監督:ファン・カルロス・フレスナディージョ 2008年1月に20世紀フォックスから配給
28週後…の主要登場人物
ドン(ロバート・カーライル)
ハリス家の父親であり、避難区域の地区統括官。妻アリスへの接触から、感染者になってしまう。
アンディ(マッキントッシュ・マグルトン)
ハリス家の子供で12歳の男の子。母アリスの遺伝により左右の目の色が茶とグリーンで、異なる。
タミー(イモージェン・プーツ)
アンディの姉。しっかり者で、常にアンディを守ろうとする。
ドイル軍曹(ジェレミー・レナー)
アメリカ陸軍の特殊部隊のスナイパー。銃の腕は抜群である。
スカーレット(ローズ・バーン)
アメリカ陸軍の医務官の最高責任者。
28週後… の簡単なあらすじ
イギリスにウィルスが発生してから28週間後。
限られた区域では安全宣言が出され、海外に避難していた住民の帰国が許されます。
ドンの子供らも無事、帰国。
ドンから母親アリスが亡くなったと聞かされた子供らはアリスの写真を求め、安全区域外にある家に戻ります。
しかしそこでアリスが生きているのを発見!3人は軍隊に保護されますが、検査の結果アリスは感染者であり無症候性キャリアだと分かります。
しかし夫のドンの安易な行動により、復興しかけていた街がたちまち感染者であふれかえりました。
ドイル軍曹やスカーレットは、アリスの遺伝を受け継いでいる子供を守ろうと必死です。
最後には子供らのみが生き残り、ヘリで救出されました。
28週後… の起承転結
【起】28週後… のあらすじ①
舞台はイギリス。
感染すると凶暴になるレイジ・ウィルスの繁殖により、ドンと妻のアリスは老夫婦らと一軒家をシェアし暮らしていました。
ドンとアリスには子供が2人いますが、幸い彼らが修学旅行に行っている間に感染が拡大したため、被害に遭わずに済んだのです。
感染は大幅に広がっており、建物の外には感染し変わり果てた人々が待ち受け、ゾンビのように襲ってきます。
ある日逃げてきた幼い子供を中に入れたことが引き金となり、隠れ家はたちまち感染者に知られてしまいました。
感染者らは大人数で押し寄せ、生存者たちを脅かします。
1人、2人とやられていき、ついにはドンの妻であるアリスが襲われそうになりました。
アリスはドンに助けを求めますが、ドンは恐怖のあまり家から飛び出し、1人で逃亡します。
ウィルスが人間に感染してから15日後、英国本土で隔離措置がとられました。
さらに28日後には、英国本土がレイジ・ウィルスで壊滅します。
5週後に感染者が餓死により死に絶え、11週後には米軍主導でNATO軍がロンドンへ入ります。
18週後の英国本土では、もはや感染の恐れもなくなり、24週後には復興が始まりました。
そして28週後、ロンドンの一部の区域には安全宣言が出され、他国に避難していた人も、帰国が可能になります。
ドンの子供であるアンディとタミーも、飛行機で帰国しました。
空港では感染者がいないかどうか、厳重にチェックされます。
米陸軍の医務官の最高責任者であるスカーレット少佐は、アンディの目の色が左右で異なることに気づきます。
アンディは「母の遺伝です」と答えました。
入国が許可された2人は、アイル・オブ・ドッグスに向かいます。
駅に着くと父親のドンが迎えに来ていました。
3人は再会の嬉しさに、抱き合います。
【承】28週後… のあらすじ②
ドンは2人を新しい住居に案内します。
ドンは地区統括官になっており、電力や水や暖房の管理を任されているのです。
最高責任者なので、ドンのカードキーではどこにでも入ることが可能でした。
高層ビルの住居は見晴らしもよく立派な住まいで、アンディは喜びます。
しかし、以前の家に戻ることは不可能でした。
ドンはアリスを見捨て逃げたことは隠しながら、彼女が亡くなったことを子供らに伝えます。
その晩アンディは「ママの顔を忘れそうだ」と嘆きました。
翌日アンディとタミーは危険区域だと分かっていながら、父親の目を盗んで住んでいた家へと向かいます。
母親アリスの写真を取りに行くためです。
しかしそのようすを、アメリカ陸軍の特殊部隊のドイル軍曹が見張っていました。
ようやく家にたどり着いた2人は、薄暗い室内に入り込み写真を得ます。
その後、アンディが2階の部屋でアリスが生きているのを発見しました。
実は家の外には軍の人々が待ち受けており、3人は無事保護されます。
アリスは検査の結果感染者だと判明しますが、無症候性保菌者であったため、凶暴になっていなかったのです。
一方ドンはアリスが生きていたことに驚きますが、ウソをついたと子供達に責められます。
ドンはどんな施設でもパスできるカードキーを持っていたので、妻アリスへの謝罪の意味も込め勝手に見舞いに行きます。
