監督:デイミアン・チャゼル 2015年4月17日にギャガから配給
セッションの主要登場人物
アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)名門音楽大学に入学したドラマー。テレンス・フレッチャー(J・Kシモンズ)学院最高の指導者でありながら、パワハラの常連。罵詈雑言は当たり前で、素晴らしい演奏をすることに命すらかけている。ジム・ニーマン(ポール・ライザー)アンドリューの父。アンドリューの理解者であり、優しき教師でもある。ニコル(メリッサ・ブノワ)映画館で働く女性。アンドリューと付き合うことに。
セッション の簡単なあらすじ
2014年に公開され、話題になった映画です。
J・K・シモンズはこんなにも鬼気迫る演技が出来るのか、と感じる映画であり、アカデミー助演女優賞受賞など功績に輝いています。
19歳のアンドリュー・ニーマンは偉大なドラマー、「バティ・リッチ」に憧れを抱き、名門音楽大学に乳がしたドラマーです。
そんなある日、最高の指導者であるテレンス・フィッチャーに出会います。
しかしその時には何も言われず、後に初等クラスに現れたフィッチャーに最上位クラスへと引き抜かれます。
そこから彼の地獄の日々が始まるのです。
ラスト10分間から目が離してはいけない映画です。
セッション の起承転結
【起】セッション のあらすじ①
ニーマンは19歳になる大学生です。
専攻はドラムで、名門音楽大学に籍を置いています。
ニーマンはその日ドラムの練習をしていました。
教室内で一人、ドラムを叩いていたのですが、そこに一人の男性がやってきます。
直ぐに気づきますが、彼は学院最高の指導者・テレンス・フィッチャーでした。
彼を見るなり演奏を止めたニーマンに、フィッチャーは何故演奏を止めたのか問います。
緊張の中演奏を再び開始した彼に、フィッチャーは何も言わずに教室を出ていきます。
後日、ニーマンが学ぶ初等クラスに突然フィッチャーが乱入してきます。
次々に楽器を演奏させる中、罵倒も忘れません。
一人の女子には「美貌だけで来た」とまで言います。
そんな中、ドラムの演奏をさせ、ニーマンを引き抜きます。
引き抜かれた先は最上位クラスであるスタジオバンドです。
その日父と出かけた映画館で一人の女性に声を掛けます。
受け付けに居た女性・ニコルです。
良い雰囲気になり、デートに誘います。
少しづつ人生が良くなっているのを感じるニーマンは、翌日寝坊をしてしまいながらも、スタジオ・バンドの練習に出向きます。
まだ誰もいないスタジオに一人座り、待っていると、少しづつ人が入ってきます。
楽器の調整を行いながら、楽しそうな雰囲気の中、もう一人のドラマーがやってきて調整を頼まれます。
そんな中で音合わせ、との声で一気に緊張感が高まります。
そして9時丁度・フレッチャーが到着します。
フレッチャーは楽譜を指指し、今日の演奏部分を指示。
そしてニーマンの紹介を軽く済ませ、演奏を開始します。
彼の指の動きで演奏は始まります。
あまりにも美しい戦慄。
ニーマンは聞き惚れてしまい、ページを捲るのを忘れます。
しかしその中でも一人ズレている人物が居ます。
彼にフレッチャーは卑猥な雑言を吐きます。
ニーマンは呆然としながらその中にいます。
そうしている中で音程のズレている人間を探し出します。
【承】セッション のあらすじ②
そうする中で次なる標的はニーマンへと向きます。
ニーマンはテンポが違う、と理由のみで椅子を投げつけられます。
他の人間が見る中での様は彼のプライドを深く傷つけました。
そうしてニーマンは改めて猛特訓を始めるのでした。
バンドはコンテストに出場することになります。
主奏ドラマー、タナーの楽譜めくりを担当するニーマンはひょんなことで彼の楽譜を無くしてしまう失態を冒します。
おまけに棚ーは楽譜がないと演奏が出来ない記憶障害を持っていました。
そのため暗譜が出来ないんです。
そのことでニーマンは自身に叩かせて欲しいと進言します。
代奏をニーマンが演奏し、コンテストは無事に終了します。
その後の練習で、タナーはコンテストで演奏出来なかったことで、主奏者を下ろされ、代わりにニーマンが主奏者になります。
優越感に浸るニーマンでしたが、周りにはあまり良く思われていません。
親戚たちもスポーツのことなら評価するのに、音楽のことでは評価は低いのです。
