映画「私の中のあなた」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|ニック・カサヴェテス

私の中のあなた

監督:ニック・カサヴェテス 2009年10月にギャガから配給

私の中のあなたの主要登場人物

アナ・フィッツジェラルド(アビゲイル・ブレスリン)姉であり、白血病のケイトの命を救うために作られた子供。11歳。ケイト・フィッツジェラルド(ソフィア・ヴァジリーバ)アナの姉。白血病を患っている。サラ・フィッツジェラルド(キャメロン・ディアス)ケイト・アナ・ジェシーの母。弁護士だったが、ケイトの看護の為に辞めることに。ジェシー・フィッツジェラルド(エヴァン・エリソン)ケイト・アナの兄。学習障害を持っている。キャンベル・アレクザンダー(アレック・ボールドウィン)アナの弁護士。勝訴率91%を誇る。てんかんの持病があるため、介助犬を連れている。ブライアン・フィッツジェラルド(ジェイソン・パトリック)ケイト・ジェシー・アナの父。消防士。

私の中のあなた の簡単なあらすじ

姉の命を救うために生まれた試験管ベビーのアナ。

彼女の姉であるケイトは4歳で白血病を発症します。

そんな中でアナはもう手術は嫌だと突っぱね、弁護士まで立ててしまいます。

どうしてアナはそこまで嫌がるのか。

両親を訴えた少女役を演じるのは、「リトル・ミスサンシャイン」で可愛らしいぽっちゃりとした少女を演じたアビゲイル・ブレスリンです。

母役にはキャメロン・ディアスが演じ、花を添えます。

家族愛に涙を流すこと間違いなしな映画です。

私の中のあなた の起承転結

【起】私の中のあなた のあらすじ①

突然の反抗

アナはその日、毎日身につけていたネックレスを質に入れに行き、お金を得ます。

母は姉のケイトが白血病を患ったことで、弁護士の仕事を辞め、彼女ために家中を消毒し、幸せな毎日を送ることに徹しています。

少し過保護に感じる母・サラですが、子供たちとは中が良いのです。

父、ブライアンは消防士。

しかし今の日々は砂の城だと感じています。

そんな中、ケイトの再び具合が悪くなります。

それからすぐ、ジェシーとアナはある人物を訪ねます。

弁護士のキャンベルのところです。

彼の元には介助犬がいました。

アナは彼に両親を訴え、自分の体を守りたいと言います。

キャンベルは驚きますが、アナが言う臓器移植や自身の出生についての話は本当でした。

全てカルテに記載されているのです。

腎臓を提供しないことで、ケイトが死ぬことは分かっています。

しかしアナはそれを拒否したいのです。

キャンベルはその依頼を受けることにします。

数年前、母であるサラはケイトが発病した頃のことを思い出します。

朝からぐったりとして、背中に痣があったのです。

検査の結果、白血病と分かります。

父は結果を信じられず、ヤブだと言います。

話は現代に戻ります。

ジェシーはケイトが病院へ運ばれていく様を見て、彼女の容態の深刻さを感じています。

親戚も集まり始めたこともきっかけです。

ケイトは白血病が再発していたのです。

再び過去へ。

ケイトとの骨髄の型は両親・ジェシー共に一致せず、医師が3人目の子を作ることを提案します。

ケイトとの型が一致する子供を作る、と言うのです。

【承】私の中のあなた のあらすじ②

母との対立

母、サラの元に裁判所への召喚礼状が届きます。

内容は腎臓提供に対する拒否により両親を訴えたアナの話でした。

サラはアナを攻撃し、拒否します。

父は仕方なく消防署へとアナを連れていきます。

その中で笑うアナを見て父は幼い頃のアナに酷いことを強要してきたと感じます。

しかし母はそれを受け入れられず、父をも攻撃します。

父はアナの意見に好意的、母は否定的でした。

そのまま母はキャンベルの元を訪れ、今回の裁判について話し合います。

そこで母の行き過ぎな治療を責めます。

話し合いは結局裁判へ。

その頃のケイト。

病室でこれまでの写真のコラージュを見ています。

兄のジェシーはケイトが病気になってしまったことで、学習障害があることに気づかれず、結局別の学習障害児の施設へと送られてしまうことになります。

アナにいたっては沢山困難を背をわせてしまったことに後悔しています。

そうしている中、裁判が始まります。

裁判長はキャンベルとサラを別室に呼び、今回の訴えを聞きます。

キャンベルは一時的に親権の停止を求めます。

サラはアナが意味を分かっていないと抵抗し、訴えの取り下げを求めます。

裁判長はアナと話をしたいと言い、面会します。

アナと面会した裁判長はケイトとの関係を聞きます。

思ったことをすぐ口にしてしまうアナは裁判長の亡くなった子供のことを聞いてしまい、彼女を泣かせて泣かせてしまいます。

すると裁判長は「死は恥じるものではない」と言います。

そして裁判をすることを決定します。

その頃ケイトの病状はどんどん悪くなっていました。

医師には自宅に戻るか、ホスピスを勧められます。

それを見つめるケイトはある人物を思い出します。

付き合っていた彼、テイラーです。

彼も骨髄性白血病を患う男性でした。

二人はデートを重ね、病院でのダンスパーティーに参加します。

ウィッグを付けて美しく変身したケイト。

しかしその直後、テイラーから連絡が無くなります。

【転】私の中のあなた のあらすじ③

誰がアナを救うのか?

