監督:行定勲 2007年9月29日に東宝から配給
クローズド・ノートの主要登場人物
堀井香恵(沢尻エリカ)
小学生教師を目指す女子大生。大学ではマンドリンのサークルに加入しており、万年筆専門店でアルバイトをしている。
石飛リュウ(伊勢谷友介)
イラストレーター。忘れられない女性がいる。
真野伊吹(竹内結子)
ノートの持ち主。新任の小学生教師。
クローズド・ノート の簡単なあらすじ
小学生教師を目指すごくごく普通の女子大生が、引越し先で偶然見つけた、前の住人のものとみられる一冊の日記ノートを覗いてしまい、その日から日記ノートに心を奪われる。
日記ノートに描かれた、恋愛と仕事に奮闘する持ち主のひた向きな姿から、出会いよって生まれる絆の尊さや純粋な気持ちを学び、恋をして、魅力的な女性へ成長していくまでの物語。
クローズド・ノート の起承転結
【起】クローズド・ノート のあらすじ①
小学校の教師を目指す女子大生の沢尻エリカが演じる堀井香恵が引っ越し先の部屋で、何やら前の住人のものと思われる一冊のノートを見つけ、このノートを香恵は見てしまいます。
ノートの持ち主は、竹内結子が演じる真野伊吹のもので、日々新任小学生教師として奮闘する伊吹の姿が描かれていました。
日記という他人の秘密を覗いてしまった香恵。
そこからストーリーは意外な方向へ進みます。
香恵は万年筆の専門店でアルバイトをしていて、そこへひとりの男性がやってくるのですが、その男性が伊勢谷友介が演じる石飛リュウ。
実は香恵が引っ越してきた時に不思議そうに香恵の部屋を外から見上げる男がいて、その男とアルバイト先で再開した香恵は、何度か店を訪れたリュウを気にするようになります。
万年筆を探しに香恵の働く万年筆店に度々訪れる石飛リュウは、試作品である万年筆を気に入ります。
非売品であったため、購入する事ができない旨を伝えるのですが、どうしても納得いっていない様子の石飛リュウ。
そこに万年筆店の社長が現れ、欲しいものが持てばいいと購入の許可がおります。
お気に入りの万年筆を手にした石飛リュウは満足して帰って行きます。
【承】クローズド・ノート のあらすじ②
その日から石飛リュウが気になっていた香恵でしたが、万年筆店に石飛リュウが現れる事はありませんでした。
石飛リュウを気にしている香恵に気づいた万年筆店の先輩が、新聞を見ていた所、石飛リュウの名前を見つけます。
そして香恵は石飛リュウがイラストレーターだった事に気づきます。
そして香恵が読み進めた日記の内容には、図書館で再開した大学時代の友人、隆への思いと、伊吹が不登校の女子生徒の事で悩んでいる様子が記されていました。
日記に記された伊吹の思いに胸を痛め、物思いに耽る香恵は、ある日部屋の窓の外に石飛リュウの姿を発見します。
石飛リュウは香恵に、部屋の中を見せて欲しいと頼みます。
香恵は石飛リュウを部屋へ案内し、マンドリンを披露します。
マンドリンを弾く香恵を見て、石飛リュウは香恵をモデルにスケッチを始めます。
香恵はどんどん石飛リュウに惹かれて行きます。
日記の中の伊吹は、不登校を続ける女子生徒のためにクラス全員で合唱コンクールへの出場を決めます。
不登校の女子生徒には受け入れてもらえず、頭を悩ませますが、ここでも大学時代の友人隆の事が記されていて、落ち込んでいた伊吹でしたが、隆のおかげで前向きな気持ちになれたと語っていました。
伊吹の隆への思いと、香恵の石飛リュウへの恋する思いがここでリンクします。
【転】クローズド・ノート のあらすじ③
ある日、石飛リュウから個展を開く事を聞いた香恵は、自分に何かできる事はないかと石飛リュウに聞きます。
