監督:英勉 2012年5月に角川映画から配給
貞子3Dの主要登場人物
鮎川茜(石原さとみ)
主演。女子校の教師。
安藤孝則(瀬戸康史)
茜の恋人。茜とは一緒に住んでいる。
貞子(橋本愛)
動画から抜け出てくる長い髪の女性。
榎木(染谷将太)
孝則の同僚。
森崎典子(喜多陽子)
茜の生徒。動画による被害者。
北山理沙(高良光莉)
茜の生徒。動画による被害者。
小磯勇吾(田山涼成)
茜の生徒の死を捜査する刑事。
柏田清司(山本裕典)
ニコニコ動画で生放送の配信を行った謎の男。生放送中に死亡する。
貞子3D の簡単なあらすじ
茜の勤める高校で、見た人が死ぬという「呪いの動画」が噂になります。
動画を見たと思われる生徒の典子が、窓から転落死。
さらに生徒の理沙が、パソコンのディスプレイから飛び出してきた女に、長い髪で締め上げられます。
そして、孝則も動画を見た後、女にさらわれてしまいます。
この女は、数十年前に死亡した貞子という少女でした。
彼女には実体がなく、自分の体となる器を探していました。
茜は孝則を見つけるため、貞子のいる場所に向かいますが、そこで貞子に体内に入られてしまいます。
しかし、意識を取り戻した孝則が、貞子が抜け出てきたスマートフォンのディスプレイを破壊し、茜は助かります。
貞子3D の起承転結
【起】貞子3D のあらすじ①
茜の勤める高校で、「呪いの動画」が噂になっていました。
動画内で人が死に、その動画を見たものも死んでしまうと言われる動画です。
生徒がその動画を授業中に探していたことから、茜はその存在を知ります。
その生徒のスマートフォンを、茜は電源を切って一時没収します。
しかし、電源を切ったはずなのに勝手に電源が入り、スマートフォンの画面にはインターネットの「404 File Not Found」の文字が見えていました。
その日、茜が家に帰ると、孝則の同僚の榎木が、パソコンで呪いの動画を探していました。
榎木が言うには、その動画は元はニコニコ動画の生放送で、その動画内で男が自殺しており、生放送の後には、ニコニコ動画の管理者も自殺しているというのです。
生放送を見た視聴者にも死者が出ているという噂もあり、その生放送を保存していた視聴者により、ゲリラ的にネット上にアップされるようでした。
ニコニコ動画の管理者の死亡は事実であるものの、このときは、茜も孝則も呪いの動画の存在を本気にはしていませんでした。
【承】貞子3D のあらすじ②
茜の授業中に動画を探していた典子が、自宅で転落死します。
典子の転落直後、「おまえじゃない」という声が聞こえますが、それは誰にも聞かれることはありません。
典子の死の連絡を受けて激しく動揺する茜。
過呼吸のような症状を見せると、茜のそばにある家具やコップが茜の動揺に共鳴するように激しく震え始めるのです。
典子は自殺と思われましたが、高校に来た刑事の小磯は、スマートフォンと一緒に転落した典子の様子を不審に思っていました。
理沙は茜に、典子は呪いの動画を見ていたのではないかと訴えます。
その様子を見ていた小磯は、動画の出所を調べるよう依頼し、その結果、ニコニコ動画の管理者はもとより、生放送を見ていた5人の視聴者が全く同じ時間に死亡していたことが判明します。
そして、典子を含め、複製された呪いの動画を見たと思われる人物の死も相次いでいました。
生放送を配信して自殺したのは、柏田清司という男。
そしてまた、理沙も校内で呪いの動画を見てしまいます。
動画内で柏田は、「Sの復活」と口にしており、Sが人間全てを排除するという言葉の後、見えない何かにつり上げられるようにして死亡します。
動画が終わった直後に、パソコンのディスプレイから女が飛び出してきて、長い髪で理沙の首を締め上げますが、そのとき部屋に飛び込んできた茜が叫び声を上げると、「おまえだ」という声を残して女は姿を消します。
