映画「スーパー・チューズデー 正義を売った日」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ジョージ・クルーニー

映画スーパーチューズデー

監督:ジョージ・クルーニー 2012年3月に松竹から配給

スーパー・チューズデー 正義を売った日の主要登場人物

スティーブン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)
主人公。選挙事務所のスタッフとしてモリスを後押しする。情報操作に長けてホワイトハウスでの勤務を狙う。

マイク・モリス(ジョージ・クルーニー)
中産階級や貧困層に訴えて次期大統領を目指す。宗教よりも憲法を信じる。

ポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)
選挙本部のブレーン。新聞記者にも顔が広く度胸がある。

モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)
インターンの選挙スタッフ。父親は民主党の大物。

トム・ダフィー (ポール・ジアマッティ)
モリスのライバル・プルマンの右腕。勝利のためには手段を選ばない。

スーパー・チューズデー 正義を売った日 の簡単なあらすじ

マイク・モリスを民主党の次期大統領として担ぎ上げるために、連日情報収集と選挙対策に追われていたのはスティーブン・マイヤーズです。

対立候補であるプルマン陣営の切り崩し工作に引っ掛かって、スティーブンは事務所をクビになってしまいます。

モリスの弱みを握ったスティーブンは脅迫的な手段に訴え出て陣営に返り咲き、改めて自身の有能さを見せつけるのでした。

スーパー・チューズデー 正義を売った日 の起承転結

【起】スーパー・チューズデー 正義を売った日 のあらすじ①

オハイオを制するものは大統領選を制する

民主党のアメリカ大統領候補者はアーカンソー州出身のプルマン上院議員と、ペンシルベニア州のマイク・モリス知事のふたりに絞られました。

ふたりが討論会で直接対決するのは3月15日の火曜日、場所は激戦区のオハイオ州で両陣営とも対策に追われています。

モリスのスピーチ原稿を前もってまとめるのは、ワシントンDCのコンサルタント会社から引き抜かれたスティーブン・マイヤーズです。

これまでに大統領選を6回戦ったベテラン、ポール・ザラでさえどちらが勝つのか見通しは立ちません。

共和党にはこれといったライバルが見当たらないために、オハイオを制したものが大統領の座を手にすると言っていいでしょう。

ポールは300人以上の代議員に影響力を持ち、表向きは中立の立場を保っているトンプソン上院議員とひそかに面会して味方につけようとしていました。

決戦の火曜日(スーパー・チューズデー)が1週間後の3月15日に迫っている中で、スティーブンはプルマン側の選挙アドバイザーのトム・ダフィーに呼び出されます。

【承】スーパー・チューズデー 正義を売った日 のあらすじ②

清潔なイメージに汚点

政界に25年いるトムの話によると世論調査でもプルマンの圧勝は確実で、トンプソンは国務長官のポストと引き換えに共和党の支持に回ったそうです。

先々の戦いのために力を貸してほしいというトムの申し出に、スティーブンの心は揺れ動きます。

次の日になるとトムの言う通りにトンプソンはプルマンの支持に回り、これまでの根回しは無駄になりました。

そんな最中に民主党の全国委員会の会長ジャック・スターンズの娘であり、インターンシップを利用して事務所で働いているモリーとスティーブンは一夜をともにします。

それ以来ふたりは公務用に支給されたノートパソコンや携帯電話を使って、プライベートなやり取りをしていました。

スティーブンが異変に気が付いたのは、夜中の2時にホテルの一室に一緒にいた時に間違えてモリーの電話を取ってしまった時です。

掛けてきた相手はモリスで、モリーはスティーブンだけでなく彼とも関係を持って妊娠していました。

モリーの実家はカトリック信者であるために、中絶費用の900ドルの工面を父親に頼む訳にはいきません。

【転】スーパー・チューズデー 正義を売った日 のあらすじ③

二股をかけてレースから脱落

スティーブンは選挙活動中の経費で900ドルを落とそうとしましたが、限度額は500ドルまでしか認められていません。

100ドル以上の現金は帳簿に記載することが義務付けられています。

1800ドルを信託銀行から引き出したスティーブンは、手切れ金としてモリーに渡してオークリーの婦人クリニックまで送り届けました。

処置が終わったモリーは、事務所から追い出されてしまいます。

バーでのトムとの接触を嗅ぎ付けたのは、タイムズ誌の記者アイダ・ホロウィッチです。

明日の午後3時までに会談の詳しい内容を伝えなければ、新聞にリークされてしまいます。

情報を流してプルマン側に寝返ることを、スティーブンは本気で考え始めていました。

そんな最中にスティーブンに解雇を言い渡したのは、誰よりも忠誠心を信じるというポールです。

トムとの密会でこちらの手の内を何もかも明かしてしまったことを、ポールには許してもらえません。

背後で糸を引いていたのはトムで、すべては敵陣営を混乱に陥れるためです。

【結】スーパー・チューズデー 正義を売った日 のあらすじ④

頂点に上り詰めるために泥水を飲む

スティーブンの後がまにはベン・ ハーペンという若手が起用された頃、モリーがホテルでアルコールと処方薬の大量摂取によって亡くなりました。

モリス陣営は記者会見を開いて、モリーの死は不幸な事故であるとマスコミの前でアピールするのに必死です。

会見場に現れたスティーブンはモリーの携帯電話から連絡を入れて、ポールの代わりに自分を選挙顧問に起用するように要求しました。

携帯の通信データには中絶手術を浮けたことや、知事との関係について思い悩んでいたことが遺書として残されています。

要求通りに今後はスティーブンが選挙戦の指揮を執ることになり、事務所を去ってコンサルタントに転職したのはポールです。

副大統領のポストを約束した途端にトンプソンも仲間に加わったために、モリスの事実上の予備選勝利が決まります。

大勢の支持者に取り囲まれて拍手と歓声を浴び満面の笑みを浮かべるモリスに対して、スティーブンはステージ裏から冷ややかな視線を送るのでした。

スーパー・チューズデー 正義を売った日 を観た感想

民主的なプロセスよりも結果がすべてだという、アメリカ大統領選の内幕がリアリティーに描かれていました。

水面下で進行していく相手陣営への妨害工作や、自分たちが勝つためには何でもありの泥仕合にも圧倒されるでしょう。

状況判断に優れてクールに立ち回るスティーブン・マイヤーズを、ライアン・ゴズリングが華麗に演じています。

大統領へまっしぐらなマイク・モリス役には、その横顔に野心がみなぎるジョージ・クルーニーしかいません。

あくまでも映画の中だけの話で、現実の世界ではクリーンな選挙と速やかな政権の移行が行われることを願うばかりです。

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