テイラーからの連絡が無くなり、ケイトは自暴自棄になります。

遊ばれたのだと怒りを顕にしますが、看護師からテイラーが亡くなったことを告げられます。

ケイトはそのことで生きる気力を無くしてしまいます。

彼が支えだったのです。

訴訟の準備をするサラに、妹のケリーは現実が見えていないと告げます。

そんな中父のブライアンはケイトの行きたい場所に連れていきたいと思い、医師に相談します。

一日だけ快く許可してくれた医師に感謝を示しつつ、サラとは喧嘩になりながらも家族で海に出かけます。

座っていることしかできないケイトですが、その眼差しは幸せそうでした。

病院へと戻ったケイトを医師は温かな眼差しで迎えます。

裁判所で裁判長はどうしてもここでしか結論が出せないと結果付、ケイトの病状が医師たちが証言します。

ケイトは5歳まで生きられなかった、と。

アナによって生きながらえてきたことを。

不安になったアナはケイトに電話をかけます。

「これ以上できない」と。

母のサラが証言台に立ちます。

しかし話の中心はケイトでしかなく、処置当時のアナの年齢が答えられません。

キャンベルが言います。

「誰がアナを救うのか」と。

次はアナが証言台に立ちます。

テイラーの死後、自暴自棄になったケイトを見てきたアナは臓器提供の拒否を続けます。

そこにジェシーがやってきます。

そんな中でキャンベルの犬が吠えます。

父がジェシーの話を聞くことに。

すると驚愕の真実が露呈するのです。

ケイトは死にたいのだ、と。

【結】私の中のあなた のあらすじ④

ケイトが願うこと

アナが訴えを起こしたのは、ケイトに頼まれたからなのでした。

今まで何度もケイトはサラに訴えていたのです。

そんな中、キャンベルが突然法廷から去ります。

追いかけたアナの目に映ったのは、てんかんの発作で倒れる彼の姿でした。

彼はてんかんにより自身の体が自由にならない不便さを知っていて、アナに協力したのでした。

粗相をしてしまったケイトの介護をするアナ。

献身的な介護をされる中で、ケイトはもうおしまいだと告げます。

「自由にして」と。

てんかんの発作が治まったキャンベルが戻り、裁判所でケイトに頼まれて裁判を起こしたことを話します。

全てはケイトがアナにどうするかを指示してきたのです。

死んでももしかしたらテイラーに会えるのではないか、と。

そして自分が死んでも、モンタナにいると告げます。

裁判長は結論を出す前にケイトに会うことにします。

そこで少し話をした2人。

最後に、と親戚や家族がケイトの周りにやってきます。

アナは今回の裁判のことを謝ります。

その夜、ケイトは亡くなったのです。

ケイトのお葬式が行われ、沢山の人が参列しました。

その直後、アナの元にキャンベルが訪れました。

彼の手には勝訴の手紙が。

ケイトは勝訴を知る前に亡くなってしまいましたが、結果としてケイトは救われたのでした。

それから数年後。

母、サラは弁護士に復帰します。

父は問題を抱えた青年たちの力に。

ジェシーはアートスクールへと通学を始めました。

しかし家族は毎年いつも同じ場所を訪れます。

ケイトがいなくなってしまっても、家族はそこにありました。

母とアナはやっと信じ合える親子になったのでした。

私の中のあなた を観た感想

この映画では姉、ケイトの演技が光ります。

彼女の演技力が下手であったらこんなにも泣ける映画はできなかったと思います。

また妹・アナ役に「リトル・ミスサンシャイン」での可愛らしかった少女・エヴァン・エリソンが演じていました。

彼女の表情も子供らしくて素敵でした。

姉であるケイトを演じたソフィア・ヴァジリーバは、海外ドラマである「ミディアム」でも光る演技をしており、かなり演技派であることが伺えます。

この二人を軸に母役、キャメロン・ディアスのよくパニックになる演技はとても良かったです。

中盤〜ラストまで泣ける展開の連続ですが、かなり引き込まれ、考えさせられる映画でした。

大好きな映画の一つです。

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