しかし、茜の叫び声によってパソコンのディスプレイが割れる現象が起き、理沙は茜に対しておびえる様子を見せるようになってしまいます。
【転】貞子3D のあらすじ③
茜は榎木から、動画の犠牲者は皆、「おまえじゃない」という声を聞いていると言われます。
しかし、茜が髪の長い女にかけられたのは、「おまえだ」という声でした。
聞こえてきた声が他の被害者と違うことに茜は疑問を感じます。
ディスプレイが怖い茜は、孝則にもパソコンを使わないように頼むのですが、孝則のパソコンがひとりでに起動し、呪いの動画を再生します。
またもやパソコンのディスプレイから女が飛び出してきて、茜につかみかかりますが、茜の叫び声で姿を消しました。
残されたのはやはり、「おまえだ」という声でした。
茜と孝則は家の外に逃げ出しますが、宣伝用トラックのディスプレイから女が飛び出してきて、孝則をディスプレイ内にさらっていってしまいます。
孝則が消えてしまった後、小磯を待つ間に、茜は学生時代を思い出します。
茜の叫び声で割れるガラス。
周りの生徒は、不思議な力を持つ茜を遠巻きにしていましたが、同級生の中で唯一孝則だけは「人を守る大切な力だ」と言ってくれるのでした。
茜は小磯に対して、髪の長い女は実体を持っていないから、体となり得る器を探しているのだ、と言います。
そしてそれはおそらく、茜なのでした。
【結】貞子3D のあらすじ④
小磯は、呪いの動画も、ディスプレイから女が飛び出してくることも、孝則の失踪時の話も信じられないでいましたが、目の前で同僚がピストル自殺したことをきっかけに、柏田の家を再度調べ直します。
柏田の家で壁に違和感を感じて近づいていくと、壁の模様が蛾の形を取っていっせいに羽ばたき、その後の壁には「貞子(S)の復活」の計画が書かれていたのでした。
貞子は何十年も前に死んでいますが、彼女は念力のような力を持っていたために、人々から迫害され、最後には生きたまま井戸に投げ捨てられて死に至りました。
その貞子が茜を器にしようとしたのは当然ともいえることでした。
柏田は貞子を復活させるため、器のための女性を誘拐し井戸に投げ入れることを繰り返していたのです。
動画は器探しをさらに加速させるためのものでした。
茜と小磯は井戸のある場所に向かいます。
そこに孝則もいるはずでした。
井戸からは人間が四つん這いで這い回るような姿の化け物が現れ、小磯は襲われて死亡します。
なんとか化け物たちから逃れた茜の前に、スマートフォンのディスプレイから抜け出た貞子が現れます。
一度は、貞子に体内に入り込まれてしまう茜ですが、意識を取り戻した孝則が、スマートフォンを破壊すると、貞子は消えて茜は助かります。
貞子3D を観た感想
日本のホラー映画「リング」シリーズの第5作目の作品です。
「リング」と同様、「呪いの動画」を見ると呪われてしまいます(「リング」では「呪いのビデオ」でしたが)。
主人公に危機が迫るような話は、身近な人に裏切られたりしないか、ドキドキしてしまうのですが、この映画では孝則は終始、茜の理解者です。
ホラー映画という怖さはあれど、一番そばにいる人が一番の味方になってくれる安心感があります。
その代わりと言っては何ですが、孝則の同僚の榎木が不安感をあおる役どころになっています。
この映画は、ジャパニーズホラーらしい湿っぽい怖さではなく、怖い相手や現象にわーきゃーやってるうちに終わっているという、パニック要素の強いからっとしたホラー映画でした。
思わず後ろを振り返ってしまうようなゾワゾワ感はあまりないので、特にジャパニーズホラーはダメ、という人でも観られると思います。
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