監督:ブライアン・ヘルゲランド 2016年6月にアルバトロス・フィルムから配給
レジェンド 狂気の美学の主要登場人物
レジナルド・”レジー”・クレイ(トム・ハーディ)
双子の兄弟の兄の方、ギャング。
ロナルド・”ロン”・クレイ(トム・ハーディ)
双子の兄弟の弟の方、ギャング。
フランシス・シェイ。(エミリー・ブラウニング)
レジーと恋仲になるヒロインの女性。
チャーリー(ポール・ベタニー)
敵対するグループのボス。
ジャック(サム・スプルエル)
レジェンド 狂気の美学 の簡単なあらすじ
舞台は1960年代のロンドン。
これは実在した双子のギャングをモチーフにした物語。
双子として生まれたレジーとロンの兄弟は、レジーは頭が切れる経営者としての資質を持ち、ロンは精神が不安定だが腕っ節が強く、共に冷酷なマフィアとしての頭角を次第に表していく。
そこへ部下であった運転手の妹であるフランシスという女性とレジーが出会い次第に惹かれ合っていき、良く思わないロンとレジーの間に溝が生まれ、事態は最悪な方向へと向かっていく。
レジェンド 狂気の美学 の起承転結
【起】レジェンド 狂気の美学 のあらすじ①
マフィアとして順調にキャリアを積むレジーは、警察の追跡もなんのそのです。
常に見張って車から様子を伺う警官2人に、気前よく紅茶を勧めます。
警察は受け取らなかったが、レジーは気を悪くすることなく部下の元へと戻り、運転手はまだ来ていないのか尋ねます。
寝坊だと言われ、ついでに呼びに行こうと車でその部下の元へ向かいます。
警察は相も変わらず着いてくるが間抜けな警察を欺くかのように車から降り、角を曲がったところを走り抜けうまく追跡から逃れ、部下の家に辿り着きます。
ドアを開けさせるとそこには小柄な女性が1人現れます。
誰だと尋ねると、その部下の妹のフランシスだといいます。
彼女は大学で速記を学んでいました。
フランシスが下から呼ぶと兄がすぐに向かいますと答えます。
途中母親が現れレジーを訝しげに見つめ、フランシスに家の中に入るよう告げます。
部下を待っている間にレジーはデートの約束を取り付け、フランシスはそれに朗らかに応対します。
それが2人の出会いでした。
【承】レジェンド 狂気の美学 のあらすじ②
レジーとフランシスはデートを重ね、お互いのことを深く思い合うようになっていきます。
フランシスは彼女の母親と喧嘩になるほどの交際の反対にあいますが、レジーへの思いは止められません。
フランシスはレジーに堅気の人になってほしいと訴えます。
レジーはそんなフランシスの覚悟に応えるように、また彼自身も手荒なビジネスから徐々にナイトクラブの経営に軸足を移していこうと奔走します。
フランシスとデートするため自分の経営する店に連れて行ったレジーは、部下に連れ出され、ジャックという手下が店の金を盗んだことを告げられます。
一瞬許す素振りを見せたレジーはタバコを咥えさせるふりをしてジャックの顔に一発お見舞いし痛めつけた後、何事もなかったかのようにフランシスの元へ戻ります。
レジーは恋人となったフランシスを紹介するため、ロンのところへ彼女を連れて行きます。
ロンは森の中のトレーラーハウス内に住んでおり、そこには彼の情夫であり部下でもある、テディもいました。
テディを追い払った後、フランシスとロンは初めて向き合いますが、ロンは落ち着きがなく支離滅裂で、フランシスは困惑しつつ、笑顔を作ります。
そこでロンはテディのことや自分が同性愛者であることをフランシスに話しフランシスを驚かせますが、レジーと2人でロンドンを支配するとフランシスの前で宣誓します。
【転】レジェンド 狂気の美学 のあらすじ③
一方その頃、レジーとロンと敵対している西側のグループ、チャーリーの一味がレジーを車で跳ね、抗争が勃発します。
チャーリーに和解を持ちかけられたレジーとロンは交渉の場であるビッグ&ホイッスルに向かいますが、そこで待ち構えていたのはチャーリーの多人数の部下たちでした。
チャーリーは和解などサラサラする気がなかったのです。
そこでロンは憤慨して出ていき、残ったレジーを部下の1人が挑発します。
レザーは落ち着いてビールを一口飲むと、応戦する仕草を見せます。
不意をついて見せに戻り後ろから攻撃し始めたロンと共に相手を返り討ちにし、この抗争はレジーとロンの勝利となります。
レジーは上流階級を集客の主としたレストラン経営をしていき、有能な弁護士とも手を組み、徐々に経営の才能を発揮していきます。
ロンは成功していくレジーが気に食わず、レジーが刑務所にいる間に店をめちゃくちゃにしフランシスを罵りレジーと喧嘩になりますが、正気になるとレジーに許してほしいと懇願します。
レジーはフランシスにプロポーズし、彼女はそれを受け入れます。
結婚式当日、フランシスの母親は喪服の黒を着ていました。
フランシスは緊張した面持ちで兄に腕を預け前へ進み、後ろで母親に笑えと命じているロンの言葉を背に微笑みます。
【結】レジェンド 狂気の美学 のあらすじ④
結婚し夫婦となったフランシスとレジーは同じアパートに住みますが、一度は堅気になり始めたレジーも、徐々に元の世界に戻り始めます。
すぐ上の階にはロンが住んでいて、夜な夜なパーティを開き喚き声を上げているような生活環境で、フランシスは徐々に精神のバランスを崩していき、睡眠薬を飲むなど薬に頼ることの多い生活になっていきます。
ある日ロンが目撃者が多数いるバーで敵対していた男を撃ったことで、長年レジーとロンを見張っていた警察も再び動きだします。
目撃者であるバーの女主人は警察署に呼び出されこの中に犯人はいますかと尋ねられますが、目の前にロンがいるにも関わらずいませんと答えます。
レジーの実家に向かう道中で偶然会った女主人がレジーに恐れおののき避けるのを見て、フランシスは彼が根回ししたことを悟り、問い詰めます。
レジーは話をしただけだと告げますが、フランシスは踵を返し家に戻ります。
その夜レジーからDVを受けたフランシスは家を出て兄の元に行き、レジーは謝りやり直そうと言いますが、フランシスは自殺してしまいます。
その後レジーは不安定になり公の場でジャックを殺してしまいロンと共に逮捕、2人とも30年以上も刑務所で過ごした後に病気で亡くなり人生を終えます。
レジェンド 狂気の美学 を観た感想
実在の双子のギャングというのが驚きです。
レジーは経営の才能もあり成功欲もあり、どんどん出世していきますがその度にロンに妨害され愛する女性との間に板挟みになり苦悩し始めます。
もしロンを身内の目線でなく客観的に見て、刑務所に入れることができたら、精神病院で適切な治療を受けさせることができたら、そう考えずにはいられない作品です。
ロンの方も1960年の保守的な時代に同性愛を公言しそれをダシに政界に取り入るなど、只者じゃない人物であることが窺えます。
ロンドンで活躍したギャングの話は珍しいので、一見する価値はあります。
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