言います。
アンドリューはついてフレッチャーに殴りかかってしまいます。
【結】セッション のあらすじ④
この騒動を受けて、音楽学校を退学処分となります。
後日、アンドリューのところへ弁護士がやってきます。
父親がアンドリューのことを心配して雇った弁護士でした。
以前、フレッチャーが事故で亡くなった学生のことを悼んでました。
しかし、本来はフレッチャーの指導によりうつ病となり、自殺をしたと弁護士に聞かされます。
同じような被害者が出ないようにしたい。
フレッチャーの指導に問題はなかったか匿名で告発してほしいと弁護士と父親から説得され、アンドリューはすべてを告発しました。
アンドリューはドラムから離れ、平凡な日々を過ごしていました。
ある日通りかかったジャズバーでフレッチャーがピアノを演奏していました。
フレッチャーに聞いていたところを見つかり、少し話すことになりました。
フレッチャーは匿名での告発により学校をやめたこと、あの指導はジャズ界の伝説になってほしいという思いがあったなど信念をアンドリューに伝えます。
近日、カーネーギーホールでバンドで演奏するドラムをやってほしいとアンドリューを誘います。
アンドリューは悩みますが、バンドに参加することになります。
スカウトマンが多数おり、ブルーノートと契約できるチャンスがある重要な大会だとフレッチャーは意気込んでいます。
本番当日、アンドリューは事前に渡された譜面ではない曲の演奏が始まります。
わからないままドラムを叩きます。
その様子をみたフレッチャーは「お前が告発したとわかっている」とささやきます。
アンドリューはまた騙され、精神を乱されます。
しかしアンドリューは、負けずにドラムを叩き続けます。
フレッチャーが戸惑いますが、かまわずドラムを叩き続けます。
他の奏者も演奏をやめドラムの独壇場となりました。
アンドリューの鬼気迫るドラムをみたフレッチャーは静かに微笑みました。
セッション を観た感想
アンドリューという素朴な男の子がドラムにとりつかれていくさまが目が離せませんでした。
フレッチャーは音楽を作り出す才能はあるかもしれないけれど、追い求めすぎて人を壊してしまうほどの熱量が考え難かったです。
アンドリューの必死な様子はかわいそうで、もうやめたらいいのにと何度も思いました。
でも、ドラムをやりたい。
やるしかない。
というまっすぐな気持ちも素晴らしいことだと思いました。
ここまでストイックな映画を初めて見ました。
知人の男性におすすめされ見たのですが、これは男性のほうが心が揺さぶられる映画だと思いました。
正直、個人的にはとにかくフレッチャーが最後まで憎い人という印象が強すぎました。
ラストシーンももう少しアンドリューが報われるようなシーンが欲しかったです。
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