必死で練習を続けるニーマンでしたが、ニーマンの前に初心者クラスで一緒だったコノリーを呼びます。
そしてニーマンは臨時であると告げます。
そうしてニーマンとコノリーは演奏合戦を始めます。
しかし上手く叩けたと評価されたのはまさかのコノリーでした。
自身の評価されない事実に激怒しながら、恋人であったニコルとも別れ、ドラムに狂信的になっていくニーマン。
手からが血が滲むようになります。
【転】セッション のあらすじ③
そんな中、フレッチャーはかつての教え子が事故で死去した事を話します。
そのままリハーサルを始めると、ドラマーの3人に強烈な指導を始めます。
まるで八つ当たりです。
何時間もドラマーの3人を酷使し、罵詈雑言の数々。
食らいついて行ったニーマンを主奏者に指名するのです。
コンペティション当日。
会場へ行く途中でバスが故障します。
仕方なくレンタカーショップで車を借り、会場へ向かいますが、まさかのドラムスティックを店に忘れたことに気づきます。
回収し、会場へ向かう途中電話をしながらだったため、信号無視をしていまい、横からトラックに突っ込まれてしまいます。
ニーマンはそれでも会場へと向い、血まみれのままスタンバイ。
しかし怪我が酷く、まともな演奏ができません。
そのニーマンを見たフレッチャーは優しい声をかけるでもなく、ニーマンの終わりを告げました。
我を忘れたニーマンはフレッチャーに殴りかかります。
この事件によって退学処分を受けたニーマン。
プロになることは叶わなくなりました。
大学は転向を余儀なくされ、虚しい日々が続きます。
ドラムからも離れることにします。
そんな中、父は息子を守るために以前フレッチャーが語っていたかつての教え子の弁護士に接触していました。
弁護士によると、かつての教え子は実は自殺であったことが告げられ、原因の一つ二フレッチャーの指導の仕方に問題があったと告げます。
ニーマンはフレッチャーを学院から追放するために匿名の証言を依頼されます。
ニーマンには今までのことを思い出すと、そんなことはしかねると突っぱねますが、父からの説得により受け入れることにします。
【結】セッション のあらすじ④
数ヶ月が経ち、ドラムを無くしたニーマンは虚無な日々を過ごしていました。
そんな中、ジャズクラブの前でフレッチャーの演奏が聞けることを知り、中に入ります。
フレッチャーは以前とは違い、優しく声をかけてきました。
そうしてフレッチャーの近況を聞くと、案の定学院を追放されていました。
しかし彼は」偉大なミュージシャンを育てたかった」と話します。
そうして心を通わせる中、音楽祭に出場するのだが、ドラムの素質が足りないことを話されます。
ニーマンは自身が演奏できる曲だと聞き、快くENTHすることにします。
そうして改めてニコルに連絡を取り、フェスティバルに誘います。
しかし彼女には新しい恋人がいることを同時に知ります。
全てが上手くいくわけではないと感じながら、に=まんはフェうティバルに出演します。
しかしフレッチャーが話した演目は事前に聞いた内容とは全く異なり、ニーマンには叩くことができませんでした。
実はそれは人前で恥をかかせ、引きずり落とすためのフレッチャーの仕返しでした。
一度は舞台を降りたニーマンに父は優しく声をかけます。
しかし彼はすぐに舞台へとあがり、勝手にドラムを叩き始めます。
困惑しながら他の演奏者も演奏を初め、フレッチャーですら困惑します。
仕方なしに指揮を取りますが、ニーマンの演奏に惹かれていく自身も居ました。
最後のドラミング、そしてニーマンとフレッチャーは視線を合わせ、最高の演奏を終えるのでした。
セッション を観た感想
この映画でフレッチャーを演じたJ・Kシモンズは映画「ジュノ」の父役や海外ドラマ「クローザー」などでお馴染みの俳優さんです。
こんなにも血管の浮き上がるような演技は初めて見たので、初見ではかなり驚きました。
それと同時に演技派であることにも気付かされました。
鬼気迫る内容でかなり恐怖を感じる場面もありますが、完成されたラスト10分の衝撃は何度観ても面白いし、印象的です。
ところどころで努力が滲む指のシーンが痛々しく、プロや本物になるということはこういうことなのだ、と見せつけられるような映画でした。
主人公の表情もどんどん変化していくのがとても良い映画でした。
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