そして、ベッドに拘束されているアリスにドンはキスをしました。
【転】28週後… のあらすじ③
たちまち感染者となってしまったドンは、人が変わったようにアリスを攻撃し、さらには軍人や研究者らを襲います。
その後あっという間に感染者が増え、一般市民も巻き込む非常事態となりました。
ドイルら軍人には、逃げる人々の中から感染者を狙い、撃つように指令が出されますが、遠方から生存者と感染者を見分けるのは至難の業でした。
そこでストーン准将は「コード・レッド」という指令を下します。
「コード・レッド」は生存者、感染者を問わず全住民を惨殺するという極めて恐ろしい指令でした。
ドイルはビルの上からふっとアンディを見かけ、彼を助けるために持ち場を離れます。
実はドイルは、仲間のフリンにヘリで拾ってもらう約束をしていました。
場所は安全ゾーンの外にあるリージェンツ・パークという遊園地です。
ドイルはアンディとタミー、それにスカーレットと途中で合流した一般市民サムを連れ合流場所を目指し、何とか到着します。
スカーレットは「アリスの免疫が遺伝として、2人の子供に引き継がれている可能性がある。
だから子供らの命は私の命より大切だ」とドイルに話しました。
しかしようやくヘリで現れたフリンは、「民間人を乗せて基地に戻れば襲撃される。
ドイル以外の人は乗せない」と言って聞きません。
サムはヘリのスキッドにつかまりますが、もめている内に感染者がやってきて、結果サムはヘリから振り落とされてしまいます。
残りの4人は一目散に逃げました。
フリンは無線で「次はスタジアムだ」と落ち合う場所を告げ、「そいつらは見捨てろ」と言います。
【結】28週後… のあらすじ④
4人が廃虚の街の中を走っていると、今度は毒ガスがまき散らされています。
これも「コード・レッド」によるものでした。
そこで一同は、その辺にある車に乗り込みます。
しかしエンジンがかからなかったため、ドイルが降りて車を押しました。
車のエンジンは掛かりましたがドイルは、火炎放射器の火で亡くなります。
自ら犠牲になったのです。
とうとう、子供2人とスカーレットのみとなってしまいました。
スカーレットは車を走らせ、目的地であるスタジアムへと急ぎます。
しかし軍が銃で襲撃してくるため、無理は承知で車ごと地下鉄の駅へ乗り入れます。
車を降りて地下に潜った3人は、予想以上に暗く周囲が全く見えないことに動揺します。
頼りになるのはスカーレットの銃の暗視スコープのみでした。
しかし周囲が見渡せないため、2人はアンディとはぐれてしまいます。
そんな時突如感染者が現れ、結果スカーレットも殺されてしまいました。
一方タミーは、必死でアンディを探します。
しかし、駅のホームを歩くアンディの目の前に感染したドンが現れ、彼にかみつきました。
それを見付けたタミーは銃でダンを打ち殺し、涙を流します。
タミーはアンディに歩み寄りますが、アンディは父親にかまれたので自分が感染したと悟り、あえてタミーから離れるように逃げます。
必死で追いかけるタミー。
アンディは転んでしましました。
歩み寄ったタミーに「僕はやつらの仲間なの?」と聞くアンディ。
しかしアンディは母親の遺伝のおかげで、感染しても発症していません。
タミーは「いいえ、違うわ」と答え、彼を抱き起こしました。
2人がスタジアムに向かうと、ヘリが停まっています。
フリンは2人に対して銃を向けますが、殺すことができずヘリに乗せました。
それから28日後、感染者らはパリのエッフェル塔に向かって、走り続けます。
28週後… を観た感想
『28週後…』は、感染症が広がる恐怖を描いたホラー作品『28日後…』の続編です。
本作品では主に、レイジ・ウィルスが人に感染してから28週間後のイギリスが描かれています。
登場人物は前作品と全く違いますが、お話としてはきちんとつながっていました。
また前回とは違ったシチュエーションでのストーリーになるので、ある意味新鮮さも感じられます。
『28日後…』と同様に凝った映像表現が目立ち、緊迫感のある独特な世界が描かれています。
感染者の動きが異様に速いのが恐ろしく、そこがこのシリーズの特徴とも言えるでしょう。
せっかく復興が始まったのに、たった1人の人物の不注意によって悲劇が起こるのだと思うと恐ろしくなります。
母親の写真のために安全区域を離れる子供、子供達に隠し事をする父親、感染のリスクを考えないあまりに安易な行動などが引き金となり、思ってもみなかった展開になっていくのが非常にショッキングです。
震え上がるぐらい恐ろしいホラー作品でした。
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