またマンドリンが聞きたいという彼のためにマンドリンを練習する香恵。
日記の伊吹は不登校の女子生徒が立ち直り、クラス全員で合唱コンクールに出場できた喜びを記していました。
自分を信じて諦めずに努力し続け、願いを叶えた伊吹に、香恵は背中を押されます。
石飛リュウに自分の思いを伝える事を決心した香恵は、石飛リュウの部屋へ向かいます。
壁越しに思いを伝える香恵ですが、奥にいたのは石飛リュウではなく、彼の仕事仲間の星美という女性でした。
星美は香恵にある事実をつきつけます。
石飛リュウにはずっと忘れられない女性がいて、石飛リュウが香恵をモデルに描いたスケッチは、実は香恵ではなく、石飛リュウが忘れられない女性である事がわかります。
部屋の壁に貼ってあった紙切れの裏側に女性がスケッチされていました。
紙切れは答案用紙で、日記の中の伊吹が無くした生徒の答案用紙でした。
ここで石飛リュウが忘れられない女性が伊吹であり、伊吹の日記の登場人物である隆が石飛リュウの本名であり石飛リュウである事がわかります。
【結】クローズド・ノート のあらすじ④
石飛リュウと伊吹は思いあっていた。
その事実に香恵は愕然とします。
その日の夜、香恵の部屋に現れた石飛リュウはこれまでの事を謝ります。
伊吹とリュウはすれ違ってしまったのか、伊吹に思いを伝えれなかった事を悔やんでいて、いまだ伊吹を愛しているという事も香恵に伝えます。
個展には来てほしいという石飛リュウに、香恵はおもわず自分ではダメなのかと言ってしまいます。
そして石飛リュウに振られてしまった香恵は、日記を伊吹に返す事を決めます。
伊吹が務める小学校に向かうのですが、そこで日記に記されていた不登校の女子生徒に出会います。
女子生徒達から伊吹の事を聞き出した香恵は、伊吹が終了式の日に事故に遭い、もう亡くなっている事を聞かされます。
不登校だった女子生徒は、終了式の前のお別れ会で伊吹が飛ばしたという紙飛行機を手渡されます。
それは、伊吹の日記の破り取られた最後のページでした。
最後のページを手に、香恵は石飛リュウの個展へ向かいます。
個展へ入った香恵は、自分をモデルに万年筆で描かれた伊吹の肖像画を目にします。
個展でマンドリンを演奏する予定だった香恵は、代わりに最後の1ページを朗読します。
朗読した最後のページを石飛リュウに手渡し、香恵はその場を去ります。
後日小学校に向かった香恵は、生徒に最後の言葉を伝えてきたと言います。
伊吹のクラスだった生徒達が伊吹に向けた思いをはせた紙飛行機を窓から外へ飛ばします。
そこに石飛リュウも現れ、生徒達が飛ばした紙飛行機を二人で眺めながら、伊吹のために絵を描き続ける事を伝えると、香恵も伊吹のような教師になると誓うのでした。
クローズド・ノート を観た感想
他人の秘密を除くという、悪い事をしているような、でもものすごく引き込まれてしまう気持ちが共感します。
生徒達と向き合い奮闘する伊吹と小学生教師になった未来の自分を自然と重ねてしまうの香恵ですが、たまたま同じ部屋に小学生教師と小学生教師の卵が住むなんて運命的だと思いました。
そしてまさかノートの持ち主が自分の好きな男性の想い人だなんて思いませんよね。
伏線になっていたシーンの謎が解けた時に、鳥肌が立ちました。
日記ノートを見る限り、伊吹はとても素敵な女性で、香恵の心境を考えるととても切なかったです。
私が一番印象に残っているシーンが、伊吹を忘れられずにいるリュウに向かって、私じゃダメですか?と訴えるシーンです。
まっすぐな香恵の告白に涙が止まりませんでした。
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